「愛のむきだし」宗教vs愛

以前からオススメだよと聞いていたこの映画。
いささか長いので、見る機会がなかなか無かった。
しかし!今週のロンドン国際映画祭で、園 子温監督の映画「Cold Fish」(邦題 冷たい熱帯魚)のチケットを取ったし、これは見ておかないとね☆


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「愛のむきだし」公式サイト(2,008年)



えーん237分が4時間だったなんて!!


<ストーリー>

幼い頃母をなくしたユウ(西島隆弘 AAA)は、母の面影をマリア様に求め、理想の女性像を追い求めていた。

神父の父テツ((渡部篤郎)は、自由奔放な女性サオリ(渡辺真紀子)に溺れていくが、彼女が去った後、悲しみを埋めるかのように、ユウに日々の懺悔を求めるようになる。
それを父の愛情表現と思ったユウは、懺悔をするために罪を創作し、父が神父としてでなく、父親として本気で怒った『盗撮』にのめりこんでいく。

ある日、盗撮仲間との賭けに負けたユウは、女装して街を歩くが、理想の女性ヨーコ(満島ひかり)と出会い、お互いにひと目で惹かれあう。
しかしヨーコにとって愛する相手は女性としてのサソリ(ユウの女装)なので、サオリがテツの元へ戻り、連れ子として兄妹の関係になったユウとヨーコの関係は複雑なものになる。

その全てを見ていたゼロ教会教祖の右腕・コイケ(安藤サクラ)は、そんなユウの一家に近づき・・・・



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父親の性的虐待で男嫌いになったヨーコは、町のチンピラに果敢に立ち向かい、ユウの女装サソリが彼女を助ける
B級感たっぷりの、女子高生パンチラ格闘シーンは、男性必見!

しかし、とんだB級映画なのかと思って、今まで敬遠してきたけど、意外に深い内容にビックリ・・・



まずは冒頭の神父テツと、神父としてでなく父親としての愛情を求めるユウとの関係に、思わず涙してしまう。

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実話の映画化!? 教室での銃の乱射シーンは、勿論 膨らませてるよね?


とにかく満島ひかりが素晴らしい!!
叫んだり戦ったりも体当たりで気持ちがいいだけでなく、微笑んだ笑顔は本当にマリア様のよう。
可憐に見えるかと思えば、ハチャメチャの弾け、メチャクチャに暴れる。
今、彼女の右に出る若手女優は、ハッキリ言っていないだろう。





宗教的な部分は、宗教を持たない私にとって、理解が難しい。
ただ、常に飛び交っている銃弾に、宗教の力があれば当たることはない(つまり乗り越えられる)と言うことだけは、しっかり伝わった。

勿論、宗教無しに乗り越えられる方法はあるのだけど・・・・・・それが、愛だ。




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すごいムカつく女を安藤サクラが熱演


今まで嫌な女とかが登場する映画やドラマを見たけど、ここまで嫌悪感を引き出す女優はいないのでは?
丸くて猫背でちょっと曲がった背中でさえ、激しくムカつくーっ!!
決して上手とは思えないのだけど、その発声の仕方も素人っぽい怒鳴り声に、よりリアル感が増すのだ。


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どこまでが実話なのか   しかし理性とか常識とかを超えたところに宗教があるのは事実だ



全く展開が読めないストーリーに、4時間という長いバトルが、見ている我々をユウと同じ施設へ送り込む。
もう、私もおかしくなっちゃっていいッス。

でも、実際カルト教団に家族を奪われた人は、まさにこんな心境なんだろうなぁ・・・・
本人が、いい事だと、世界を救うと、コレが真実だと、これが愛だと・・・・信じているからこそ、そこから連れ戻すのは至難の業だ。


以前読んだ「カルトの子―心を盗まれた家族 」(文春文庫) 米本 和広 を思い出した。
親がカルトの信者になってしまった、その子供たちの実態とその後を、フリージャーナリストでルポライターである米本和宏氏が書いたものだ。


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誰でも十字架を背負っている




カルトにハマった人は、別のカルトで救われようとする。
彼らを救う愛はどこにあるのか・・・・


長かった映画に、見事な結末が描かれていて、内心ホッとしたのだった。
(もうちょっと短くまとめても良かったような?)




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