「特捜部Q カルテ64」デンマーク警察小説☆シリーズいち凍て付くけどラストに涙

最近私のブログの『ひとり北欧映画祭り「特捜部Q」シリーズとアイスランド映画「湿地」』のアクセスが急に伸びて、おや?と思っていたのだ。
チェックしてみるとamazonプライムで最新作「特捜部Q カルテ64」が配信になっているではないの!!?
昨年の春短い期間公開されたのを見逃してしまったので、早速見なくちゃ!

「特捜部Q カルテ64」(2018年 デンマーク・ドイツ合作)
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地下の未解決事件の資料室へ左遷となったカールは、アル中で粗暴・口が悪く他人を寄せ付けようとしないが、実は優秀な刑事。
唯一の理解者であるアサドは彼とバディを組んで5年経ち、ステップアップの為に部署を移動しようとしていたが、カールは気にも留めようとしていなかった。
ほぼ空き家になっているアパートの開かずの部屋から3体のミイラが発見されたことから、捜査を開始。
50年前にデンマークの孤島にあった精神障害者と不良少女の収容所で、優生保護法の名のもとに本人に無断で不妊手術を行っていた事実へ突き当たる。
犯人と思われた当時の看護婦の行方を追う彼らは、現在でも秘密を守っている謎の組織から命を狙われ・・・

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結構最初の方でリアルなミイラが出てくるので、その辺弱い人は要注意。
しかしこの検視で見つかる重要アイテムによって引き起こされるミスリードがないと、この物語の面白さが半減するので目を塞がずにじっくり見よう。
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終始仏頂面の冷徹なカールと、不当な扱いに苛立ちつつもカールをサポートするアサドの関係性は、実はシリーズを最初から見ていないとちょっと判り難い。
一見冷たい男の様に見えるカールが、不器用なだけで実は思いやりに溢れた人物なのを見抜いている同僚の二人(アサドと助手の女性)が、とてもいいチームを組んでいて、ここを理解して初めて最後に涙する事ができるので、なんとかこのシリーズの最初の「特捜部Q 籠の中の女」だけでも先に見て欲しい。
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物語は現在と50年前の二人の若い女性のエピソードをいったりきたりするので、私みたいに外人の名前がすぐにインプットされない人はちょっぴり混乱を招く。しっかりと登場人物の名前を把握すべし。
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物語の核となるのは「優生保護法」の名のもとに実際に北欧で行われていた、精神病者・婚姻前に妊娠した女性・ユダヤ人など移民に対する承諾を得ない不妊治療。
それと現代にも根強く続く移民に対する北欧の人々の心象、また宗教上の厳格さから追い込まれるイスラムの女性の苦難などを浮き彫りにしている。どの時代も傷つくのは女性ばかり。妊娠なんて一人でするもんじゃないのに・・・
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人々が思い描く「北欧」のイメージと言えば『お日様が沈まない一日中明るい「白夜」と大自然、人々が誰も幸せを感じて生きている福祉国家』といったところなのでは?
デンマークの小説家ユッシ・エーズラ・オールスンの人気シリーズ「特捜部Q」の面白い所は、その真逆の北欧の暗部と社会問題を浮き彫りにしている。
なのでシリーズは通して暗く(改めて断っておくけど実際一年の半分は「極夜」で一日のほとんどが暗いのだ)寒く、凍て付いている。
映画冒頭から寒々しくて(息が白いのに雨でも傘を差してないところからブルっちゃう)、物語にどっぷりつかりたいなら薄着で、寒がりさんは毛布をかぶって鑑賞しよう☆

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