「桐島、部活やめるってよ」噂に違わぬ面白さ

昨年はなぜか全く興味が沸かずに公開中見逃してしまった「桐島、部活やめるってよ」
こんなに評判が良く、年間ベストの中に選ぶ人が大勢いるなんて!!と、年末に大きくヘコんでいた私。
現在春休み4月5日まで限定で、渋谷シネパレスで再上映されているyo
このチャンスを逃さず観ないと!(DVD出ているけどね)


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「桐島、部活やめるってよ」映画com.

<ストーリー>

クラスではほとんど空気のような存在の映画部所属の前田(神木隆之介)は、学校カーストの最下層にいる。
部活の自主制作映画が表彰されても、誰にも相手にされないが、一念発起し新作の製作に取り掛かっていた。

ある日、バレー部キャプテンの桐島が部活を突然やめるという噂が立ち始める。
これをきっかけに次第に人間関係に歪みが生じ、校内のヒエラルキーが崩壊し始める・・・・




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映画を表彰されても、嘲笑の的

先生の脚本がダサくて、思ったような作品が作れなかったばかりでなく、それほどの成績でもないのに壇上に上がらされて嘲笑される、カースト最下層の映画オタクのふたり。
うひゃー、こういうの痛々しくて胃がキリキリしちゃう・・・・

でも卒業までに悔いを残さない作品つくりに燃えるキッカケになるわけだし、ガンバッテー!と心からエールを送りたくなる。

それにしてもオタク役をあのイケメン神木くんがやるなんて!
でも実際彼は、結構なオタクらしい・・・・
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カースト中の下、吹奏楽部で頑張る部長の亜矢(大後寿々花)

真面目に部活動を頑張っているけど、飛びぬけて美人でもなく、好きな人を影からそっと見守るだけ。
ほとんどの人がこのあたりのカーストに所属しているっていう立ち位置かな。
自分よりカースト下のオタクに強気に出るところが、また痛々しい。



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カースト中間層のカスミ(橋本愛)はホラー映画を一人で観に行くオタク的なところもあるけど、熱心に部活動も頑張る
校内カーストに普段から疑問を持っているけれど、顔が良いので自分はカースト上位のJKとつるむ事ができて、安定した地位を確保している。

実はスポーツ万能くんとコッソリ付き合っているのを仲間にも話さずにいたりするけど、ずるくなりきれない真面目さもある。
実際、ほとんどの人が亜矢とカスミに感情移入しやすいんじゃないかな・・・


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カースト上位の『カワイイ』JK
オシャレに敏感で、イケメンで頭の良いスポーツ部の彼氏が居る、ある意味最強のJK
クラスでも怖いものなし、好き放題言っても、誰にも文句は言わせない。

桐島などスポーツ部部長とグループを組めるカースト上位男子(彼氏)と同様、その実、カースト最上級の友達には気を遣っていたりする。
まだ上には上がいるのか・・・・原作者の鋭い観察眼には驚かされる。


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カースト最上級のスポーツ部部長クラスは背が高くイケメンで、スポーツは天才肌の才能を持つ。

部長としての能力を持つ人が、なぜかイケメンでスポーツに才能があるのか?
それとも才能があってイケメンだと部長になれるのか?
才能があって人望も厚いと、魅力的に見えるからイケメンと思うのか?


努力に努力を重ねても、なかなか努力が報われない凡人を、情け容赦なく叱り飛ばす才能を持つ側の人間。
才能は特権なのか??


そんな最上級に才能のあるスポーツ部部長でありながら、その全てを捨てて、仲間をも捨ててバレー部をやめてしまう桐島。
彼にも苦渋の決断があり、悩みを抱えていることがほんのりと伝わってくる・・・・この些細な表現がまたすごいのだ。

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顧問の先生の指導を無視して、自らやりたい部活動に励む前田たち

今まで先生からも生徒たちからも虐げられてきたオタク映画部の仲間が、心をひとつにして立ち上がる!
なんとも痛々しいシーンが続き、胸がチクチクしてきた映画だけに、突然の話の展開に驚き、また心躍る。


いままでチャラけた青春ラブストーリーや、群像劇をあまり評価してこなかったのだけど、これは別!
これこそが本当の青春ストーリーであり、リアルすぎるまでにリアルな学生生活に違いない。
ただリアルを追求しすぎて痛々しい・・・・だけではない、爽快なエンタメとほろ苦い青春が絶妙なバランスを保っているところが、この映画の最大の魅力といえる。

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カースト最上級と思われた桐島の、美人の恋人(山本美月)にも打ち明けなかった悩みと同じ思いを映画部のメンバーに吐露する


実は自分たちの好きな事を好きなようにやっている映画部メンバーを羨ましいと言うカースト最上級の男子。
人は自分に無いものに価値を見出し憧れる。
皮肉なものである。

いったい誰が決めたのか学内カースト制。
かつては頭が良ければ一目置かれていた時代は、不景気による「いい大学を出てもいい就職が出来るとはかぎらない」世の中のせいで終わり、今や空気を読んで上手に世渡りできるなんちゃってイケメンが上位に食い込んできた。
生まれ持った容姿と、チャラけたヤツらだけがカースト上位を牛耳る世界を作り出して、生き難い学生生活を強いているのは、行政までもが『カワイイ 』を良しとする風潮を作り出している、他ならぬ大人たちが原因だと、思いを馳せながら鑑賞した。



主役とおぼしき題名にもなっている『桐島』が、なんと!1度たりとも登場しないという斬新で驚きのこの映画。
まだ観てない人はゼッタイ観て欲しい☆普段邦画を見ない人にも是非~

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