「皇帝と公爵」☆誰が主役?

久しぶりにいただけない映画を観た。
153分もある大河ドラマは、ただタラタラと続く群像劇で、多すぎる登場人物に似たような衣装、どちらの軍の兵隊なのか、どのカップルの話なのか皆目わからない。
だいたいにおいて、フランス軍とイギリス軍の激しい攻防戦って・・・・・・どこがっ



それはともかく、一番いただけないのは邦題とポスター。

「皇帝と公爵」の皇帝ってナポレオン?・・・・・ひとっつも出てこないし、ナポレオン。
しかもこのポスターだとジョン・マルコヴィッチの公爵と、マチュー・アマルリックがまるでナポレオンで二人の激しい戦いのように思うよね?

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「皇帝と公爵」公式HP(12月28日公開)

<ストーリ->

19世紀初頭のナポレオン戦争を背景に、ウェリントン将軍率いるイギリス・ポルトガル連合軍がナポレオンを破るまでの戦いの中で繰り広げられるさまざまなドラマを描く。

フランス軍に攻め込まれたポルトガルの町は、ひどく荒れ果てていた。
人々はそれでも連合軍に望みを託し、ウェリントンが極秘に建設中の要塞トレス線へ向けた行軍とともに、旅を続けるのだった。
連合軍を追ってきたフランス軍が目にしたものは・・・・



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ブサコの戦いでは多くの戦死者を出し、戦友の死を彼の若き妻に知らせなければならず・・・・
まずはどちらの兵士かわからない私(汗)
自分のイメージとしてはフランスっぽい色合いの真っ赤な軍服がマルコヴィッチ率いるウェリントン将軍のイギリス軍。
イギリス軍が助けるポルトガル軍は緑色。
皆がナポレオン帽子のブルーの軍服がフランス軍。

行進しているときはいいけれど、物語の中で軍服を脱いだらみーんなフリフリの白ブラウスで、ほーら、ますます誰だか判らないよ?


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何かやらかしてくれると毎回期待するマルコヴィッチも、物静かな知的戦略家の役で出番は実はほんのちょっと

原題も「Linhas de Wellington」で、多分?ウェリントン公爵。
だけど、ほぼ何もしないよ?
台詞もあったのかどうだったか、記憶にないくらい。


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対するフランス軍のどう見てもナポレオンなのに、実はマッセナ元師の部下のマルボ男爵の役がマチューさん・・・・・・・・・えーっ?これだけ?チョイ役すぎるでしょう~

フランス軍のトップ、ナポレオンから命を受けたマッセナ元師はメルヴィル・ブポー。
それこそマチューさんの声を聞いた覚えないのだけど、私寝てたのかな?

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唯一判りやすかったフランス軍を応援するスイス人一家のカトリーヌ・ドヌーブ

愛人を男装させて同行させているマッセナ元師を、男性の恋人がいると思い込むご婦人たちの会話がのん気。
しかし戦争の流れ弾で娘を失った過去がある。


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本当は物語の中心にいる市井の人々

なぜかダラダラと旅を続ける市井の人々。
イギリス・ポルトガル軍にくっついて旅をし、拠点・拠点で兵士の遺体から金目のものを奪って売りさばいたり、料理を作ったり、兵士の相手をする娼婦がいたり・・・・と、実はこの映画の中心をなす人々は、戦争に翻弄されながらも力強く生き延びようとする。
普通なら戦争によって引き起こされた悲惨な物語が多い中で、こういった視点は今までにない歴史ものとしてとても興味深い。

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戦争で夫を亡くした未亡人なども、お金持ちも貧乏人も一緒に旅を続ける理由が説明されず、最後まで疑問が残される

多分、連合軍を頼りについていかないと、フランス軍の略奪や暴行・強姦にあって、町ごと荒らされるからなのかも知れないが、様々な物語がとびとびに登場し、説明不足も手伝って余計混乱してしまうのだ。

ぐっと整理して1組か2組に焦点を当てたら、それなりに見ごたえがあったかもしれないけど、話が散漫になってしまって残念。


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致命傷を負いながらも、教会が救護院として多くの人の命を救っていた


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望遠鏡を覗いて、あとは絵のモデルになっていただけのマルコヴィッチ

ポスターや予告編などで予想される戦争の部分は少なく、知将であるウェリントン将軍の功績もあまり強調されていない。

本来は戦が国を荒らしてしまって、その影で力強く生きていく市井の人々をテーマにしているわけで、死と隣りあわせの死神を背負った軍人に比べて、その生き生きとした活力のある市民に焦点を当てている点では、とても興味深い映画なのに、ウェリントンにマルコヴィッチ・敵軍にマチュー・アマルリックを据えた事で、焦点がぼけてしまったかんじ。

いくら夫の遺志をついで作品を仕上げたといっても、やはり巨匠ラウル・ルイスには及ばなかったということか・・・・?




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