「この世界の片隅に」☆ほのぼのと過酷

ほのぼのとした画風にのんびりとした歌声、のんの暢気な台詞・・・
こんな柔らかで温かいところからは到底想像出来ないような、過酷な現実が突き付けられる。
なのにあれ?こんなにも辛く哀しい現実に、なぜかふわりと優しい風が吹いているよ?


昨年のベスト10に入れた方が多かった作品。
この映画を見ずして、邦画のベストを語るなとまで言われたからには、何としても観なくては!
上映館もじわじわと増えているし・・・・と思ったら、なんと新宿ピカデリーの大箱はほぼ満席!すごい~~

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「この世界の片隅に」 公式サイト

<ストーリー>

突然持ち上がった縁談話に戸惑う18歳のすず(のん)。
のんびりでぼんやりなすずは、呉へ嫁ぐも、初めてのことに戸惑うばかり。
出戻りの小姑に厳しく当たられ、円形脱毛症になりながらも、持ち前の天然さで乗り切っていく。
次第に戦禍は悪化し呉を空襲が襲った時、すずは手を繋いでいた姪っ子と・・・・・


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何事ものんびり屋のすずさんは、夜明け前からよく働き、自分なりに工夫して家事をこなしていた

小さい頃からボーっとしてると言われていた私。何だか自分を見ているようで・・・(爆)
キャンプで食材を買ってパスタを作ろうとして肝心のパスタだけ買い忘れたりする私は、どうもすずさんが他人には思えない☆

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絵が大好きなすずさん、軍港の戦艦を描くのも得意☆

スケッチを見咎められて、憲兵にスパイかとこっぴどく叱られたりしたことで、あとで家族が大爆笑になり、厳しいばかりの小姑との仲も一気に和む。
どんな状況でもすずさんの周りには笑顔が絶えないところが実にいい。

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食べるシーンがとても多い。食べること=すなわち生きることなのだ

食べることもままならない戦時中。
暗く恨みがましい展開になる戦争映画が多い中で、何故か風にはためく洗濯物のように、時代をするりと生きているすずさんたち。
この画風のせいなのか?、爽やかなコトリンゴの歌声のせいなのか?あくまでも爽やかで戦争中とは思えない暢気さはしかし一転する。

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姪っ子と眺めた軍港も、朽ち果てて沈んだ戦艦の残骸が・・・・

あまりに現実離れした暢気な戦時中のアニメは、呉への空襲で一変する。
すずさんが絵具でスケッチしたくなるような、空の花火のような空中戦と、すぐ耳元へ落ちてくる爆弾のリアルな音があまりに対照的で、まだ傍観者でしかなかった観客も一気に戦争の真っ只中へ放り込まれることになる。

そして「あの日」がやってくる。
実家の広島へ行こうとするすずさんに、思わず「行かないでーっ!!」と叫びたくなる私。
いつの間にか握っていたハンカチを落としてしまっている事にすら気付かなかったwa


何もかも失ったボロボロの人生を、『力強く生き抜いた』のではなく、『力を抜いたからこそ生き抜けた』すずさん。
あれだけ悲惨な原爆の様子を、有り得ないほどふわりとした絵で描いたこうの史代は本当に凄い☆
なるほど年間ベストに入るべくして入った作品なわけだwa



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