「サバービコン 仮面を被った街」☆コーエン味たっぷり

1950年代に実際に起きた人種差別暴動をモチーフにジョージ・クルーニー監督がコーエン兄弟と脚本を練り上げた傑作。
かなり「ファーゴ」に近いテイストで、カラフルで鮮やかな色合いがどこか毒々しくて着色料たっぷりの体に悪そうなまるでジェリービーンズのようなお話。
思いもよらないような方向へどんどん転げ落ちて行く様が、「酷過ぎる」のにどこかコミカルで、皮肉たっぷりなブラックさがまさにコーエンちっく☆
巷ではそんなに評判でもないみたいだけど、私はとっても気に入っちゃった♪

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「サバービコン 仮面を被った街」 公式サイト

<ストーリー>

夢と笑顔が溢れる郊外のニュータウン「サバービコン」に、黒人の一家が越してきてから街の住民は騒然となっていた。ここが白人の為の平和な街だと集会でも満場一致で、彼らを追いだす計画が練られた。
隣に黒人が越してきたロッジ(マット・デイモン)一家に、間もなく強盗が入り、交通事故で足の不自由な母(ジュリアン・ムーア)は殺されてしまう。
町全体がガードナー・ロッジを気の毒に思っていたが、一緒に暮らして母の面倒を見ていた双子の姉(ジュリアン・ムーア二役)と共に訪れた警察署で、息子のニッキーはあることに気付いてしまい…


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黒人一家への嫌がらせは日を追って悪質になって行き、ついに…

自分たちで黒人一家との間に高い塀を立てているのに、こうやってのぞき込んで騒音を立てたり罵倒したりって、やってることがめちゃくちゃ。これが1950年代に実際に起きていたのだから、なんともやりきれない話だ。
平和な白人の街に黒人がきてから物騒になったと口々に言うけれど、暴動を起こしているのは白人自身という、まさにこのブラックな痛烈批判が秀逸。

そしてこの騒動の影で恐ろしい事が実は起きていた…
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犯人の面通しで、ニッキーはあることに気付いてしまう

少年だけが気付いてしまった、幸せに満ちたニュータウンの真実。
って、この真実はあまりに過酷な現実。
彼にとって辛すぎる真実を突き付けられた終盤に見せるニッキー役のノア・ジョブくんの演技がグッジョブ!!
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母を亡くしたニッキーにウザく寄り添う叔父さん

このまるでどうでもいいような立ち位置の叔父さん(亡くなった母ローズの兄)が、実は結構なキーポイント。
実の兄も何かに気付いていたのだろうか・・・?
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追い詰められていく少年。味方が一人もいないなんて、ホラーに近い怖さ!

半分からあとは登場人物がほぼ全員死んでいくという、「13日の金曜日」状態。手に汗握る!!
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この当時のオジサンらしく、むっちりと太ってやたら亭主関白を振りかざす父親役に、体重を増やして挑んだマット・デイモンがなかなかに巧い。

追い詰められていくほど、どんどん情けない感じになって行くのも、ファーゴっぽい。
血のりの着いた服のまま証拠隠滅しようとするなんて、思わず笑ってしまうところ。
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人は目に見える不安だけに執着して騒ぎ立てるが、本当に恐ろしい事は取り繕った美しさの陰にあって目に見えない

正しきことは偏見のない無垢な心の中にある。


自らの見せかけの平和と美しさを保つ為に、平気で弱き立場の者に制裁を加える腹黒さは、自身の煌びやかなトランプタワーを守るために、騒動などどうでも大使館を移転させちゃう誰かさんを象徴しているのかも☆



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