「重力ピエロ」ドロドロなのに透明感

久しぶりに邦画を見た。
さすがの伊坂幸太郎原作もの。
深刻な内容なのに、どこか透明感のあるピュアな雰囲気。
すべてのキャストが、最高にマッチして、無駄な人物はひとりもいない。
人目をはばからず、声を上げて泣きながら見ている私がいた。



春が空から降ってきた・・・・・



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ひらひらと桜の散る春のひとときと、岡田将生&加瀬亮の透明感が生きてくる冒頭のシーン



<ストーリー>

遺伝子を研究している大学院生の泉水(加瀬亮)は、2つ違いの弟 春(岡田将生)と、母(鈴木京香)の命日に養蜂をしている父(小日向文世)を訪ねた。
優しい父と平穏で穏やかな楽しいひと時を過ごすが、彼らには辛い過去があったのだった。

いつものように街の「いたずら書き」を消すアルバイトをしている春は、謎の放火事件とのかかわりを指摘して、兄の泉水と犯人探しをしようと夜の街へ出かけるが・・・・・





いったいいつまで大学生をやるのか?加瀬亮。
ねえねが、加瀬亮の大ファンなのは、この年齢不肖なかんじが、パパンに似ているからかな?(ちょっとファザコン)


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母の事故死をきっかけに、春が二十歳になったら話そうと思っていた、辛い出生の秘密を打ち明ける父


このシーンも実に辛い。
小日向さんのやさしい笑顔が、よりいっそう涙をさそう。

「本当に深刻なことこそ、陽気に伝えるのがいいんだよ。」
父のポリシーが、この映画の全編に生きている。

やばいよ、この人、上手すぎる・・・・・(カツラは別の意味でヤバイけど・笑)




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この映画の題名となる「重力ピエロ」のわけが、ここでわかる
そして冒頭シーンとラストのシーンへと繋がっていく・・・・


子供時代のシーンは、もっと泣ける。

「ねえ、お兄ちゃん、レイプって何?みんなが、ぼくにそう言うよ。」と聞く弟の春に
気弱だけど優しい兄の泉水が、2段ベットの上から「レイプ・グレイプ・ファンタグレープ!」とおちゃらけてごまかそうとするシーン。
グレープが「うれーふ」と聞こえるのは、下を向いているから鼻がつまっているわけじゃなく、実は泉水が泣いているという細かい演出に、もう声を上げて泣かずにはいられない。



それにしても、よく雰囲気の似た子役を探したもんだぁ~と感心するキャスティング。




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街のグラフィックアート(いたずら書き)を描いた犯人も、放火犯も誰だかは、わりとすぐ気が付く


だんだんと兄弟の過去が明らかになっていき、事件の全容がわかっていく。
細かい伏線がつながっていくところは、伊坂幸太郎の得意なところだ。


しかしグラフィックアートに隠された暗号が、こんなに難しいとは、考えた犯人もすごい!(感心してどーする?)



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人をムカつかせる演技をさせたら、ピカイチの渡部篤郎

一見優しそうで、穏やかな笑顔をたたえながら、冷徹な台詞をさらりと言う・・・・・・こえーっ!


レイプ犯の正論然とした台詞は、全く理解できなかったけど、それを聞かされる泉水の顔つきが、だんだんと変化していく様を、ビデオで映し出したモニターで見せるところなんて、さすが邦画の繊細な表現力!と、いたく感心してしまった。

やっぱり邦画だよね~





しかーし!
「楽しそうにしていれば、地球の重力なんて消してしまえるんだよ。」
そんな父と母の遺した言葉どおりに、笑って仲良く兄弟は暮らしていきましたとさ・・・・・

って、それはマズイんじゃない?
結末だけは、ちょっと・・・・・・


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