「オリエント急行殺人事件」☆演技バトルのためにある映画
なぜ誰もが真相を知っている推理小説を、今映画化するのか?
なぜ誰もが知っている物語を改変せずそのままやるのか?
それはきっと、誰もが結末を知っているからこそ、役者がそれをどうを演じるのかが腕の見せ所になってくるから。
舞台でも歌舞伎でも同じように、定番の演目を繰り返し上映するのは、役者の演じ方によって作品もぐっと変わってくるからと言える。
さて、そんな有名な推理小説を実はまだ読んだことが無かった私。
ポアロと一緒に推理も楽しみつつも、何故か釈然としなかったのは…
「オリエント急行殺人」 公式サイト
<ストーリー>
イスタンブールで休暇を楽しむ予定だったポアロ(ケネス・ブラナー)は、急ぎの仕事を頼まれて急遽オリエント急行でフランスのカレーまで乗車することになった。
冬だと言うのに満席だった列車に大急ぎで乗り込むと、乗客の一人アメリカ人富豪のラチェット(ジョニー・デップ)が脅迫状を受け取ったので護衛をしてほしいと頼んできた。
悪どい商売で敵の多いラチェットに正義を感じなかったポアロは断るが、その晩彼は殺されてしまう。
すぐさま乗客一人一人に証言を聞きつつ、捜査を始めるポアロだったが…
とにかく映像が美しい
賑わいをみせるトルコの街並み、雪の降り積もる山道に沈む美しい夕陽、どこまでがセットでどこまでが実写か判らない見事な景色はそれだけでもオリエント急行で旅をしている気分♪
ジョニデは殺される役で早々と退場
意外にも『いけ好かない裏のある商売人』の役にしては大人しかったジョニデ。大女優ジュディ・デンチが居たから?とも思ったけれど、最後の真相が判るまではそこそこ被害者のアメリカ人でいなくてはいけなかったからかな…
大御所は貫禄が凄い
オリエント急行にこそふさわしいようなゴージャスさ。過去作品の侯爵夫人のほうが『豪華絢爛』だったけど、デンチくらいに抑えた衣装の方がより上品さが伝わってくるne
列車も丸々作っちゃった監督権、ポアロ役のケネス・ブラナーは最高に見事!!あのハリポタでウザかった先生と同一人物とは思えないっ!
ベルギー訛りをかなりレッスンしたそうだけど、てっきりポアロはイギリス人と思い込んでいた私。
神経質そうで完璧主義な人物像をパーフェクトに演じていたけれど・・・・
グサッてやられてナイフを抜いちゃう医者も医者だけど、その後平気そうで???
何か違和感のある証言をやたらして、物語をミスリードしていくハバード夫人役のミシェル・ファイファーは、妖艶な立ち居振る舞いがとってもセクシーで、こんな美しいシニアになりたいものだわとしみじみ思っちゃった☆
ラストのトンネルのところは『最後の審判』 のよう・・・・・と思いながら観ていたら、隣のシニアご夫婦の旦那さんが「最後の審判みたいだね」って、おいおい!茶の間じゃないんだから黙って観てよ~~
見事な映像美と豪華キャストとくれば、ロクな映画にならないというのが私の中での定説。
しかし今回はキャストも演技も景色もバッチリ。
じゃあなぜこんなに釈然としないのかというと、それは原作の結末にある。
ケネス・ブラナー監督は「黒と白しかなかったポアロが初めて出会ったグレーな結論」と言っていたけれど、ネクタイが曲がっていても気になるポアロがグレーを受け入れるというのは、ネクタイ曲がっていようと平気な私でも納得できないっ!!
もしかしたらコナン・ドイルは読んでも、アガサ・クリスティーを読まなかった理由がここにあったのかもしれないと今更ながら気付いた私だった。
なぜ誰もが知っている物語を改変せずそのままやるのか?
それはきっと、誰もが結末を知っているからこそ、役者がそれをどうを演じるのかが腕の見せ所になってくるから。
舞台でも歌舞伎でも同じように、定番の演目を繰り返し上映するのは、役者の演じ方によって作品もぐっと変わってくるからと言える。
さて、そんな有名な推理小説を実はまだ読んだことが無かった私。
ポアロと一緒に推理も楽しみつつも、何故か釈然としなかったのは…
「オリエント急行殺人」 公式サイト
<ストーリー>
イスタンブールで休暇を楽しむ予定だったポアロ(ケネス・ブラナー)は、急ぎの仕事を頼まれて急遽オリエント急行でフランスのカレーまで乗車することになった。
冬だと言うのに満席だった列車に大急ぎで乗り込むと、乗客の一人アメリカ人富豪のラチェット(ジョニー・デップ)が脅迫状を受け取ったので護衛をしてほしいと頼んできた。
悪どい商売で敵の多いラチェットに正義を感じなかったポアロは断るが、その晩彼は殺されてしまう。
すぐさま乗客一人一人に証言を聞きつつ、捜査を始めるポアロだったが…
とにかく映像が美しい
賑わいをみせるトルコの街並み、雪の降り積もる山道に沈む美しい夕陽、どこまでがセットでどこまでが実写か判らない見事な景色はそれだけでもオリエント急行で旅をしている気分♪
ジョニデは殺される役で早々と退場
意外にも『いけ好かない裏のある商売人』の役にしては大人しかったジョニデ。大女優ジュディ・デンチが居たから?とも思ったけれど、最後の真相が判るまではそこそこ被害者のアメリカ人でいなくてはいけなかったからかな…
大御所は貫禄が凄い
オリエント急行にこそふさわしいようなゴージャスさ。過去作品の侯爵夫人のほうが『豪華絢爛』だったけど、デンチくらいに抑えた衣装の方がより上品さが伝わってくるne
列車も丸々作っちゃった監督権、ポアロ役のケネス・ブラナーは最高に見事!!あのハリポタでウザかった先生と同一人物とは思えないっ!
ベルギー訛りをかなりレッスンしたそうだけど、てっきりポアロはイギリス人と思い込んでいた私。
神経質そうで完璧主義な人物像をパーフェクトに演じていたけれど・・・・
グサッてやられてナイフを抜いちゃう医者も医者だけど、その後平気そうで???
何か違和感のある証言をやたらして、物語をミスリードしていくハバード夫人役のミシェル・ファイファーは、妖艶な立ち居振る舞いがとってもセクシーで、こんな美しいシニアになりたいものだわとしみじみ思っちゃった☆
ラストのトンネルのところは『最後の審判』 のよう・・・・・と思いながら観ていたら、隣のシニアご夫婦の旦那さんが「最後の審判みたいだね」って、おいおい!茶の間じゃないんだから黙って観てよ~~
見事な映像美と豪華キャストとくれば、ロクな映画にならないというのが私の中での定説。
しかし今回はキャストも演技も景色もバッチリ。
じゃあなぜこんなに釈然としないのかというと、それは原作の結末にある。
ケネス・ブラナー監督は「黒と白しかなかったポアロが初めて出会ったグレーな結論」と言っていたけれど、ネクタイが曲がっていても気になるポアロがグレーを受け入れるというのは、ネクタイ曲がっていようと平気な私でも納得できないっ!!
もしかしたらコナン・ドイルは読んでも、アガサ・クリスティーを読まなかった理由がここにあったのかもしれないと今更ながら気付いた私だった。
この記事へのコメント
華やかなキャストとロケーションで、今の季節にぴったりの作品でしたね。雰囲気を楽しめたら...と思っていたので、その点では満足でした。
ケネス・ブラナーは監督の特権?でやはり見せ場が多かったですよね。^^
あのね...私が釈然としなかったのは、ポアロがひげのマスクをするくらい几帳面なはずなのに、事件の夜はマスクをしてなかったこと。細かいことだけど、一貫性がなかったですね。^^
http://blog.goo.ne.jp/serendpt3/e/db2d345870341eed31ee285a990cff11
ヒゲのマスクには気付きませんでした。セレンさんも名探偵になれそうですね!
でも多分ヒゲの一貫性と同じように、几帳面で正義感の強いポアロの出した結論としてはどうにも釈然としないのです。
何しろどんな事件でも、愉快犯や殺人狂でないかぎり理由なく人殺しすることは有り得ないのですから、情に流されてばかりでは探偵は務まらないと思うとどうも…
ブログのデザインが雪景色になって、今回の記事にピッタリですね!
横レスですが、(^_^;)私もポアロのヒゲの件、気が付きました!あれ、今夜はマスクしてないのかよ?と思いました。
この作品、本当に映像がきれいでしたよね。オリエント急行が出発するシーンには胸がたかまりました。
それと豪華キャストの演技の競演も楽しかったです。
そうそう、2年くらい前にテレビのスペシャルドラマで三谷幸喜が撮った「オリエント急行殺人事件」があるんですよ。まんま、舞台を日本におきかえた作品で、ポワロは野村萬斎なの。けっこう面白かったよ。こっちも機会ありましたら。
アガサ・クリスティーでは“そして誰もいなくなった”がベストでオリエントは(読んでないけど)だいぶ落ちるという認識。次はナイルらしいですが、やっぱり観てしまうのでしょう
オールスターキャストって言葉が印象的だったような。
日本でいえば「忠臣蔵」みたいなもんかな~
書いてて気づきましたが、
今日は討ち入りの日!
いつ見ても泣いてしまいます・・・
最近、BIGLOBEにTB行かないので、記事のURLをリンクしました。
ポアロのヒゲは全くノーマークだったわ~~(汗)
ところでごみつさんは原作から前作、三谷作品までもこの作品がお好きなのね!?
実は私、アガサクリスティ作品がこういった路線ならば、今後もどうも心底は楽しめないかも…って思っちゃいました。
つまり正義感で事件を推理するのがポアロならば、より一層彼には感情に揺さぶられて欲しくなかったのです。
これでは復讐が正義となってしまうし…
でもゴージャスな前作はちょっと見てみたくなったわ♪三谷作品も要チェックね☆
次はナイルね~ってニンマリしちゃいましたね。
最後に雪の中オープンカーで去っていくのが寒そうでしたが(笑)
推理小説の王道だというのに、「そして誰もいなくなった」も未読ですが、超有名作品ですよね。
私もきっと次があったら観ちゃいます☆
あー!討ち入り終わっちゃいましたね(笑)
そういえば毎年討ち入りの頃、忠臣蔵ものやるのに、昨日は無かったのかしら?
私は自分がちろっと映るので「カンブリア宮殿」見てました(笑)
オールキャストにまさしく相応しい映画でしたね☆
あの正義感の強いポアロが情にほだされるところが、実は良いのでしょうが、私としては12人がそれぞれ手を下す事の方が恐ろしいと思っちゃいました。
あと警察が見つけられなかった犯人を、素人が見つけてることとかどうしてもツッコミたくて…
純粋に列車の密室殺人の推理を楽しむ作品なのでしょうね~
とにかく豪華なキャストの中にいて、一人おいしく目立つケネス・ブラナー閣下。今後もこの役でシリーズ化をよろしくお願いいたします。
そうなんです。勿論謎解きあってのアガサクリスティなのですが、彼が大岡裁きに至ったのをあえてポイントにしたいのなら、その苦渋の決断をする経緯をもう少しクローズアップして見せても良かったように思います。
ってうか、不問に付して終わるなら大岡裁きの方が気持ちよいのに…
どの部分で魅せるかかな
古典作を今に作ったのだから
これぐらいキラキラ派手は大正解
犯人がわかって
何気なく映し出してた表情
会話に、伏線だったのも
私みたく原作も読んでいて
結末を知ってる者としては
ある意味、楽しめたけど
謎解き時にポアロがその事実を知っているのか
全てポアロの頭の中だけで完結してて
えっっ!すごい!そう来る!
では無く、そっちね💦
というワケで
エジプトのナイルであのお髭にまた会える(笑)
原作を読んでいたqちゃんもしっかり楽しめたのね~
様々にいわくありげな表情を、知っているからこそ楽しめるって言うのもあるわね、確かに☆
最後ナイルきたーっ!って思ったwa(≧▽≦)
次回作もありそうで楽しみね☆
ポアロも散々悩んだと思うのだけど
確かに描写不足だったよね。
正義は何かというのは難しい問題だと思うけれど
あの誘拐事件はあまりにも酷かったし
それによって人生を破滅された人たちがあれだけいたのだから
あの結末はいたしかたないかもと、私は思いました。
勿論犯人は極悪非道で、憎むべき人物像になってましたが、
関わった人が多かろうと、その人たちが破滅したのは直接的原因とは言い難く、復讐の手を下すことを許される人がいるとするならば、唯一その赤ちゃんの親だけだと私は思って観てたので、どうにも集団で寄ってたかって手を下す姿にいまひとつ共感することが出来なかったのでした。
ポアロの逡巡する様子がもっと描かれていたら、だいぶ違ったかもデス~~
最後に「あー寝た寝た」どジョニデが起きてくる。
ジョニデは魔法使いなので死なないのである。
確かに起きてきそうなかんじでしたよー(笑)
でもさすがに魔法使いでも死にますね~あれだけ刺されると…
起きて来たらゾンビデス(笑)