「サウンド・オブ・メタル 聞こえるということ」アカデミー賞作品賞ノミネート☆情緒豊かで詩的な作品

タトゥーだらけのいかついバンドマンの如何にも騒々しそうなポスターと残念過ぎる副題のせいで、見てもらうチャンスを失いそうな印象とは裏腹に、感動的に詩的で静かで美しい作品。
「ノマドランド」を観てないから何とも言えないけれど、アカデミー賞作品賞を受賞してもおかしくない素晴らしいものだった!!

「サウンド・オブ・メタル 聞こえるということ」 
Amazonプライム配信作品 2021年アカデミー賞作品賞ノミネート
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トレーラーハウスで全国を回りながらメタルバンドとして活躍するルーベン(リズ・アーメット)と恋人のルー。
ある日から急激に聴力が衰え、遂には演奏にも支障をきたすようになってしまう。手術で聴力を取り戻すまでと、紹介されたろうあの施設へ入所するが、手話も判らず音も聞こえないルーベンは自暴自棄になっていた。
役割以外の仕事をすると咎められ、個室で何もしないで日記を書くよう強く言われたことでより激高するルーベンだったが、ろうあの子供たちを世話していくうちに・・・

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冒頭のとにかく大音響にさらされる職場(ライブハウス)は、耳も悪くなるでしょう?な環境。学生の頃ヘビメタやっていた息子が心配になってしまったwa
そんな騒々しい始まりと、手持ちカメラのゆらいだ映像はまるでドキュメンタリーをスマホで撮影しているのでは?といった印象。
しかしこれが彼の心の揺らぎを表現していたことに次第に気付いていく。
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温かくも厳しい施設長は唇で言葉を読み、かつてアルコール依存症を克服した経験を持つ。
ある日突然耳が聞こえなくなった上に、手話も判らない世界に放り込まれたルーベンの心境やいかにと同情してしまうので、なぜ施設長が突き放すのか?とつい思ってしまうけど、ここはろうあの施設でありながら依存症を克服する施設でもあったのだ。
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入所の条件として恋人を実家に帰し、スマホと車のカギを預けることになったため、苦渋の決断をして彼女を家に帰すルーベン。
いつか手術で聴力を取り戻し、昔のように二人でツアーに出ることだけを夢見て毎日を過ごしていたが・・・
映画の後半まで何故そう望んではいけないのか、なかなか気付けない。
それはくぐもった音しか聞こえなくなる前半から、無音の世界・聞き取れない状態、手話も判らず孤立する主人公と同じ状況を一緒に体験していくからに違いない。
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映画のほとんどは無音の世界。
美しい自然と子供たちの明るい笑顔に癒されていくルーベンの眼差しから全てを掴み取っていく。
まるで一遍の詩のような作品。

人生の雑音をすべて廃した無音の世界にやすらぎを得たラストの一瞬は秀逸。こんな素晴らしい作品を家にいながら見られるなんて!

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