「プレシャス」嗚咽が止まらず・・・

公開当時、残念ながら見逃してしまった映画。
アカデミー賞ほか、数々の賞を取ったこの映画、年末にきて私の今年の映画ベスト3入りが決定!
間に合ってよかった☆



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「プレシャス」公式サイト


16歳で字が読めず、中学校に通うプレシャス(ガボレイ・シディベ)。
ハーレムに住み、母メアリー(モニーク)からは肉体的虐待、実の父からは性的虐待を受け、父の2人目の子供を妊娠している。

妊娠が発覚し、学校を退学になったプレシャスは、フリースクールに通うことになるが、そこで出会ったレイン先生(ポーラ・パットン)の暖かい指導により、少しずつ本も読めるようになり、字も書いて、自分の気持ちを整理していくことができるようになる。

境遇の似た友達もでき、無事出産もして、愛するわが子を胸に抱き、前向きな気持ちになっていくのだが・・・・




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プレシャスは夢見る少女
ネックレスやカチューシャなど、お洒落も忘れない。 
大好きな先生の授業中に、騒ぎ立てて邪魔をする男の子を張り倒す優しい一面も(!)



本当は勉強も大好きだけど、字が読めないので、授業中はぼんやりと妄想にふけるばかり。
言葉を知らないので、自分の気持ちを表現するのも苦手なのだ。


友達もいない、家に帰れば母に物をぶつけられ、汚い言葉でののしられる。
街を歩けば、デブだの何だのとからかわれ、突き飛ばされもする。
こんな不幸があろうか・・・・?と、はじめからかなり辛い仕打ちの連続に胸がつぶれそうになってしまう。



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フリースクールで多くの人と出会い・・・・



クラスの友達も、肌の色は違えど、みなハーレムに住んで、劣悪な環境のもと、まともに教育も受けられなかった少女ばかり。
でも、言葉は汚くても、気持ちはみんなあったかい☆

居場所が見つかってよかった~と、心から思える瞬間。



クラスの中には、人種による差別も何もない。
荒んだ気持ちでいた少女たちが、次第に輝きを取り戻して、未来の夢を語るシーンは、ぐっときた。


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ミズ・レインは、あったかくて心がほかほかする人

いい教師に出会うかどうかで、子供の将来は決まってくると言っても過言ではないだろう。
まさにこれがその典型。

かたくなに閉じたプレシャスの心を、少しずつ溶かしていくところが、実に良い。
思春期の少女たちに、迎合するでもなく、強制もせず、なのにキッパリと、これがまさに導くってことなのね。




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ノーメイクで挑んだマライア・キャリーは、福祉課担当の人


あまり積極的でないように見えて、1年間もかけて少しずつゆっくりとプレシャスの鍵のかかった心の箱を開けさせる。
マライヤのやる気のなさそうなかんじは、演技なのか、意外にしっくりとハマっていた。


母親から「生活保護を受けられなくなったのは、プレシャスのせい」と責められるけど、生活保護のシステムがわからなくて、ちょっと理解することが難しかった。
学校に通っていると保護が受けられないの?
それとも子供を育てているとだめなの?


生活保護を打ち切られて、ますますキレる母親のメアリーが怖い。
学歴がないから仕事がないのではなく、生活保護をもらうために職につけないように学校へも行かせないという・・・・

先日お友達から聞いた、インドで体験した話を思い出した。
インドには、腰から上だけの人がいっぱいいて、その人たちが、スケボーに乗って、足のように逞しい腕で、スケボーを漕いで、「金をくれーっ」と追いかけてくるのだそうだ。

お金を恵んでもらいやすいように、幼い頃に、親が足を切ってしまうのだという。
それは本当に子供のために?
こんなことをしなくても済む様な、社会のシステムは、いつか出来るのだろうか?

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最後に迫真の演技をみせるメアリーを演じたモニークはコメディエンヌ


これでもかっ!というくらいの憎々しい母親を見事に演じきった。
そして最後に、初めて明かした本当の気持ち。


みんな我が子を本当は愛している。
生まれた時にプレシャス(宝物)と名付けたように。

途中で文句をつけて豚足を食べないまま、テレビの前で眠りこけてしまったメアリーを見て、もしかするとこのお母さんは、プレシャスを憎んでばかりなわけではないのかも?と思った私。
それが証拠に、プレシャスは太っている。
本気で虐待された子は、食べさせてもらえなくて、痩せているような気がしたからだ。




ケータイ小説も真っ青の、次々プレシャスに降りかかる出来事に、後半泣きっぱなし。
しかも嗚咽が止まらない・・・・
ケータイ小説と大きく違うのは、薄っぺらじゃないところ。


プレシャスも愛すること、愛されることを知り、自らの足で歩んでいこうと決意した姿は、17歳の決断とは思えない、母の力強さを感じた。
映画が終わっても30分は泣いていた私。

久しぶりにガッツリ胸に響いた作品だった。

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