トラウマ映画「ミッドサマー」☆眩しい美しさと容赦ないグロさの対比

明るい事がこんなに恐ろしいなんて・・・

これはヤバい!ヤバすぎる映画!!
巷では評判も良いみたいだし、何しろ北欧のお話なので是非観たい!と思っていた。
でもてっきりスウェーデンの森の奥の閉鎖的な村で、精神的に取り込まれていく悲劇を描いた内面的に怖い映画なのかと思っていたら、なんのなんの。
もう二度と観たくないという声も聞かれているのも納得の、ファンタスティック映画祭でかかるようなそんなスプラッタームービーでもあったのだ。

ミッドクイーン.jpg
「ミッドサマー」公式サイト
妹の自殺に巻き込まれ両親までも亡くして失意のどん底にいたダニーは、別れたがっている恋人のクリスチャンに成り行きで誘われたスウェーデンの旅行へ付いていく事になった。
卒論のテーマで民俗学を専攻する仲間たちは、ペレの故郷で行われる90年に一度の夏至祭が行われる森の奥の小さな村へ到着すると、陽が沈まない美しい村で大変な歓迎を受けるのだが・・・

ミッド入村.jpg
グロイ映画も結構なホラーも平気で観る私だけれど、この映画の終盤の「不必要」なほど酷い残酷描写は正直不快に感じてしまった。
ところが公式サイトの『観た人限定完全解析ページ』を読んでみると一転!観客をビビらせる為に不必要にグロくしている訳ではなく、実は古代スカンジナビアの王を殺害した者に対する実際記録に残っている処刑方法と同じだったりと非常に凝ったディテールであることが判る。ちなみに食卓はルーン文字の形に並べられている。
もしかすると観る前に解析ページを読んだほうがより楽しめるかも☆
ミッド歓迎.jpg
実は北欧には太陽の恵みを祝う『夏至祭』が本当にある。
北欧雑貨のアットテリア・スウェーデンの夏至祭とは
驚いたのは劇中、中央広場に建てられる意味ありげなポールが本当の「夏至祭」のものと全く同じな事!もう、それを発見した時の方が映画より怖かった(笑
しかもポールの周りをグルグル回る踊りもほぼ一緒!これね⇩
ミッド花畑.jpg
実はノルウェーでもクリスマスに巨大なツリーの周りをぐるぐるぐるぐる・・・回る似たような踊りがあり、その日は朝から晩までこのグルグル回りダンスがテレビで生中継されていて驚いた経験がある。

本当は、白夜の夏と真逆に一日中暗い冬を半年過ごしてきた彼らが、純粋に心から太陽と収穫を祝いたいだけの明るく楽しいお祭りなのだけど、夏にポッと祭りだけ見に来た観光客には異様な光景に見えたのかもしれない。
実際、主人公と仲間たちは着いて早々、夜の9時なのに真昼の様に明るいだけで、「なにこれ、こわっ!」と呟くのだ。
ミッド壁画.jpg
つまりこの映画は異文化の環境や行事を=野蛮な異端文化と捉えることで生まれるキリスト教信者の勝手な恐怖心を映像化したものであると言える。例えば日本の古くから伝わる祭りや神事にしても、欧米の人から見れば異様な光景に映って畏れを抱いても不思議ではない。
特に輪廻転生などの考えは、彼らにとっては宗教的に理解出来ない事なのでは?
ミッド共感.jpg
泣くときは皆で泣き、「する」ときは皆でする(笑
まっぱの人たちに取り囲まれた密会あたりから異様さは加速度的に増すのだけど、この「裸」に関しても北欧の人は実はおおらか。
公共の公園でも日光浴は普通にトップレスだし、サウナやプールの更衣室でも誰も隠すことなく全裸でぶらぶらするのは平気なのだ。
ミッド見学.jpg
影のひとつももないくらい眩しいほどに明るく美しい日の光の下に、包み隠さずどアップで映し出されるグロ映像とのギャップに主人公のみならず観客も翻弄されていく。

最後はようやく求められる存在となり、共感してくれる人々に囲まれてダニーはこの地で新たに生まれ変わることになる☆

ところでパパンの同僚のノルウェー人の人は、自身のおばあちゃんが「魔女狩りで人が焼かれるのを見た事がある。」と話していたそうな。
今では考えられないような人身御供や魔女裁判も、実はそう遠い昔の事ではないのかもしれない・・・

追記 映画「ミッドサマー」に登場するルーン文字の石碑は日比谷公園にある件

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この記事へのコメント

ごみつ
2020年03月09日 01:29
こんばんは。

こちらにも。
私もこれ見たいんですよね~。近所のシネコンではやってないので、行けるかわかんないのですが、時間がとれたら見たい!ちょっと勇気がいりそうですね。

実は、先日、この監督の「ヘレディタリー・継承」を見たんですが、凄かったんですよ。(;^ω^)

まだ~むさんの記事を読ませていただくと、かなり似通った感じがします。もし未見なら「ヘレディタリー」も是非!怖いですよ。(;^ω^)
ノルウェーまだ~む
2020年03月09日 17:12
>ごみつさん
>
いや~私、結構人気の「ヘレディタリー」を今まで避けてきたんですよねぇ。なんとなく苦手意識があって。
(人に憑りつく系がダメなんですぅ)
で、youtubeでざっとネタバレ動画を見たのですけど(それも丁度今)、やっぱりダメかも~~って(笑
こちらの映画はちょっとメンタルやられる部分と、グロ映像の容赦なさに覚悟をしておけば、かなり面白いです!!
是非、完全解析見てから、じっくり鑑賞してみて~~
2020年03月10日 00:30
まだ~むさん、こんばんは。
この作品、よくも悪くも?とにかく話題になっていますよね。
私も遠巻きにして、そっと様子をうかがいつつも
「グロい」というキーワードにビビッて
ちょっと見れずにいます。><
お話をうかがうと、やはり劇場で見るにはハードルが高そう・・・
ノルウェーまだ~む
2020年03月10日 14:09
>セレンディピティさん
>
設定的にも内容的にも見逃せないかんじの映画ですよね~
グロいシーンが用意されていると覚悟して観ると、随分違うのかも☆
影が一つもない世界で、「ほとんどが影」みたいな話に怖さを感じるのが正しい見方かな・・・
是非、セレンさんの感想も伺いたいなぁ☆
2020年03月10日 22:27
クリスマスもぐるぐるするんですね。
夏至祭由来の風習かもしれないですね。
北欧の文化は面白いです。
>「魔女狩りで人が焼かれるのを見た事がある。」
これは怖いけど。
ノルウェーまだ~む
2020年03月11日 11:46
>ノラネコさん
>
割と近年まで実際に魔女狩りが行われていたっていう事実が怖いですよねぇ。
欧米諸国からみると、まだまだ北欧は土着の風習が生きている「未知の国」なのかもしれません。
2020年03月15日 23:43
みんなが共同で寝るゲストハウスで赤ん坊がずっと泣いているんですよね。
理性とか関係のない無垢な存在だけが、この異様さを嫌っている。
そう感じると、このいや~な感じがよりいや~な感じに昇華されますよ。
ノルウェーまだ~む
2020年03月16日 01:09
>にゃむばななさん
>
なるほど~!気付きませんでしたが、確かに赤ちゃんだけが敏感に感じていたのかもしれないですね。
鋭いデス!!
2020年03月17日 10:00
こんにちは。
なんとなんと、単なるカルトではなくって、古代スカンジナビアで実際にあった風習(?)に基づいているのですね!
それを知るとちょっと見方が変わりました。文化人類学的位置づけで納得しようとしていたクリスチャンたちの気持ちもあながち間違いではなかったのでしょう。
ノルウェーまだ~む
2020年03月17日 10:37
>ここなつさん
>
そうなんですよね~私も公式サイトの解析ページを見るまで、グロさを売りにするスプラッタムービーか?と思っちゃっていたくらいです。
少なくとも夏至祭じたいはあるので、宗教や考え方の違いを異様に思ってしまうところにひずみが生じた物語であることは確かだと思います。
実際日本でも「姥捨て山」があったり、歴史的にも人身御供や生贄の風習が世界各地にあったりしたんですよねぇ。
ただしやっていることは完全にカルトですわ・・・
2020年03月22日 10:42
こんにちは♪

ダニーのメンタル面、マリファナ絡みだから捻りなく考えれば、精神系
とか夢オチみてぇなものに至っちゃいますよね。
それはそれとして、牧歌的な風景と麗らか日差しが演出ひとつでこうも
不気味なものになるものなのか!と感心させられまくりでしたし、土着
信仰や集団ヒステリー等もスプラッター描写以上にエグく、とにもかく
にもスゲェ作品でした♪ (゚▽゚)v
ノルウェーまだ~む
2020年03月22日 11:13
>風情☭さん
>
麗らかさとは真逆の色々な意味でエグイ描写が、なんとも忘れられない印象を残してくれちゃってる映画ですよね。
演出ひとつでここまで不気味になるって凄いです!

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