大友克洋を見る☆「老人Z」「MEMORIES」「SHORT PEACE」

結婚した時に「AKIRA」の原作本を持ってきたパパン。その圧倒的な画力に私もすっかりハマって、以来二人で作品をずっと見てきたのだった。

春に4Kリマスター版「AKIRA」(公式サイト)が公開され、ちょうどhuluで大友克洋特集が組まれていたyo
大友作品なら家族も一緒に見てくれるので(笑)みんなで鑑賞。
「AKIRA」のレビューはこちら→4Kリマスター版「AKIRA」☆臨場感と陶酔感

「老人Z」(1991年)原作・脚本・メカニックデザイン
81O5vDcpaTL._RI_SX300_.jpg看護学校生の晴子は世話をしていた老人が介護ロボットのモニターに選ばれ、チューブに繋がれている姿を見てショックを受ける。施設で敏腕ハッカーをしている年寄りたちと一緒に彼を救い出そうと奮闘するのだが…
コメディタッチな部分と女の子の造形に昭和っぽさを感じさせるけれど、メカの部分やAIが独自に進化を遂げていく様子、ち密に描かれたマシンは全く今でも通用するレベル。
大友以降の作家に影響を与えたとされる『老人を老人らしく』描くリアルさ(一人として同じ顔の人物が居ない!)に感心しながらも、主役の晴子以外の女子をとんでもなくブサイクに描くところは好きになれない。老人介護の問題について描かれている。

「MEMORIES」(1995年)監督 オムニバス
20200225224807.jpg「彼女の想いで」宇宙の果てから届いた救難信号を頼りに救助に向かうと、廃墟と化した宇宙船の中には素晴らしい宮殿があり、美しい女性が歌を歌っていた…
今すぐにでもハリウッド映画になりそうな見事な脚本はなるほど今敏だった!!
精神世界に取り込まれて行きそうな危険な香りと、描き込みの細かさに言葉を失ってしまう傑作!一見の価値あり☆
兵器.jpg「最臭兵器」製薬会社で風邪薬と思って試験薬を飲んだ社員が目覚めると、他の社員は全て死んでいた。本社へ連絡し試験薬のデータを持って東京へ向かうのだが・・・大好きな作品。よくぞこんなアイデアを思いつく!!
ギャグテイストの内容なのに、今ならデジタルCGで済ませる戦車の隊列が山道のカーブをぐんぐん進むシーンなど、セル画で全部やったの!?とお口あんぐりになる見事さ。
Clipboard0111221122.jpg「大砲の街」沢山の砲台がある街で少年は砲撃手に憧れ学校に通う。父は17番砲台の仕事でミスをし叱責される…話はあってないようなかんじで静かに淡々と弾丸を装填する様子を見る事になるので、毎回意識が遠のいてしまう。監督原作脚本キャラデザ全てを大友がやっているだけあって、マシーンへの愛情に溢れすぎて彼は人間より機械が好きなのねと思わずにいられない。


「SHORT PEACE」(2013年)日本をテーマにしたオムニバス
大友克洋原作の漫画「SHORT PEACE」(1986年)とは内容が全く違っている。
Clipboard0100000.jpg「九十九」監督 森田修平
山で迷った男は古い祠で一夜を明かす。そこにあった古道具のお化けが次々と現れるが、修繕してやると道具は満足しお礼に反物と傘が置いてあった。
現れるもののけが非常に愛らしく、また宙を舞う反物の柄が美しくて見とれてしまう。見た目ごっつい男が器用に傘貼りしたり布を繕ったりする姿にほっこりして、物を大切にする事の重要さを思い出させてくれる。

Clipboard019999777.jpg「火要鎮(ひのようじん)」
監督 大友克洋
江戸の街で火消しになった幼馴染に会いたくて火事を出したお若は、屋根の上で松吉と再会するが江戸は既に火の海だった・・・
引きの映像が多く、江戸の絵巻物が動いているような感じになっていて面白い。
画風が過去の大友作品と全く違うので多少戸惑ってしまう。

Clipboard01664455.jpg「GAMBO」監督:安藤裕章
16世紀の東北地方。鬼が村の娘たちをさらって自分の子供を産ませていたが、村の少女は森で出会った白い熊に鬼退治を願う。死闘の末、鬼と熊は相討ちとなる。
昔話に出てくる鬼や天狗は白人の事ではないかと言われているから、てっきりこの鬼もそうかと思ったら、よく見ると山中に宇宙船らしきものが落ちている事から鬼はエイリアン?
お侍に「この熊は何者なのじゃ?」と問われて少女が「信じねぇかもしれないけど…」と答えを言わずに物語が終わるので、何か深いメタファーが隠されているのかも・・・

Clipboard01996111.jpg「武器よさらば」監督:カトキハジメ 原作:大友克洋
近未来の東京。爆弾処理の為にパワードスーツで武装したメンバーは、無人兵器と遭遇し死闘の末壊滅する。損傷したスーツを脱いだ主人公だけが民間人とみなされ攻撃を免れる。
めちゃめちゃ緻密に描き込まれたマシンとの戦闘シーンは必見!!CGなど使わなくてもリアルで完璧☆
それ故にAI兵器の恐ろしさに震え上がってしまう。30年も前に「AKIRA」を描いた大友が2020年の東京オリンピックを予測していたように、AI兵器で壊滅した東京が現実になりませんようにと祈らずにはいられない。
一見恐ろしい物語の様なのに、全裸の主人公がAI兵器に素手で立ち向かっていくラストは本来の大友作品らしいコミカルなエンディングになっている。


私が好きなのは「彼女の想いで」「最臭兵器」「九十九」と「武器よさらば」
どれも短編なのでさっくりと見られるのが良い。GWの暇つぶしに是非!

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

2020年05月04日 16:10
まだ~むさん、こんにちは。
大友克洋さん、恥ずかしながら存じ上げなかったのですが
こうして拝見すると、画力がすばらしく
壮大な世界観をお持ちですね。
デイン・デハーンくんの「クロニクル」を見た時に
AKIRAからインスパイアされたと知って、以来気になっていました。
機会があったら見てみたいです。
ノルウェーまだ~む
2020年05月05日 01:11
>セレンディピティさん
>
「クロニクル」実は未見なのですが、セレンさんが確かおススメされてましたよね♪超能力を得た高校生の話、確かに「AKIRA」からインスパイアされたの納得です。
上の短編集は、大友氏が監修して別の監督やキャラデザだったりもするのですが、どの人たちもその後物凄い大物になった人ばかりなんですよ。
その一人が大友氏のアシスタントをやっていた今敏なんですけど、彼の作品も素晴らしいんです。
車やメカがお好きなセレンさんなら、きっとワクワクすると思いますよ。とにかく「AKIRA」は見て欲しい~~っ(アニメはあまりご覧になられない様ですけど是非!)
ごみつ
2020年05月06日 17:43
こんにちは

この中で見た事のあるアニメは「AKIRA」だけです。他のも是非見てみたいな~。アマプラにもアップされると良いんだけど。

原作コミックは「AKIRA」と「童夢」は読みましたが、大友克洋の作品は本当に凄いですよね。以降の作品にどれだけ影響を与えたかはかりしれませんよね。

「AKIRA」(アニメ)だけでもまた見直したいな。
ノルウェーまだ~む
2020年05月06日 23:22
>ごみつさん
>
「AKIRA」ご覧になった事あるのですね~!?嬉しい♬
アニメも良いのですが、原作コミックがまた凄いんですよねぇ☆
「童夢」は大人になってから読んだのに、とんでもなくトラウマになっていて、2度目に読むまでに20年近く必要でした(苦笑)
紹介した映像はどれも短い時間のオムニバスなので、サクッと見られるのに、あまり配信されてないのが残念ですよね。いつか機会があったらメモリーズだけでも是非!

この記事へのトラックバック