「ファミリー・ツリー」辛い時のハワイアン

妻が危篤、おまけに浮気をしていたと娘の口から聞かされる。
こんな辛い話なのに、全編に流れる呑気なハワイアンが、なぜか心を和ませる。


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「ファミリー・ツリー」 公式HP (5月18日公開)


<ストーリー>

弁護士のマット・キング(ジョージ・クルーニー)は、突然妻が事故でこん睡状態に陥り、ひとり反抗期まっさかりの娘たちにも手を焼いていた。
祖先から受け継いできたハワイの広大な土地の売却問題も悩みの種だ。

ある日娘から、妻が浮気をしていたと聞かされ、相手を探していくうちに・・・・・


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17歳のアレクサンドアラ(シャイリーン・ウッドリー)は学生寮で夜中に抜け出してラリったり・・・・・

汚い言葉を吐きまくり父親に反抗的な娘は、実は母の秘密を一人抱えていた。
多くを語らないけど、父に対する想いとほどよい反抗的態度が実にリアルで、その分切実さが増す。

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妻の浮気を知って慌てるマットは、子どもたちの前では平静を装い・・・・

妻が瀕死なだけでもショックなのに、「パパが仕事ばかりで構ってあげないから、こんな風にモーターボートでスピード出したりして事故に遭うのよ」と、娘からも義父からも責められる辛い立場。
おまけに浮気されていたって、こんな辛い事ってある?

それでも感情を噴き出したのは一時で、子どもたちのために必死で平静を装っている様子を、ジョージ・クルーニーが熱演。
さすがゴールデン・グローブ賞で作品賞と主演男優賞を取るだけのことはある。


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どこにでも付いて来るシド(ニック・クラウス)は、この映画イチオシの存在

最初は空気の読めないとんだガキだと思われるアレクサンドラの彼氏(?)シド。
唯一部外者なのにどこにでも着いて来て、ひっかき回すようにみえるけど、実は彼が居たからこそ、緩和剤となって深刻な事態も家族が乗り越えていけたのだ。

実は彼にも辛い経験が・・・・・



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浮気相手を突き止めて、いよいよ乗り込んでいくが・・・・

深刻な状況なのにビーチで日光浴、深刻なのにハワイアン、深刻なのに何故か隊列を組んで海岸沿いをひたすら歩く・・・・・
深刻さを理解していない、やんちゃな10歳の妹スコッティ(アマラ・ミラー)がまたいい味を出して、深刻なテーマを重たくないコメディに上手い具合に仕上げている。

ただしスコッティが初めて現実を知らされたシーンは、演技とは思えないほどに素晴らしく涙無しには見られない。


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浮気相手の男には家族があって・・・・

妻は危篤、しかも浮気をしていただけでも酷くショックなのに(しつこい)、更に突きつけられるショックな現実。
結構、ラストの方まで『実は妻は浮気をしていたのではなく、土地の買収にかかわることで家族のために・・・』みたいな展開を期待していた私。

精神的にも肉体的にも妻を失って、なお平静を保てるなんて凄すぎる・・・・


最後のお別れに浮気相手の男の妻が病院に見舞ってくれるシーンの、どこか笑いを誘うコメディ感も絶妙だ。

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150年続いた先祖の土地は、7年以内に売らないと失ってしまうのだが・・・・



日本でも闘病物とか愛する人を失う系の映画で、やたら泣かせる映画がもてはやされるけど、これはそういった湿り気がハワイの空気のように一切ないところがイイ!

激しく泣き叫んだり、喪失感で茫然自失になったり、やたらウエットでいなければいけない?



ラストで、同じソファに座った微妙な距離感と絶妙な一体感がこの映画の全体的な特徴。
本当の家族って、確かにこうだよね。
じんわりとあったかいラストが、じんわりと胸を打つ。


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