「ハート・ロッカー」 息継ぎできない・・・・

ヒリヒリするような緊迫感、標的を見据えて 目にハエが入ろうとも瞬きもしない・・・・
こちらまで息を凝らし、瞬きできない。
気が付くと、息が苦しくなって、大きな深呼吸。
目もすっかり乾いてしまい・・・・・・





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 「ハート・ロッカー」 公式サイト


さすが!!!
これぞアカデミー賞 最多6部門受賞!他 全104冠に輝いただけある!

オスカーの栄冠を手にした時に、心からほっとしたものだった。
その目は曇っていなかった。
もし「アバター」がオスカーを取ったら、もうどうしようかと・・・・




<ストーリー>

イラク・バグダッド。
駐留米軍の爆弾処理班の作業中に爆発が起き、班長の軍曹(ガイ・ピアース)が爆死してしまう。
代わりに派遣されてきたのは、ジェームズ二等軍曹(ジェレミー・レナー)。
彼はこれまでに873個もの爆弾を処理してきたエキスパートだが、その自信ゆえか型破りで無謀な行動が多かった。
部下のサンボーン軍曹(アンソニー・マッキー)とエルドリッジ技術兵(ブライアン・ジェラティ)は彼に不安をおぼえ反発するが、一緒に仕事をこなしていくうちに・・・・




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ジェームズは、仲間との連携を無視し、独断で危険な任務をこなしていこうとする




アップとハンディカメラを多用したリアルな映像は、ドキュメンタリー映画を軽く超え、まるで観ているものが、その場にいるような臨場感がある。
照りつける灼熱の太陽の下、舞い上がる砂埃と、爆風で飛んでくる瓦礫が目に入らないようにしながらも、標的を見失わないように、しっかりと目を見開いている自分がそこにいた。



あと38日・・・・・・あと23日・・・・・
駐留期間を数えて、兵士たちは任務を淡々とこなしていく。

たった2時間の間でも、息を何処ですればいいのか分からないくらいの緊張感に苦しんでいるのに、兵士たちはこれを1年間も続けているのかと思うと、そのハンパ無いストレスに頭が下がる想いだ。

アメリカはいったいどんな利益を追求して、若い命をイラクへ投入するの?と、単純に思っていたけれど、大きく反省。
その答えは、この映画を観ていくうちに、しだいと見えてくる。






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白い砂漠地帯の明るい映像に、スタイリッシュなスローの多用が、新しい戦争映画を演出している




一緒に見ていたパパンの感想は
「やっぱり女性監督だからか、戦争映画なのにスタイリッシュでキレイだなぁ」

へぇ~!?
そこんとこ気が付かなかったなぁ。
確かに今まで見ていた戦争映画といえば、暗くてグロくて、悲惨でドロドロだったりした。
ベトナム戦争など舞台がジャングルだったからとか、それだけではない、目的が『敵を倒す』やらなければ殺される的な、血みどろの戦いから訴える反戦とは、どこか違った趣が確かにある。



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肉眼では見えないような遠くにいる相手をしとめる


銃を撃った後、殺した兵士の姿も見えないくらい遠い所にいる相手を狙うのは、遠隔操作のスイッチひとつでミサイルを撃つような、ゲームで敵を倒すような、そんな現代の戦争の乾いた部分を見せ付けているようで、空恐ろしい。

しかし、ちょっとした油断で狙撃されて死んでしまった仲間の兵士が、すぐ横で倒れているのが、それが決してゲームではないことを、あからさまに見せ付けている。



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新しいリーダーが、爆弾マニアのクレージー野郎だと思っていたサンボーンも次第に・・・・・


War is a drug.

最初のテロップにあるように、ジェームズ軍曹にとって、愛する息子との平和な日々を送るだけでは満足できないのかもしれない。

でも、私は彼が刺激を求めて戦場へ戻って行ったとは思わない。
DVD売りの少年とのシークエンスが、それを証明している。



徴兵制だったベトナム戦争に対して、イラクへの派兵は希望者なのだという。
難関試験を突破して、爆弾処理班となり、命をかけた危険な戦地に赴く彼らの目的はタダひとつ。
800個の爆弾を処理して、その都度多くの人々の命を救ってきた・・・・・・これに尽きるのではないだろうか。






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