「16歳の合衆国」哲学的に

ねえねの彼氏ちゃんが大絶賛の映画。
青春純愛炸裂ムービーかと思いきや、とんでもない!
答えの出ない哲学的なテーマは、自分が16歳ではないことを、思い知らされる結果となって・・・・・



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「16歳の合衆国」(2003)



<ストーリー>

16歳のリーランド(ライアン・ゴズリング)は、手に怪我をして帰宅する。
母親が病院に連れて行くと、そのまま逮捕されてしまう。彼は、恋人の弟を殺してしまったのだ。

矯正施設のリーランドの担任になったパール(ドン・チードル)は、この少年の心を解き明かすことが、小説のネタとして活かせるのではと、熱心に彼と面談を重ねる。

弟を殺された恋人のベッキー(ジェナ・マローン)の一家では、各々が心のバランスを崩し、苦しんでいた。
間近でベッキーの一家を見守ってきた姉ジュリー(ミシェル・ウイリアムズ)の恋人のアレン(クリス・クライン)は、ジュリーが自分から気持ちが離れていくことを知り・・・・・





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弟は知的障害児、施設では身を護る言葉しか教えてもらえない


冒頭は、時間軸もあっちにとんだり、こっちにとんだり、リーランドのエピソードだったり、ジュリーのエピソードだったり、いったいどの家族がどう係わっていくのか、ちょっと見えてこなくて混乱してしまう。


それにしても、心を閉ざして感情を表に出さない、もしくは感情を自ら抑えてしまっている多感な青年を、「ラースと、その彼女」でもいい味を出していたライアン・ゴズリングが、見事に演じている。

あまりに感情が無いので、最初は彼も知的障害児なのかと思ってしまった・・・



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薬物からのがれようと、誠実なリーランドに救いを求めるベッキーだったが


ベッキーにとっては、彼女が言っているように、リーランドは『守護天使』
でも、年頃のリーランドは彼女を愛していた・・・・・・・



彼女が昔の男のもとへ行ってしまった事を知らされた時も、心の行き違いを、彼はやはり自ら深く傷つくことがないように、胸の入り口にガラスの蓋をして、流してしまったのではないだろうか。


もっと感情をあらわにして、「愛してる」や「君を失いたくないっ」と訴えることができたなら良かったのに。




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人を殺めた青年より、浮気の事実をつきつけられた教師のほうが動揺する



理知的なリーランドは、パールが小説のネタを盗もうと考えていることすらわかってしまっている。
しかし、パールが教師の立場から、リーランドを救いたいと考えていることも、ちゃんと理解している。


逆に彼女がいるのに浮気をしているパールに、どんな気持ち?と質問して、本当に人を傷つけているのは誰なのか、気付かせるというのが、すごい。


しかし、殺人は殺人。
結局、彼自身が「覚えてない」「分からない」というように、その殺人の理由は、最後まで明らかにはされない。



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作品にほれ込んで製作にかかわったケヴィン・スペイシーは、リーランドの父親役でも登場



5歳で離婚してから、ずっと会ってもいない父親も、感情を表に表そうとしない。
自分の心にも、人の心にも無関心だ。




リーランドを演じているライアンの演技を真似したというケヴィン・スペイシー。
その演技を見て、ライアンは自分の演じるリーランドにそっくりだ!と思ったというからすごい。

つまり、リーランドのしぐさをまねて演じることにより、父親の血を引くリーランドが、様々な点で父親に似てくる・・・ところを表現したわけ。
さすがケヴィン、大物俳優の余裕を感じる。



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16歳の殺人の理由は最後まで分からず


「両親の育て方だとか、読んでる本やテレビの影響などと、人は理由を知りたがる」が、そんな事ではないと、映画でリーランドが言う。
この、人の痛みが分かりすぎるくらいに感じてしまう、繊細なリーランドは、家庭環境が悪かったからとか恋人に振られたからとか、そんな理由で弟を殺したのでは、確かにない。




倒木のせいで自転車を走らせることができなくて、かんしゃくを起こす恋人の弟を、そっと抱き寄せて、「もう全て大丈夫だよ」という、ラストのシーンにその答えがあるような気がする。

ベッキーに「全て大丈夫って、うそでもいいから言って」と頼まれても、「確実でないことを言うのは・・・・」と躊躇していたくらいのルーランドが、ここでハッキリと、彼に言ってやるのは、もしかしたら生き難い未来が待っている恋人の弟のために、自分が天国に送ってあげようと、その時決意していたのではないだろうか。




答えを出さない結末は、自分が16歳の多感な時期かどうかで、ずいぶんと印象が変わってくる。
もう自分はそこまで繊細ではないのかも・・・





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この記事へのコメント

2010年09月28日 07:49
まだ~むさん、おはよう^^

なんだか重い内容の映画だね!
16歳の多感な時期が自分にもあったはずだけど、何を悩んでどんな事を感じていたのか、今じゃ全然思い出せないもの。
なんとなく楽しかった高校時代!って感じ^^;
全部読んでいて、「もしかしたら生き難い未来が待っている恋人の弟のために、自分が天国に送ってあげようと、その時決意していた」ってとこに同感!
なんだか観たくなってきた映画です^^
ノルウェーまだ~む
2010年09月28日 08:05
みすずちゃん、こんばんわ☆
できたら丁度16歳の息子さんと一緒に見て、感想を聞かせてほしいな。
結構難しいテーマだけど、きっと16歳だからこそ感じるものがあるんじゃないかな~
2010年09月28日 08:14
おはよう!!

これ昔観たよ☆まあまあよかったな、確か翔も良かったといってたはず、、、
そうそうケビンスペイシーが出てるのよね、

ってやばいー行ってきます記事書く時間が!!
今からシャンプー(笑)
数時間後よろしくね!また出る前にメールするね☆
いよいよ楽しみ~
hino
2010年09月28日 10:28
いよいよmigちゃん出発だね↑
そういえば、朝シャン派だね(^^)

まだ~む、重たそうな作品で、良いね(好み)
これが、舌ピ彼のお気に入りとは、やっぱりディープっぽい。
中身はまともなのに、なぜ舌ピなんだーっ?なぜだーー?
舌ピまわして赤ちゃんあやすのも、あたしゃ笑えないよう(><)
ひとの彼なのに、ああだこうだ思うのは、そんだけまだ~む一家に親近感を持つ証拠なのだ。
水瓶座のまだ~むにはうっとうしい限りだと思います。すみませんね(^^;
あ、水瓶座は「友愛精神」だよ。鳩山さんも水瓶座。

多感な時期に観たもの読んだものは、強烈に残ってたりするよねえ。まだ~むは感覚が洗練されていて、繊細なひとだと思うよ~。生涯、若いひと。

ケビンスペイシーいいよねえ
へーほんと大物役者だ!!

アメリカンビューティーは楽しめなかったんだけどまだ~むはどうだった?

こちらも観てみたい作品にチェックー
子供にもいつか見せたい。







「クラッシュ」の鍵屋のお兄さん
マイケル・ペーニャが
ドン・チー様良かった~
って~
不完全燃焼だったな~
登場人物の掘り下げが足りない
ま~動機っつったら
彼が悲観主義者だったから?!
妙に自己主張の強い人間達の
セルフストーリーって感じ
オチとして
プロデューサー「ケヴィン・スペイシー」の
好きな世界観かな~って
・・・不思議な作品だったわ
ノルウェーまだ~む
2010年09月28日 17:12
migちゃん、待ってるよぉー!!
楽しみたのしみ~だけど、こちらはしっかり雨模様。
私は雨女ではないけど、晴れ女でもないし・・・心配。
気をつけて来てね☆
ノルウェーまだ~む
2010年09月28日 17:24
hinoちゃん、舌ピじゃなくて、くちピね。(笑)
鳩ちゃんも水瓶座かぁー
自由人なんだよね、水瓶。親近感~♪

「蛇に~」のときも書いたけど、多感なときに感じたものが繊細であるほど重くその人の奥深くに残ると思うので、生き難い生き方しかできない人でも、内面に何か持っているものがある人が好きだな。

アメリカンビューティーまだ見れてないYO~
ノルウェーまだ~む
2010年09月28日 17:28
qちゃん、おはよー
製作のケビン・スペイシーが惚れ込んだっていうだけあって、好きな世界観だったのでしょうね~
私は自分が16歳をとうに過ぎたので、ちと分からん・・・ってなったのかな?と。
リーランドが彼女に裏切られて、悲しかったのか、そうでもなかったのか、感情を押し殺しているだけなのか、その辺りも分かりにくかったかも。
2010年10月14日 11:28
まだ~むおはよう、
ノルウェー記事昨日から写真整理してたらあっというまに真夜中に。。。
今日からママがくるので1つやっとかなきゃって。

TBありがとう!自分でも書いてたこと忘れてたし内容も全部忘れちゃってた(笑)
暗い映画って相当なインパクトないと4年も経てば忘れちゃうわ、、、
ノルウェーまだ~む
2010年10月14日 16:46
migちゃん、ありがと☆
かなーり、昔の記事だったのにコメントくれて、うれしいわ。
この映画はちょっとどう表現していいのやら・・・捉えるポイントが難しいから、心に残るってことはあまりないかもね。
2010年10月14日 22:08
初めまして。Kooと申します。TBありがとうございました。
ロンドンもノルウェーも行ったことないのでうらやましいです。フィンランドのVaasaというとこに長期滞在していたことがあるんですけど、スウェーデンへは船で行ったけど、ノルウェーに行かなかったことを今更悔やんでいます。
またお邪魔させてください^^
ノルウェーまだ~む
2010年10月15日 05:57
Kooさん、ようこそ!
私は北欧はフィンランドだけ行けてないのですょ。
オスロよりはかなり北にあるので、暮らしも大変だったんじゃないですか?
行ってみたかったなぁ~
また是非遊びにきてください☆
2010年10月15日 11:41
真冬は-25℃ぐらいまで下がったけど、どうせ車移動だからそれほど大変でもなかったですよ。チャリ通はさすがにしんどかったですけどね。
メルボルンの冬のほうが大変だったかも。朝は氷点下まで下がるのに会社に暖房設備がないので、コートが脱げないんですよ。毎日カイロ使ってましたよ。北欧は暖房設備はばっちりなので室内は暑いですよね?真冬でも暑過ぎて、窓を開け半袖で過ごしてました。オスロも同じですよね?
住めば都でしたよ。
ノルウェーまだ~む
2010年10月15日 16:09
Kooさん、再びありがとうございます。
-25℃ったら、すごいですね!
私は北極圏の冬に-20℃くらいは体験しましたが、息をすると鼻の中が凍りましたね。
確かにオスロも室内はあったかく、寝る部屋は窓を開けておくか、暖房は切ってました。
メルボルンは暖房がないのですか~ひえー!
髭ダルマLOVE
2010年12月03日 22:12
TBありがとうございますっ。
と言ってももう随分まえになりますが・・・・。

記事を拝読していて
もう一度本作を見直してみたくなりました。

おっしゃるとおり、リーランドと同じ16歳のときに
これを観ていたらどんな気持ちになったのかな・・・
なんて考えてしまいました。
ノルウェーまだ~む
2010年12月04日 08:31
髭ダルマLOVEさん、ようこそ☆
きっと、16歳頃の多感な時期に感じるものと、かなり違うのでしょうね。
そういう意味で、監督はもう忘れたはずの16歳の感覚を持っていたということなのでしょうか。
すごいですよね。

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