「スペシャルズ!政府が潰そうとした自閉症施設を守った男たちの実話」☆半分ドキュメンタリー

すとん!と秋が音を立ててやってきたので、久しぶりのウォーキングを兼ねて歩いて映画館へ。

この前配信で見たイタリア映画の「人生!ここにあり」がとても面白かったし、大好きな映画「最強のふたり」のリック・トレダノ×オリビエ・ナカシュ監督だからと、ちょっと期待し過ぎたかも。
「人生!ここにあり」とプロットは良く似ているけどそこまでエンタメ性はなく、どちらかというと半分くらいはドキュメンタリーの再現映像といった趣ではあるけれど、不思議と涙があふれ出すヒューマンドラマなので多くの人に是非見て貰いたい映画でもある。

「スペシャルズ!政府が潰そうとした自閉症施設を守った男たちの実話」 公式サイト
スペシャルポスター.jpg
ユダヤ人のブリュノ(バンサン・カッセル)とイスラム教徒のマリク(レダ・カティブ)は、赤字経営の自閉症ケア施設の運営に寝る間を惜しんで奮闘していたが、無認可であるために監査が入り施設閉鎖の危機に迫られていた。
マリクが運営するドロップアウトした青年を支援する団体からブリュノの施設へ派遣されたディランは、特に手ごわい重症のヴァランタンの介助を担当するが、サボっている間に抜け出したヴァランタンが行方不明になってしまい・・・

Clipboard015644.jpg
就労支援中のジョセフのエピソードがお話の軸になっている。
大好きな洗濯機のボタンを全部押したくなっちゃうジョセフが、最も苦労しているのは非常ベルを押さないように気を付けながら電車で通勤すること(笑)度々電車を止めてしまうので、鉄道警察に目を付けられてしまい、そのたびにブリュノが迎えに行くことになる。
彼を演じているのは実際に自閉症の青年。
嘘偽りのない姿に、笑ったりヒヤヒヤしたり・・・そしてラストは涙が止まらなくなるのだ。
Clipboard014423344.jpg
ドロップアウトした若者たちと友達の様に接しながらも、厳しく温かく指導していくマリクの姿に本物の指導者のあるべき姿を見出す事が出来る。
映画の中には本物の介護に携わる青年たちも沢山起用されているらしい・・・というか、彼らの手を借りなければ、撮影もままならなかったでしょうと思うほど、多くの患者たちも登場する。
Clipboard0177566.jpg
実際のブリュノはいかにもユダヤ人といった風貌なのだけど、バンサン・カッセルは似せようとせず彼本人として自閉症児たちと向き合っている様に演じているのが、かえって好印象だと感じた。
監督が狙っていた通り、本物の患者たち・介護者たちと一緒に映画を作って半分ドキュメンタリーのようにすることで、社会の縮図や問題をキチンと伝える事が出来ている気がする。
Clipboard01887556.jpg
唐突にも感じるダンスの発表会のシーンで図らずも涙が止まらなくなった私。
練習風景もなし、そこへ至るプロセスもなかったのだけれど、ダンサーたちと患者たちが1つになって舞台で自由に踊る姿と、それを見守る親たちの笑顔と涙に、この映画の全てが詰まっている様に感じた。

お涙頂戴のシーンでない所で涙が溢れる事こそ本物なのではないかしら?
問題は何も解決されない映画なのだけれど、私たちにいったい何が出来るか?改めて考えてみたい。

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

2020年09月17日 00:41
まだ~むさん、こんばんは。
これはちょうど公開されたばかりの映画なのですね。
知らなかったです。
フランスの実話をもとにしたドキュメンタリーというと
「オーケストラ・クラス」や「奇跡の教室」など思い浮かびますが
どれも骨太の作品で、フランスが(いろいろと問題を抱えながらも)
ダイバシティに配慮した福祉国家であることが伝わってきます。
バンサン・カッセルも幅広い役柄をこなす魅力的な俳優さんですよね。
「最強のふたり」もそうでしたが、わざとらしく感動させようとしない
ところがすばらしいです。
ノルウェーまだ~む
2020年09月17日 10:46
>セレンディピティさん
>
こちらはドキュメンタリーではないのですが、本当に現場で働いている人や患者さんを多く起用している点で、ドキュメンタリー状態になっているといった印象の映画なんです。

「オーケストラクラス」も「奇跡の教室」も見た事なかったです!今度見てみようかな☆
ただ、この映画はフランスが「そのような福祉国家では無い」点を描いていて、実は問題は切迫して深刻だと言う事を訴えているんです~
2020年09月18日 21:45
まだ~むさん、こんばんは。
ごめんなさい。間違えちゃいました。
オーケストラ・クラスも、奇跡の教室も
事実をもとにした映画で、ドキュメンタリーではありません。
でもこの作品と同じく、エンタメ的に脚色したところがなく
やはり半ドキュメンタリーみたいな感じでしたよ。
まだ~むさんらしい映画のセレクトですね。
私もいつか見てみたいです。
2020年09月18日 23:05
「最強のふたり」のようなエンタメ性はありませんでしたが
ズッシリ来る映画でしたね。
実際問題、ヴァランタンのような少年が自分の家にいたら大変だろうなあと思っちゃいました。
あれだけ自分を投げ打ってみんなのために走り回っているブリュノが
しかし恋愛をあきらめていないシーンでは、ようやくちょっとだけクスリと。
ノルウェーまだ~む
2020年09月19日 11:59
>セレンディピティさん
>
ご紹介いただいた作品はどちらも最後にはハッピーエンドになりそうな予感(予告編を見た限りでは)ですけど、それでも脚色部分は少ないのですね・・・
今回私がこの映画を選んだのは、「人生!ここにあり」がとっても面白かったからなんですけど、その点からいうとちょっぴり期待とは違ったかな・・・といった印象でした。よかったらいつかご覧になって見てください♬
ノルウェーまだ~む
2020年09月19日 12:04
>zooeyさん
>
婚活はともかく恋愛を諦めていないのはホッコリしましたよね♪
きっと彼のような人とは暮らすには大変かもですが、人間的に魅力的な人だからきっとモテるのではないでしょうか☆
家族すら見放す重症の患者を世話する苦労は計り知れませんね。家族だからできない事と家族しかできない事もあるのでしょうけど・・・

この記事へのトラックバック