「イングロリアス・バスターズ」爽快が恐ろしく

実はタランティーノ監督作品は、初めてなのだった。
何しろ、予告や映画紹介で見るタランティーノ作品や、彼が絶賛する映画は、どれもひどいヴァイオレンスなイメージで、今まではとても観る気になれなかったのだ。
それがどうよ?   何これーっ!!?おっもしろーい☆



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「イングロリアス・バスターズ」 (2009年)


面白い・・・・と言ってしまうには、ちょっと抵抗があるけど、実に巧く作られた映画だ。
4章に分かれたシーンは、それぞれの見せ場があり、それがどんな風に繋がっていくんだろう?と自然に想像させる。



<ストーリー>

第1章 1941年、“ユダヤ・ハンター”の異名を持つ冷血漢ランダ大佐(クリストフ・ヴァルツ)は、巧妙な話術で農場主から床下に匿っているユダヤ人の居場所を聞き出し銃撃する。
18歳のショシャナ(メラニー・ロラン)だけは、命からがら逃げ出すが・・・・

第2章 「イングロリアス・バスターズ」と呼ばれるユダヤ系アメリカ人の秘密組織の存在が、ナチス総統ヒトラーにとって、非常に気がかりであった。
彼らはアルド中尉(ブラッド・ピット)を中心に、ドイツ兵を残忍な手口で殺し、頭の皮を各自100枚ずつ集める恐ろしい集団だったのだ。

第3章 かつてランダから逃げ出したショシャナは、パリで伯母から受け継いだ劇場を経営していた。
彼女に好意をよせるドイツ軍の若い兵士フレデリック(ダニエル・ブリュール)が現れる。
250人もの連合軍兵士を殺した武勇伝を本人主演で映画化した映画『国民の誇り』のプレミア上映を彼女の映画館で実施したいと申し出る。

第4章 ナチの幹部を全て集めたプレミア上映で、劇場ごと燃やしてしまうつもりのショシャナとは別に、バスターズも地下で計画を進めていたが・・・・




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完全にブラピを食っていたランダ大佐のクリストル・ヴァルツ
主役と言ってもいいくらい☆素晴らしいの一言!


ブラピだけでなく、人を食ったような話し方をする、超憎たらしい役なんだけど、憎めないお茶目キャラがある意味ニクイ☆
しかも各国語を話せて、鋭い洞察力を持っている、こいつに睨まれたら逃れられない緊張感を漂わせる。



『ユダヤ・ハンター』の異名は勲章と思っているのは、探偵としての腕に自信があるからという。
私が見てきたアウシュビッツの構造だ。
誰もが仕事に忠実で、月間目標に向けてがんばる営業職の人みたいに、ノルマ以上の仕事をこなしているわけだ。

これこそが、戦争の恐怖、戦争の本質とも言える。

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女優なのに窮地に立たされると、微妙に顔に出ちゃう・・・・

ダイアン・クルーガー演じる女優は、本当に綺麗☆
しかしスパイにしては抜けが多いよね。
ハイヒールとかハンカチを現場に残していくようでは・・・・

ま、スパイが女優になったのではなく、女優がスパイとして潜入したのだろうから、こんなもんかも。

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緊張の酒場シーン
洞察力の鋭さでは、ランダ大佐に匹敵する。さすがゲシュタポ。

確かに指の数え方は、お国によって違うみたい。
隣に住んでいたユダヤ人は、1で人差し指、2で親指が立ち、3で中指~と数えていたなぁ~
あれ?4の時はどうするんだろ?


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いよいよナチ幹部を集めたプレミア上映会

ドイツ語もできないのに、片言のイタリア語でイタリア人のふりをして、大事なプレミア会場に潜入するのは、プロのわざとは思えないおマヌケさ。
ブラピの額に斜線が入るのが見えるようで、笑えた~♪

やたらしゃくれアゴにしてみせるブラピは、アパッチらしさを出しているのかな?
アパッチって、しゃくれているの?それとも、西部劇でそういう人がいたのかな・・・・

西部劇大好きタランティーノらしい、随所に粋な演出。
音楽もたのしい~♪



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英雄きどりの若き兵士は、なかなか空気を読めず・・・・


彼のおかげで作戦も成功したと言えばそうなのだけど、純粋そうなお坊ちゃんだけにやっかい・・・・なイメージがぴったり。

次々に人が死んでしまうところは、タランティーノっぽいのかな。

かつてのハリウッド映画といえば、主役は死なないし、苦労の末作戦は大成功・めでたしめでたし・・・・・というお目出度い人向け映画が多かったけど、ある意味常識をぶっ潰しているところは素直に凄い!と思う。

でもやっぱり、助かって欲しい、成功して欲しい☆とドキドキしながら見ているので、あっさり死んじゃってえーっ・・・・ってなっちゃった。



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凜として美しいショシャナ  化粧の仕方はアパッチの戦いの前を想像させる

コメディ色も強いので、作戦は見事大成功!
なんだけど、秘密組織のユダヤ系アメリカ人たちが、特攻隊もしくは自爆テロのようなのは、やりすぎかなあ。




憎きヒトラーたちを一網打尽で、やったー!!って思ってしまった私。
ボックス席から逃げ惑うドイツ兵たちを、撃つわ、撃つわ・・・・・ヒトラーにも執拗に銃撃を続け・・・・

やれやれーっ!こーの、虫けらどもめっ!思い知ったか・・・・・??!



と思った人いたでしょ?
私も、そう思って見ている自分に、途中で気付いて愕然としたよ。
それってナチと変わらないよね。

ナチを震え上がらせるために、頭の皮を剥いでいった・・・・のは1つの目的としても、残忍に人を殺すことや、逃げられない人たちを上から撃ちまくることが、ナチのしてきたこととどう違うのか?


今まで観てきたハリウッド映画の、悪い人はドンドンやっつけて、悪人はバンバン死んでも、主役はいい人なんだから、構わないのデースという事の、本当の姿がここにあるのだと。
気付いた時に、本当にぞっとして、いつまでもドキドキが納まらなかった私。

実はこんなメッセージもあったのかも・・・と、改めてタランティーノ監督の凄さに、感服したのだった。




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