「MW-ムウー」胸騒ぎの2時間

原作ファンには酷評だったという、手塚治虫生誕80周年記念映画 「MW-ムウー」
渋谷のキュー2の巨大ポスターを見ては、「やっぱ、腐女子ねらいなんじゃ?」と、見ようかどうしようかずっと迷っていた。
ところが!!
私が原作を知らないからだろうか?
2時間めいっぱい、心臓バクバク・・・・スリルとサスペンスの胸騒ぎ映画は、充分すぎるほど迫力満点で・・・



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  「MW-ムウー」公式サイト
サービスショット満点、主役二人がこれでもか!?というくらい格好良く描かれている。


<ストーリー>

16年前の沖之真船島で起きた、1夜にして島民全員が虐殺される事件から、命からがら逃げ出した二人の少年がいた。

成長した賀来(山田孝之)は、神父となって子供達の救済を行っていたが、事件の悪夢から逃れられない苦しい日々を送っていた。
一方、結城(玉木宏)はエリート外資銀行員としての立場を利用して、当時事件を隠蔽した政府と、事件を口外しないと約束することによって異例の出世を遂げた生き残りの大人たちに対し、冷徹な復習を遂行していた。

16年前の後遺症で、命が短いと感じた結城が、残酷な復習を急ぐことに、心を痛めた賀来は、彼を殺すべきと考えるが、彼への想いに手を下すことが出来ないでいた。

当初から結城に目をつけていた敏腕刑事の沢木(石橋凌)は、結城の完全無欠の犯行に手も足もでないでいたが、ついに結城の最終目的「MW-ムウ」の隠されている現場で、彼を追い詰める。
しかし、教会の子供達を人質に結城は・・・・・




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一夜にして、島民皆殺しって、いくら政府でも隠蔽しようがないよー
とはいえ、そんな不条理を感じている暇がないほど、最初からスピードある展開で引き込まれてしまう。

軍部が開発した毒ガス兵器・・・・今ではありきたりなテーマも、これが30年も前に既に連載されていた漫画だったということに、改めて手塚治虫の偉大さを感じる。


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敏腕刑事の沢木は、当初から結城に目をつけてはいたが・・・・




本当にいい役者さんになった石橋凌
どの役でもぴったりはまってくる。(ハマル役しか選んでないような気もするけど)

彼を慕う部下の橘(林泰文)は、無残にも結城の毒牙にかかってしまうが、タイ語の通訳をしたり、様々に活躍しているオイシイ役どころだ。
(きっとふたりの同人ができるに違いない・・・)



冒頭いきなりはじまるタイでの邦人人質事件の息をもつかせぬ追跡劇から、心臓バクバクしっぱなし。
モノレールに乗った白いスーツの男なんて、すぐ捕まりそうなものだけど、それでもドキドキ・・・・





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新聞記者の牧野(石田ゆり子)
16年前jの島の事件を取材をしている時、事故死したと言われている先輩記者の遺志をついで、謎を解明しようとする。
彼が生前に隠した大切な取材メモを見つけ、真実に一歩近づいたと思ったが・・・・



絶対渡すなといわれた、取材手帳を、すんなり結城に手渡してしまうところは、ちょっと理解できない。
とはいえ、それが結城の美貌と謎に包まれた魅力から、つい・・・ということなのか?
原作の画風からは、ちょっと想像できない展開。




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予告でも流れる「悪夢を見ない日がいつかくるのかな・・・?」「オレがそうしてやるよ・・・」


二人がとにかくカッコイイ♪
今まであまり好きになれなかった玉木クンも、その七変化がどれも似合っていて、素敵に見えてくる。



賀来が神父の黒い服のときは、結城は白のスーツやランニング。
結城がモンスターな一面を見せて、黒い特徴的な衣装を着ると、賀来は白いニットやシャツ・・・・・・と、対比させることによって、二人が実は二人で1つであることを強調している。
それが証拠に、副作用に苦しんで倒れた結城を助けて、部屋で介抱している時は、二人はよく似たシャツを着ている。



ところで、二人の衣装は自前なのかしら?
なんだかどこかで見た記憶のある服装なんだけど、それがやはり一番本人達を引き立てている気がする。





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渋谷のポスターは、公式サイトのTOPと同じ、タブー解禁!とうたった、二人の怪しげなポーズ。
どうかんがえても、そうじゃん!と思わせるねらった宣伝であるにも拘らず、映画ではその辺は、そう見えなくも無いけど、そうでないような・・・・・


原作ファンの酷評は、まさにこの部分。
手塚治虫のタブーは、この同性愛の部分なのだ。
そして映画は、このあたりをバッサリと削っている。


原作を知らない者としては、それで充分だとも思える。
サスペンスとしても、迫力満点、二人が強い絆で結ばれているというかんじも、ちゃんと伝わった。


しか~し!

何故、賀来はいつも祈っているのか?
何をいったい祈っているのか?



賀来は世界平和を祈っているのではない。
結城を愛するが上に、彼の残忍な復習に加担してしまう自分の罪を悔いているのだ。
彼を救いたいという気持ちと、
そして何より、禁じられた愛に溺れる自分の罪を悔いている・・・

このあたりは、やはり映画からは伝わってこない。


それがあって、初めてボートの上で、結城が安全靴(工事の時に履く怪我をしない靴)みたいなブーツで、ボコボコに賀来を蹴り飛ばすシーンも、生きてくる。
『彼がモンスターだから』一方的に賀来がやられた・・・・訳ではないのだ。
そこに・・・・二人の間にどうにもならない『愛』があるからこその、暴力であり・・・・・




それでも、映画は充分面白かった♪
最初から最後まで、胸騒ぎざわざわ・・・な映画は、久しぶりだ。
音楽も抜群。
人の不安をかきたてるような、効果バッチリで、ストーリー展開を手助けしている。


ひとつ難を言えば、迫力ある映画なのに、なぜか2時間サスペンスのような・・・
凝ったカメラワークが、仮面ライダーシリーズに似ているからかな?







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