「マイウェイ 12,000キロの真実」本当のところ

ノルマンディー上陸作戦後に撮影されたドイツ軍捕虜の写真の中に、日本軍・ソ連軍・ドイツ軍の3つの軍服を着て生き抜いてきた東洋人の姿があった。
事実をもとに作られたこの映画に隠された、もう一つの真実は・・・・・



年末にオダギリ・ジョーと監督の舞台挨拶で、過酷な撮影の一部を見て戦闘シーンのすさまじさを知っていただけに、今回は中央の席をゲット。
ボディーカメラやみこしカメラなどの特殊な撮影方法で臨場感を出した映像は、物凄く揺れるので端の席から観ると気分が悪くなるかも・・・・



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「マイウェイ 12,000キロの真実」公式サイト


<ストーリー>

朝鮮に住む憲兵隊司令官の祖父の元へ、家族で越してきた長谷川辰夫(オダギリ・ジョー)は、そこで使用人の息子キム・ジュンシク(チャン・ドンゴン)と出会う。
走るのが得意な二人はオリンピック出場を目指して常にライバルだったが、祖父を巻き込んだ爆破事件を機に朝鮮人を憎んでいた辰夫は、更にモンゴル国境地帯の戦闘で冷酷な日本軍隊長として変貌をとげるのだった。

しかし敗北した日本兵はソ連軍の捕虜と成り、収容所で過酷な労働を強いられていたが、ソ連軍に取り入ったジュンシクの親友イ・ジョンテ(キム・イングォン)によって立場は逆転。
軍人としてのプライドが捨てられない辰夫は・・・・





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少年時代→青年時代へと、二人はずっとライバル
トレーニングウエアになって気付いたのは、チャン・ドンゴンが意外にガタイがいいこと。
それに伴って少年時代も、すこしだけごっつい体つきの少年を選んでいるところも、演出は細かい~


予告で見る限り、てっきり少年~青年時代は二人がもとは親友だったのかと思っていたら、大間違い。
二人は主人と使用人の関係なうえに、ある事件をきっかけに辰夫が一方的にジュンシクを憎んでいたのだ。

一方的に酷い目に遭うジュンシク。
抑圧された朝鮮人と侵略してきた日本人とのもみ合いのシーンは、カン・ジェギュ監督が本当は最も描きたかったところなのではないだろうか。




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戦闘シーンは臨場感ありすぎ

本物の銃100丁以上と弾丸45,000発、ハンパない爆薬の量でスタント無しに撮影されたという戦闘シーンは、もうただひたすら逃げ惑っているかんじ。
逃げる姿もヨレヨレしちゃっているくらいで、ある意味、「難攻不落といわれたバルチック艦隊を・・・・」とか言って格好良く撮っている戦争ものより余程臨場感がある。

何より、完璧負けるよね?という戦車部隊に、日本軍として手榴弾を抱いて戦車の下に潜り込ませるのを強いられた朝鮮人たちの恐怖と無念さはよく伝わってきた。


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「モウ、オレタチハ オマエノ ブカデハナイ!!」

かつての戦争映画のように、ちょっと泥を顔に塗ったよというのとは、比べ物にならないくらいのドロドロのザラザラ加減。
「毎日撮影現場に行くのが嫌でした」とオダジョーが語っていたのがよく判るぅ~!


一方的に虐げられてきた朝鮮人と、ソ連軍につかまって立場が逆になる日本兵。
どの映画でも確実に「ムカツクやつ」を生き生きと演じる山田太郎の憎らしい日本兵ぶりが、ここでもダントツ輝いていた。


それにしても軍服を着替えると、ドロドロだしもう見分けがつかないよ。
オダジョーなんだかチャン・ドンゴンなんだか、親友のジョンデなんだかインパルスの堤下なんだか・・・・・

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ソ連に侵攻してきたドイツ軍との戦いで奇跡的に助かって・・・

不自然なまでに二人だけ助かるところは目をつぶって、命がけで辰夫を助けるジュンシク。

ジュンシクの淡々とした表情が、あまりに感情を表わしていないのが最後まで残念。
本当は辰夫に友情を感じていたのか、心の動きを表わさないのは、ジュンシクらしさなのかもしれないけど・・・・



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ついにドイツ軍に捕らえられ・・・・

日本軍、ソ連軍、ドイツ軍と見てきて思うのは、待遇がえらく違うこと。
ドイツ軍の様々な人種で構成された東方部隊では、休憩の合間にサッカーを楽しんだり、とても戦争中とは思えない和やかさで、ちょっとビックリ。


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ノルマンディーでも逃げる逃げる・・・・


今まで国を背負って自ら突っ込んでいく特攻部隊のような戦争映画ばかり観てきたせいか、とにかく逃げる戦争ものはある意味斬新。
たしかに戦いたくてここまできたんじゃないもんね。

戦うシーンで必ず寝てしまう私、ラストまで良く頑張ったものの、揺れる映像に耐えかねて、物凄い力を入れていたであろうノルマンディーでの肝心な戦場のシーンで数分落ちてしまった(汗)
ごめんね、オダジョー。

でも戦闘シーンでなくてもアップが多用されていて、手持ちカメラで揺れるシーンが続くので三半規管が弱い人は要注意。






戦争映画で日中韓が協力し合って作られた映画・・・・というだけで、価値のあること。
ラストのシーンは、深く心の奥に持ち続けている彼らの本当の気持ちなんじゃないかと、感慨深く思ってしまった。


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