「おくりびと」自然と溢れる涙

アカデミー外国語映画賞を取ったのは、記憶にも新しい「おくりびと」
悲しいのではない。
お葬式を扱っているのに、辛かったり重かったりしない。
なぜか暖かさに包まれて、自然と涙が溢れてくる、そんなすばらしい映画なのだ。


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 「おくりびと」公式サイト


<ストーリー>

突然職を失った大悟(本木雅弘)は、妻(広末涼子)を連れて故郷の山形へ帰ってきた。
早速、就職の為訪れた会社は、遺体を棺おけに収める『納棺師』の仕事をする会社だった。
仕事の内容をなかなか妻に話せずにいた大悟だったが、次第に仕事に生きがいを感じるようになっていき・・・・・




人の死というものは、悲しいという単純なものではないらしい。
映画を観ていると、自分の知人でもないのに、何か言い表しようのない不思議な感情で胸がいっぱいになってくる。
この映画では、そんな暖かい気持ちで送り出す人々の自然な形で死を悼んでいる姿に、ほっとさせられる。

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大悟の幼なじみ(杉本哲太)の年老いた母親が経営する風呂屋。
いつも入り浸っているおじいさん(笹野高史)とは、風呂屋仲間だ。


最初の仕事が、死後2週間たった一人暮らしのご老人というのは、かなり辛い。
そこらじゅうの食品にうじが湧いている様子は、当然、ご遺体の様子も想像できるわけだけど、こんな大変なお仕事をしている人が実際いらっしゃるというのは、頭が下がる思いだ。

体に臭いがついてしまった大悟が、帰りに銭湯に寄るわけだけど、スーツのほうも毎度クリーニングしなくてはいけないのだろう。

というより、男性初のヌード写真を出したもっくんでも、すっかり体型は「おじさん」なんだなぁ・・・と、思ってしまった私。
それに比べて、出産も経験したのに今だ少女のような体型の広末涼子。羨ましすぃ~☆


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しばらく何も食べられなかった大悟も、骨付きチキンだってもう大丈夫♪

人間は生きていく為に大切な命を頂戴しているのだというのと、「大切な人を送り出す」というのは、ちょっと観点が違うような気がするので、クリスマスに骨付きチキンをむしゃむしゃと食べるシーンが長すぎるのは、ちょっとどうかと思ってしまった。


葬儀屋のスタッフ(余 貴美子)は、陰のある女性をやらせたら天下一品。
何かあると思っていたら・・・・・

でも、好きな男と出て行って、それっきり自分の子供に会っていないって、私にはあまりぴんとこないかも。
子供を捨ててまで一緒にいたい男って・・・・?????


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初めは妻にも理解されなかった、納棺師の仕事


「そんな仕事辞めてくれなきゃ、実家に帰る!」と言って出て行ってしまった妻も、私にはちょっと理解できない。
ヤクザとかAV男優とかだったら嫌だけど・・・・

ただ、この仕事は妻だけでなく、幼なじみや地元の周囲の人からも疎まれる。
こういったことは、地方へいくほどその傾向が強く、日本の影の部分として今も実際残っている深い問題だ。

昔から肉を解体したり、皮をなめしたり、墓を掘ったり、ゴミを処理したり・・・・・そいういう人の嫌がる仕事を支えてきた『人たち』の歴史に焦点を当てた点で、この映画は非情に評価できるといえる。
私たちは、感謝こそすれ、決して蔑んではいけないのである。



アカデミーの外国語映画賞は、こういった深いテーマを理解しての受賞なのか、日本の古来のしきたりは、どう理解したのか、ちょっと疑問。
ただ、日本人でもあまり知らない納棺の様子を、外人が見て面白いと思ったのだったら、ちょっと残念でもある。



練習を重ねてチェロを弾けるようになったもっくんにも、頭が下がる。
受賞も納得の映画だ。



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