「大いなる陰謀」投げっぱなし

私と年がそれほど変わらないのに、いつかどこかでトム・クルーズに会って、結婚することになるかもしれないから・・・と言って、英語の勉強を欠かさない友達のお付き合いで、恒例のトム・クルーズ映画を観に行った。


「宇宙戦争」も観に行った。
「コラテラル」も観に行った。
「Mi  Ⅲ」は、結構好きだけど・・・・・
そして今回「大いなる陰謀」





今度は面白いのを観たいよぉー!!!




画像
大いなる陰謀」 公式サイト

トム・クルーズは共和党の若きホープとして大統領選も目前にしているアーヴィング上院議員という役。
今までのようなアクションが一切ないばかりでなく、上院議員の執務室の椅子にずっと腰掛けたまま動かない。
ジャーナリストに特別インタビューの時間を1時間も取ってやり、世論に好感度を上げる作戦だが、だんだんと化けの皮がはがれそうになる、実は黒い内面をもっているような役を自ら買って出たのは評価できる。


<ストーリー>

共和党の優秀な若きホープのアーヴィング上院議員(トム・クルーズ)は、以前自分のことを高く評価して報道してくれたベテランジャーナリストのジャニーン・ロス(メリル・ストリープ)に、特別インタビューの時間を1時間も用意していた。
対テロ戦争中のアフガニスタンの新たな作戦について、特別にリークしてくれると言う、ジャーナリストにとって、願ってもない申し出の裏に隠されたものは・・・・・・


その同じ頃、アフガニスタンでは志願兵のアーネスト(マイケル・ペーニャ)とアーリアン(デレク・ルーク)が、まさにその作戦で高地を占領すべくヘリで戦地へ向かっていた。
「世界で起こっている重要なことにかかわりたい。」という熱い思いから、陸軍を志願した二人。
大学院へ行ける優秀な頭脳を持ちながら、貧しい地区出身のため、帰還兵への特権である、学費免除をねらっていたのだが、二人を待ち受けていたのは、予想をしていなかった過酷な運命だった・・・・


同時に、アーネストとアーリアンが学んだカリフォルニア大学では、恩師のマレー教授(ロバート・レッドフォード)が、学生と面談をしていた。
意欲的で将来性もあるトッド(アンドリュー・ガーフィールド)が、今学期は殆どの授業を欠席していることを憂慮していた教授の言葉は、生意気な意見で教授の質問をテキトーにかわしていたトッドの心を、次第に変えていき・・・・・




画像

全体的にとにかく早口。
次々と変わる2行づつの字幕は、文字を追うだけで精一杯で、ほとんど画面を観る暇はない。
まあ、戦地のシーン意外は、ほとんど座っているだけなので、見る必要もないが・・・・

トムクルーズしか観ていなかった友達が、眠くなっちゃって・・・という教授と生徒のシーンは、実に秀逸。
日本の教授と生徒なら、こうはいかないだろうな~という、面談だというのに、なんともエスプリの効いた会話のキャッチボール。
本当の指導者はかくあるべき・・・・と、心の底から感嘆したのだった。

しかし、ただガミガミ子供をしかりつけるのは止めよう~と、思った矢先から、ガミガミ・・・・・(ううっ・・・)
ごめんよ、こんな母で・・・

はじめ生意気な口を利いていたトッドの、表情が、ほんの少しずつ変化していく。
最後に、真剣に『考えていかなくては・・・・』と思い始めると、唐突に突き放す教授。
「ぼくはどうしたら・・・・?」
の質問に、「次の子の面談だから・・・・ドア閉めて。」


画像


戦地で若い命の炎を消すことになる、優秀な二人が、「参加することに意義がある」と言って陸軍を志願するくだりは、なんだか納得できない。
マレー教授の説得にも心を動かさず、『意義』を見出して戦地へ赴く。
いったいそこにどんな『意義』があるのか、私には何とも理解できない。

人種問題をからめて、学費捻出のために志願兵となる事に決めたと単純にしたほうが、よかったような・・・・
っていうか、そんなに優秀なら、奨学金制度とか使えばいいのに・・・




終わり方はバッサリと唐突。
教授が、トッドを突き放したように、観客を突き放す。



あとは、自分で考えなさい・・・・・




映画としては斬新かもしれない。
今の無関心な若者に、考えを押し付けずに、自分で考えさせる。
確かに重要なことだ。



しかし、考えなくちゃ!と思わせる程強く胸を打つような『何か』がない。

この違和感は何なのか・・・・・???




考えさせるなら、ドキュメンタリーにすればよかったわけで。
時間も同時進行のこの映画は、現実とも同時進行。
なのにつくりものだ。



一番の違和感は、アメリカがアフガンで戦争をしていることだ。
9・11でビルを爆破されてから、対テロ戦争と銘打って、堂々とアフガンに戦争をしかけているアメリカ。
正直、何でまだやってるの?というかんじだ。


今頃、「考えてみよう~」では、遅いのでは?



日本に原爆を落としてから英雄という立場を維持しないと、ただの加害者になってしまうアメリカは、その呪縛から抜け出せないでいるような気がする。

そもそも戦争の新戦略を発表することで、選挙で好印象を持たれるという発想からして、私には理解不能なのだ。



勿論、ジャーナリストのジャニーンは、そこを鋭く突いてきて、自分がただ利用されるだけにならないよう悩むわけだが、無関心な若者には、このあたりは心に響いてくるだろうか??


最後に何千と続く兵士の墓に、涙するジャニーンだけが、救いだ。


"「大いなる陰謀」投げっぱなし" へのコメントを書く

お名前
メールアドレス
ホームページアドレス
コメント