「64 ロクヨン」☆まだ何も始まらない

豪華キャストを取り揃えた映画にロクなものはないけれど、この映画は違う。
皆さん本気でいい仕事をしていて、大物俳優だからといって脇役なのに突出してしまって話をぶち壊すこともなく、それぞれが見事にその役割を全うしているのが伝わってくる。
勿論、「このミス」1位の横山秀夫の原作も真摯で重厚で申し分ない。



でも・・・・・前編は全く何も始まってないよ。



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「64 ロクヨン」 公式サイト (前編5月7日から、後編6月11日から)

<ストーリー>

昭和64年。幼い少女が誘拐され、父親(永瀬正敏)と警察は犯人に翻弄された挙句、身代金を奪われた上に少女も遺体となって発見される。
あれから14年。
本庁から警視総監が時効あと1年を迎えた「64」の被害者の視察に来ることが決定し、面会を申し込みに行った警務部広報室長の三上(佐藤浩市)は、面会を拒絶する被害者と、権力を振りかざす警察上層部、報道の自由を楯にすぐ暴動を起こそうとする記者クラブの板挟みになり苦悩する日々を送っていた・・・・


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事件は昭和63年、平成へ移り変わるたった5日間の間に起きた

過去シーンでは色味を抑えてモノクロっぽい映像なので、一瞬ホラーが始まるのかと思ったけれど、グロいシーンや必要以上に辛いシーンは用意されてない。
これこそが武骨な横山秀夫らしさというか、最近のエンタテイメントな刑事ものと大きく違うところだ。

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日々熱心に仕事に打ち込む三上を慕う部下たち

警務部の広報課vs刑事課、そしてキャリア組の上層部vs広報部vs記者クラブの確執など、どうしてそこまでいがみ合うのか全く理解できないけれど、この関係性を解っていないと話にならない。
まずは公式サイトの人物相関図をよく把握してから観に行こう。
良くチェックしておいても人物を多すぎて忘れちゃうけど・・・・

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やたら噛みついてくる記者クラブ、板挟みになっている三上を見ていると警察に就職する人が減りそう・・・

この不毛のいがみ合いを繰り返すことによって、組織の一部として職務をある意味真面目に真っ当している三上が、本来警察のあるべき姿は何かを思い出していくのがこの「前編」。
関係なさそうな事件で繰り広げられる警察内部の『確執』は、前半ちょっともたついているので、出来れば長くても1本の映画にしてほしかったところだけれど、これは原作を忠実に再現しているのかな?

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実は家庭内でも問題を抱えている

娘が行方不明になっている三上家。
各方面からの軋轢に、家庭内の問題、こりゃ精神的におかしくなっちゃうよー(ならないけど)
この娘の件が今後何か関わってくるのかしら・・・???

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かつて関わった誘拐事件「64」の関係者は、その後様々な人生を送っていた・・・

とかく被害者と犯人とヒーロー的刑事があっという間に事件を解決するような映画とはかなり違う。
どちらかというと、連続ドラマでじっくり見せていくタイプの映画かな。

せっかちな人や時間がどうしてもない人は、案外後編だけ観ても良かったりして。

実際前編は事件が何も始まってないんだけど、被害者家族だけじゃなく「64」に関わった人たちの人生が狂ってしまっていたことが判明していくのをじっくりと描いているのはこの物語の重要な部分とも言える。


とにかく後編が待ち遠しい!!!


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