「冷たい熱帯魚(Cold Fish)」ロンドン国際映画祭で

もう・・・・・・・ユッケは食べられない。


第54回 ロンドン国際映画祭(BFI ロンドンフィルムフェスティバル)に出品された日本映画は、「十三人の刺客」「ディアドクター」「川の底からこんにちは」そして、園子温監督のこの作品「冷たい熱帯魚」(Cold Fish)の4本である。

劇場はほぼ満席状態に近い、9割の入り。
内訳は、日本人が0.5%程度。女性一人で来ている日本人も数人いた。(すごい勇気!)
ある意味、マニアックな外人の映画ファンが好みそうな監督で、日本人には反対に受け入れられ難い映画とも言える。

「冷たい熱帯魚」
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衝撃的なラスト!!あなたはもう逃げられない

ある程度「愛のむきだし」を見たから、園子温監督の狂気に満ちた世界、エロもグロも覚悟していたけど・・・・・
ここまでやっちゃう?
これを国際映画祭でやって、大丈夫?????
冷たい熱帯魚 - 吹越満, でんでん, 黒沢あすか, 神楽坂恵, 梶原ひかり, 渡辺哲, 園子温, 園子温, 高橋ヨシキ
冷たい熱帯魚 - 吹越満, でんでん, 黒沢あすか, 神楽坂恵, 梶原ひかり, 渡辺哲, 園子温, 園子温, 高橋ヨシキ

しかし衝撃的なのは、内容や映像だけにとどまらなかった。

帰ってから映画祭のパンフの説明を見て、2度ビックリ。
これが実話ベースだったなんて!!
(「愛のむきだし」も実話ベースだったけど)

いやはや、どんだけふくらましとんねん?園監督ったらぁ~

と思って、実話部分を調べたら・・・・・3度ビックリ!!!
え~っ??ほとんど実話通りなんだけど???
埼玉県愛犬家連続殺人事件 参照

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チン!チン!チン!・・・・・と次々に暖めた冷凍食品だけの夕食を黙って食べる崩壊した家族

ここまで冷凍食品に頼った食事は日本だったら特別なかんじ。(そういう人もいたりするのかな?)
でも外国だと、チンして終わったりとか、普通な気がする~

崩壊した家族・神への冒涜・虐待の連鎖・ねじれた愛欲・・・・・
彼の作品の共通したテーマは、痛々しいまでにリアルだ、

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万引き現場を助けてくれたように見せかけて、実は既に蛇は獲物を狙っていた・・・・

<ストーリー>
小さな熱帯魚店を営む社本(吹越満)は、難しい年頃の娘みつこ(梶原ひかり)と、豊満な妻(神楽坂恵)とは再婚後あまりうまくいっていない崩壊した家庭でストレスをためていた。

みつこが万引きで捕まったスーパーで、同業者の村田(でんでん)に助けられた社本は、彼のペースに乗せられるまま、みつこを寮付きの村田の会社に就職させ、自分も仕事のパートナーとして仕事を手伝うことになる。
しかし彼の仕事は、村田の殺した死体を運ぶための運転手で・・・・・

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事実と違う部分といったら、女性との絡みのシーンくらい

観客は、ところどころで笑ったりする。
えー??ここ笑うところ??
やっぱり日本人と外人の感覚の違いを感じてしまう。

そういう意味から言うと、細かいところでちっとも伝わっていかないんじゃないかな・・・と心配になってしまった。

特に社本の妻が、村田にレイプされるところ。
セクハラ丸出しの村田が、社本の妻の理解者を装いながら、急に張り倒して犯してしまうのに、「やめて!」と言っていたはずの妻が、叩かれながら「ありがとうございます!」と言いつつやられちゃう。

ここで、笑うの????

これは日本的感覚なのか?
でも、私は声を大にして言いたい!
この日活映画的展開は、決して日本の文化ではないことを!!!!!!!
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ロマンチストな社本は、仲の良い3人の生活を日々夢想し・・・

次第に自分が取り返しのつかない事件に巻き込まれていくのが分かってきても、村田に恫喝され、怯える日々を送る社本。
唯一まともな反応をみせる社本に、見ている観客は、いやおう無しに彼自身になって、この映画に入り込むことになる。

彼が怯えると一緒に震え、彼が吐くと、一緒に吐き気を催す。
鼻を押さえると、こちらまで臭いも漂ってくるようで・・・・・オエーップ・・・・・
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少し大きめの熱帯魚にかわいい金魚を食べさせるときの、女の子たちの嬉しそうな顔が空恐ろしい

実際の事件はドッグブリーダーだけど、こちらは熱帯魚のブリーダー。
美しい姿をして、獰猛に金魚を食らう姿が、可愛らしい見た目の中に冷酷な狂気を持った少女たちと重なる。

冷たいのに熱帯魚。
熱帯魚なのに、冷たい?

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宗教的な意味合いが濃いのは、園監督のオハコ

マリア像の前で、蜀台に火を灯して解体作業をする様子は、神をも恐れぬ所業なのか、神を恐れての懺悔の気持ちの表れなのか・・・・・?


何よりも恐ろしいのは、演歌を鼻歌交じりに歌いながら、作業をしていたというのも実話だということ。
そして村田の「死体(ボディ)を透明にすることが一番大事」「殺しのオリンピックがあれば、俺は金メダル間違いなしだ。殺しのオリンピックは本物のオリンピックよりずっと面白い。」という台詞は、本物の犯人が残した言葉だということ。

滑舌の悪いでんでんの台詞が、より一層リアルさを増す。

ジャンルはスプラッタースリラー。
事実は園子温より奇なり。




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