「ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日」小説は奇なり

当初は全く眼中になかったこの作品。
アカデミー賞で11部門もにノミネートされただけでなく、周りの評価も高いものだから、俄然期待が高まっちゃった。
満を持してIMAXで鑑賞してきたyo



3D嫌いの私が、大絶賛!!
この映画の為にあったんじゃ?と思えるくらいの3D映像の美しさに感動
CGで描かれたとは思えないくらい美しく見事な動物たちにも目を奪われる。

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「ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日」公式サイト

<ストーリー>

小説のネタを探している若いライターが、カナダに住むパイ・バデル(イルファン・カーン)の元へ体験談を聞きにやってきた。
16歳の時に家族で経営する動物園ごと舟でカナダに移住する際に、嵐に見舞われ船が沈没してしまった事を話すパイ。
救命ボートへ乗り込むと、そこには舟から脱出した動物たちと、ベンガルトラがいて・・・・



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16歳のパイ(スラージ・シャルマ)は、トラが寝ている隙に食料を調達し・・・

全くの素人だったとは思えない、素晴らしい演技を見せてくれるパイ役のスラージくん。
少年の頃のパイも、なかなか良かった!
ただし、嵐になる前の、愛称が『パイ』になるまでの部分が長くて、お友達はトギレトギレになっちゃったらしい。
今回私は全く眠くならず!
冒頭から3D映像の美しさに、すっかり心奪われてしまったわ☆


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撮影までは泳いだ事もなかったスラージ、特訓の成果でここまでできるとは!!

嵐が起きてからは、カナヅチの私にとっては息の苦しいシーンの連続。
タイタニックの3Dも観なかったくらいだから、3Dで体感する船の沈没は、漂流する以上に苦しいよぉ~

海に潜った丁度その時に目撃する、沈みつつある巨大な船を、呆然と(顔は見えないけど)見ているパイがあまりに切ない。


勿論、不安定なイカダで漂うという行為も、溺れるし~~と思うと、トラと漂流以前に私には過酷過ぎる状況で。
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大揺れに揺れる大海の小船は、カメラもめっちゃ揺れるので、トラやハイエナ同様吐きそうになってくる

臨場感ハンパ無い嵐のシーンは、私の生きる意欲を容易に奪っていく。
イカダに揺られていても、命がけでトラと対峙するときも、全力で生にしがみつくパイの姿がまぶしいくらいだ。

ちなみにトラの名前リチャード・パーカーは、エドガー・アラン・ポーの長編小説の中で、漂流中の4人がくじ引きで選んで食べられてしまう事になった哀れな船員と同じ名前。
また実際に起きた事件で、漂流20日目で食料となった犠牲者が17歳のリチャード・パーカーだったらしい。


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息を呑むような美しい大自然は、まるで天国

鏡のように夕陽を映す静まり返った海、幻想的な鯨のジャンプと夜光虫の輝きがあるかと思えば、照りつける太陽で体力を奪い、荒れ狂う嵐で襲い掛かる大波は、同じ海とは思えないさながら天国と地獄。

幼い頃から自らの考えで、ヒンドゥー教・キリスト教・イスラム教と3つの宗教を信奉するパイ。
果たしてそこに神はいたのか?
1人だけ生き残れたのが、まさに神のお陰ということなのだろうか・・・・?

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単純に命が助かって良かったね・・・・な話ではないはずで、この裏に隠されたメタファーは、重く深い


彼が最後まで生きる望みを失わなかったこと、彼なりにトラに向かっていくことを決意したくだり、ベジタリアンであった彼が生きる為に泣きながら食べた魚・・・・・

大人パイがもう一つの物語を小説家に話した時の「どちらの物語がいいか?」という質問と、あるはずの無い人食いの島がその答えなのだとしたら・・・・・

見終わってすぐは哲学というオブラートに包まずに「ああ、そうだったのね・・・・」と思ってしまった自分に対する拒否感がぬぐえなかった私。
あとからじっくり考えれば考えるほど、その暗喩が海のように深く広く広がっていく、そんな映画だった。






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