「シェイプ・オブ・ウォーター」☆緑色はギレルモ色

名作「パンズラビリンス」でも異彩を放っていたギレルモ監督の作品は、弱者に対する温かい眼差しと、異形の者に対する惜しみない愛が溢れ、切ないラストが忘れられないのが特徴だけれど、その異形愛が強すぎてちょっと引いてしまうのが正直なところ。
しかし今作はぐっと抑え目なビジュアルで、より共感しやすい物語になっていたyo


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「シェイプ・オブ・ウォーター」 公式サイト(3月1日公開)

<ストーリー>

劇場の最上階に住むイライザ(サリー・ホーキンス)は口はきけないが真面目で優しい女性だった。
いつものように冷戦下のアメリカ国家秘密研究所の清掃夫として出勤すると、同僚のゼルダ(オクタビア・スペンサー)と共に、謎の生物を研究している機密部門の清掃をまかされることになった。
生息していたアマゾンでは神として崇められていたという彼に、次第に心奪われ度々会いに行くようになるイライザ。
しかし彼を解剖するという話を聞いてしまった彼女は…


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なぜか深夜に稼働している冷戦下の謎の研究所は、怪しげな巨大な機械がまるで生き物のような造形が不気味で、ギレルモ作品の舞台にはピッタリ

口がきけないイライザの通訳としていつも寄り添っている相棒ゼルダに、オクタヴィア・スペンサー。さすがの演技力でアカデミー賞助演女優賞にもノミネートされてるね☆
唯一の親友であり理解者の彼女も、辛辣な差別を受けている。

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イライザの隣人ジャイルズ(リチャード・ジェンキンス)はどこかの会社をクビになり、再起をかけて絵を描いているけど採用されることは無い

ジャイルズも孤独だ。
社会的にも受け入れられることが無く、また、気に入った店員(男性)のいるカフェに足しげく通うけれど、好意を示した途端追い出される。

「孤独な者同士が傷をいたわり合い、寄り添って生きていく」というのがギレルモ監督作品の根幹をなしているわけだけれども、今作はそのテーマをより明確に判りやすく打ち出しているところがミソ。

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ストリックランド(マイケル・シャノン)は美にこだわりが強く、差別主義で冷徹、己のみが正しく強いと思っている、アメリカの象徴として登場

謎の生物に噛み切られた指が壊死してきたのが許せず、自分でもいでしまうところなど過激さもハンパない。

メキシコ出身の監督がいだくアメリカの『イケてる自信満々の男性』というのはこういうイメージなのかな?
ジャイルズが想いをよせるカフェの男性も、ちょっと似たタイプなんだけどそれほどイケメンに思えない(≧▽≦)

それにしてもキャスティングが絶妙!!主役のイライザの美人すぎないところもいいし、一人として今風のイケメンが出てこないのもギレルモらしい。

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彼(ダグ・ジョーンズ)を大切に想ったとしてもさすがに…と思ったら、ラストで納得!イライザの生い立ちと首の傷にヒントがあったのne

今回の異形の生物は半魚人?
彼の姿はダークグリーン、彼の住んでいたアマゾンの海を再現した(?)ドロドロの水も緑、
対して権力の象徴であるストリックランドの愛車は淡く綺麗な青緑、カフェで出てくるミントパイも鮮やかなグリーンだ。

様々な緑があるけれど、どれも緑。美と醜の境目は何で決まるのか?
ギレルモのテーマがより明確に示されたことで、今回のアカデミー賞での最多13部門がノミネートされたのなら確かに納得だwa


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