「悪人」善人ではない人

昨年のうちにこの映画は見ておかないと・・・・と思っていた。
深津絵里が最優秀女優賞を取った作品だし。
でも、私は昨年のベスト10には、入れなかった。
確かに彼女の寂しげな表情、ふと見せるやさしい笑顔~~どれも巧いとは思うのだけど・・・・・



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 「悪人」 公式サイト


<ストーリー>

長崎に住む祐一(妻不夫聡)は、年老いた祖父母の面倒を見ながら肉体労働をする退屈な日々を送っていた。
そんな祐一も、実は出会い系で知り合った佳乃(満島ひかり)と時々会っていた。
しかしある日、ちょっとしたことがきっかけで佳乃を殺してしまう。

出会い系でやりとりのあった光代(深津絵里)と会うことにした祐一は、はじめてそこで人の安らぎを知り、殺人を犯したことを打ち明けると、光代は・・・・



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佳乃は同僚にも本心は言わず彼氏と会うと嘘をついて、出会い系を利用していた




誰しも人に、どんな風に接しているのか、意識している人は少ないのかもしれない。
ミクシー・ツイッター・フェイスブック・出会い系・・・・・その場限りの短いやりとりで、お互いの本質に触れないようにして築く人間関係が生み出す希薄な関係は、相手の気持ちを慮る必要が無い。

悪意をむき出しにしたときに、相手がどんな気持ちになるのか、うすうす感じてもその場限りで逃げてしまえば、無理に付き合いを続ける必要もないから、こんな便利なことは無いわけだ。




それは佳乃の父親(柄本明)が、劇中でも言っている。
「あんた、大切な人はおるね?今の世の中、大切な人がおらん人が多すぎる・・・・・」




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ものすごく憎らしい大学生(岡田将生)は、実際どこにでもいそう



本心からそう思っているのか、いないのか、本当に憎たらしい発言を連発する大学生。
ノリでこういう事言う人、実際いるけどね。



ここで父親が刺したら、刺したほうが犯罪者になっちゃう・・・・とヒヤヒヤしながらも、いっぱつかましたれーっ!とつい思ってしまう。(汗)
犯人のほうへ敵意を集中させずに、大学生へ向かっていく父親の判断は、結構的確!と感心してしまった。



大学生の友人で、佳乃の父親を気遣う人が、唯一まともで、ちょっとだけほっとする。



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執拗に祖母(樹木希林)を追い掛け回すメディア   日々目にする光景だ


宗教的しばりが無い分、日本人のモラルや優しさが薄くなってきているような気がするのは私だけ?
犯罪者の家族を追い回すメディア、相手に辛らつな言葉を平気で言う人、かっとなって暴力をふるう人・・・・・



それはどこにでもいる人たち。
悪人というほどでもないけど、善人ではない。
そして、誰しもがなり得る事でもある。

エビ蔵が下着で土下座をすれば、自業自得だとか、盗撮して嫁の態度が悪いとやいのやいのと言う。
一般視聴者は、2チャンで荒らしをする人たちと、何も変わらないことに気付いていないのだ。




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初めて体験する安らぎの時が、逃避行だったなんて・・・・



逃避行の良し悪しは別に問うつもりも無い。
逃避行だったからこそ、二人は強く結びつき、強く求め合ったのかもしれない。

ラストは本当に殺しちゃうのかと思ったけど、彼の最後のやさしさだったことは、すこーし伝わり難かったような・・・・




確かに深津絵里の演技は、繊細だったけど、妻不夫聡も素晴らしかった☆

ただ、どーしても金髪に染めたイケメンの妻不夫くんが、そんなにどんよりした日々を送っている人物に見えてこなかったのが残念。
顔がいいっていうのも罪なのかも・・・・




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