「グランド・ブタペストホテル」☆おもちゃ箱みたいな映画
主役級の俳優たちもてんこ盛りで、遊び心いっぱい、楽しさいっぱい、贅沢な作品だ。
「グランド・ブタペストホテル」公式サイト(6月6日公開)
<ストーリー>
旧ズブロフカ共和国の大作家(トム・ウィルキンソン)は若き頃(ジュード・ロウ)に滞在した寂れたホテルで聞いた、そのホテルのオーナーが貧しい移民の身でありながら、このホテルを手に入れた波乱万丈の人生についてを語り始める。
1932年、ゼロ・ムスタファ(トニー・レヴォロリ)がベルボーイとして働き始めた頃のグランド・ブタペストホテルは栄華を極め、伝説のコンシェルジュ、ムッシュ・グスタヴ(レイフ・ファインズ)の究極のおもてなしを目当てに来るお客様で賑わっていた。
ある日、常連客のマダムD(ティルダ・スウィントン)が殺されたことで、彼女が遺した遺言に名画「少年と林檎」をグスタヴに贈ると書かれていたことから、突如容疑者にされてしまった彼は、ゼロを連れて逃避行するのだが・・・・
老年のゼロ(Fマーレイ・エイブラハム)は、若き作家に語り始める
石碑になった大作家の代表作「グランド・ブタペストホテル」を説明するのに、老年の作家は必要ないようにも思えるけど・・・・石碑と老年・若き日とハゲ方が微妙に違うのがちょっぴり笑える。
本のファンの少女が石碑に鍵を吊るしたのは、本に登場する『秘密結社』を意味しているのかな?
人間、立ち方ひとつでこんなにもユニークにみえてくるのか?
原色を多用したポップな画面、かわいいパステルカラーでお菓子屋さんのウィンドーみたいな画面、様々な色が賑やかなおもちゃ箱のような画面、一転して白と灰色だけの雪山や列車のシーン。
メリハリをつけた画面構成が、殺人事件・真犯人の追跡・残忍な殺戮者とおどろおどろしい場面までもを、軽快でまるで子供の遊びの世界そのもに見せてくれるから不思議だ。
84歳の婆さんマダムDを、ティルダ・スウィントンが見事に化けて演じている
84歳の妙齢の女性の夜のお相手もこなすグスタヴもすごいが、一生現役(爆)なのもすごい!
海外のホテルはチップが大きく生活を助けていたりするから、特別なお仕事もいとわないのかしら??
主役を張れる大俳優たちがぞくぞく。しかもほぼ悪役顔(笑)
セルジュXのマチュー・アマルリックは、勝手な思い込みで敵役とばかり思っていたのに・・・・・
最近、明らか悪役をする人が登場することで真犯人が早い段階で分かってしまうという惨事が多いけど、こちらは悪役顔をたくさん揃えることであえて混乱させる作戦だった?
でも結局、普通に見たまんまの凶悪犯人だったけど(笑)
恋人アガサ(シアーシャ・ローナン)の助けによって、二人は窮地を脱するが・・・・
美しい顔に大きなあざを持つ・・・・・というヒロインを登場させるというウェス・アンダーソン監督の類まれなる発想に脱帽する☆
脱獄中
場面転換が早いのに、さらに早送りを多用して、ますますコミカルに仕上げた逃走、追跡シーン。
意味の無いことしてみたりも、こうなるとどうでもよくて、コミカルならば何でもありになってくる。
場面展開が速すぎて、字幕を追うのと画面を追うのに忙しすぎるのがちょっと大変。
せっかく賑やかな画面いっぱいの遊び心を、もう少しゆっくり楽しみたかったなぁ。
案外、吹き替えのほうが堪能できる映画なのかもしれない。
可愛いボックスに入っている、メンドルのスイーツは、ものすごいキュートだけど美味しそうには見えない・・・
パリのお菓子屋さんを想い出す、華やかで眺めているのが楽しいケーキ屋さん。
どれも甘そう~~~
ただ楽しいだけでない驚愕のハッピーエンド
ブタペストという地が体験してきた歴史を彷彿とさせるような、栄枯盛衰を描いているのか?
楽しくて能天気なハッピーエンドのあとに訪れる何ともいえない物悲しい世界観。
ウキウキとした気分と物静かなノスタルジーを絶妙に配したウェス監督の唯一無二の世界を存分に楽しみたい。
この記事へのコメント
レイフ・ファインズが好きなので、この作品どんなお話なのかな~と気になっていました。ミステリーのような?コメディのような?一筋縄ではいかないお話でしょうか。
登場人物が多くてちょっとゴージャスな雰囲気があるところは、アガサ・クリスティ風?と思いましたが、映像も場面ごとにがらりと変わって凝ってますね~
ポスターもすてきですね☆
アガサクリスティだとかなり上品なミステリーのイメージですが、こちらは上品もあり下世話な部分もあり、軽やかに爽やかに残虐だったりもして、不思議なそれこそおもちゃ箱のようでした。
公式サイトでダウンロードできる映像などとってもステキですよ。
是非ご覧になってみてください~☆
でも主演のリーアムは魅力が、、、、
吹替は嫌だけどテンポ早くて飽きずにみれた♪
豪華キャスト勢ぞろいだったねー!
でも主役は似ててもリーアムじゃないよぉう(笑)
私は結構レイフ・ファインズ良かったよ☆
>秘密結社
ざっくり言っちゃえばコンシェルジュ組合なんで
しょうが、うがった見方をすると背景に見え隠れ
するファシズムの台頭と侵攻を思えばレジスタン
ス組織ともとれるかなぁと思っちゃったりします。
>メンドルのスイーツは、ものすごいキュートだ
けど美味しそうには見えない
ですよね~、普通に考えて青&ピンクのクリーム
ってどれだけ添加物入りまくりなんだよ!で手を
出そうという気にはなれんですよ♪ (゚▽゚)v
なるほど、列車のくだりなど大きな意味を持つはず・・・と思いながらも、ちょっと消化できてなかったのですが、巨大な勢力に対抗する、ゆるがない統率力をもつ地下組織をレジスタンスとして見るならば、なるほど納得です。
さすが!
この独特の世界観…面白かった!!
予備知識なしで観たから全くストーリー展開が分からなくてワクワクして観てたら、ラスト近くは切なかったね…
デフォーさんの迫力に逆に笑った!!スキー上手すぎでしょ(笑)あれじゃオリンピックチャンピオン!!冷静にみると殺し方がすごかったね…指…
鼻があるレイフさんも久々~
ジュードは似合ってた~
悪役顔勢揃いに笑った!!
デフォーさんのスキーがオリンピック並みだったねー(爆)
鼻のあるレイフさんはなかなか素敵で、多くの顧客さんがつくのも解るわ~でも何故にご年配ばかり??
最後はあれよあれよという間に切ない展開で終わっちゃったね。
前作は、子供主役の可愛らしさに、いささか鼻につく感じもあったりしたけど、今作は、大人ならではの辛辣な面白さをタップリと堪能できました。
大人が楽しめる面白さがありましたねー
可愛くて辛らつで残酷で・・・
前作の「ムーンライト~」は実は見てなくて・・・鼻につくかんじ??
シアーシャ・ローナンちゃんは『つぐない』で幼さの残る少女を演じてましたが、もうすっかり大きくなってしまって…
『グランド~』でもそうでしたが、大概幸薄い役ですね。おじさんが幸せにしてやりたい
発言には気をつけましょう~~~(汗)
「幼さの残る少女好き」という印象が定着しちゃいますよー
幾ら最近の若者(20代)は40代好きが流行とはいえ・・・