「ドクター・スリープ」☆キングもキューブリックも大満足

0泊3日の出張の後風邪をひき、熱が下がらないまま1週間の出張に出たパパンの体調が戻るまで、映画がお預けだった私。
その間に前作「シャイニング」のおさらいと、スティーブン・キングの原作「シャイニング」も読破して準備は万端!!
待ちに待った「ドクター・スリープ」は、原作者のキングも「シャイニング」の監督スタンリー・キューブリックも(多分)、勿論パパンも私も大満足♪
「ドクター・スリープ」 公式サイト
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過去のトラウマでアルコールに溺れる生活を送っていたダニー(ユアン・マクレガー)は、心機一転新しい街で親切な隣人に助けられながら断酒会に参加し、徐々に克服していった。
そんなあるとき強いシャイニングの力で少女からのSOSを受け取る。
実は数多くの幼児誘拐殺人事件の真相を知った少女が、怪しい一団に居場所を突き止められ窮地に陥っていたのだった。
罠を仕掛けて一団を誘い出したダニーだったが・・・

キューブリックの「シャイニング」ファンなら涎垂もののシーンが盛りだくさん。それも完璧なまでに再現されていて実に素晴らしい!
一番のお気に入りはオープニングに使われていた『オーバールックホテルへ向かう途中の湖を舐めるように飛ぶ空撮』のシーン。
今回はそこが雪道になっているというニクイ演出☆
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前作では鏡を多用し、鏡の向こう側が『あちら側の世界』となっている演出だったけれど、今回のダニーの部屋にはあまり鏡が無く、彼がシャイニングの力を極力封印して生きていることが伺われる。
そんな時に不自然なまでに大きなテレビがあるなぁと思ったらやっぱり!
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何かと助けてくれるハロランさんとダニーの関係(お金を盗むのを咎めるならアル中もなんとかしてあげたらよかったのに…)が、今度はダニーとアブラとの関係に繋がって行く。
実は冒頭の湖の前でハロランさんと話すシーンは原作「シャイニング」でキューブリックがバッサリカットしたラストがベースになっている。
カットされてキングが激怒した『特別な力で結ばれた友情』と『弱さを乗り越えて成長していこうとする』物語を、原作から拾い上げたマイク・フラナガン監督の手腕に惜しみない拍手を送りたい。
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原作「ドクタースリープ」を読んだパパンによると敵の一団のことがとても細かく描写されていて、実は敵キャラにシンパシーを感じたり、アブラとの攻防戦でじりじりと追い詰めていくところは映画もドキドキしたけどかなり緊迫するらしい。
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原作「シャイニング」のラストではボイラーが爆発してオーバールックホテルが炎上するので、いったい小説の続編はどうなっているの?と思ったら、ホテルの跡地で戦うらしい。
映画では絶妙にキューブリック+原作シャイニング+ドクタースリープを融合させ、破たんせずに成功させているところが本当に素晴らしい。
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映画は全編に渡って『背筋が凍るようなぞくぞくした怖さ』で震えがくるので、上着を脱がずに鑑賞するべし。
1つ気になったのはスクリーンがテレビサイズ(?)だったこと。
「シャイニング」のあのシーンをそのまま使うためにそうしたのかしら?映像って過去の映画から借りられるのかしら?
もし借りられるなら、いっそ双子もダニーも母もジャック・トランスも、そこそこ似ているそっくりさん大集合にせず、過去映像を借りたらよかったのでは??
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キングが好きな適度なB級ホラーっぽさもちゃんとあり、正統派のホラー映画としても、キングが描きたかった本当のテーマ『自身を投影したアル中や癇癪持ちなどの弱い部分を克服して成長しようとする』『特別な力を隠さずに堂々と生きる』もきちんと描かれ、しかも映画「シャイニング」を彷彿とさせるシーンがいっぱい。
続編なのに前作を踏襲せず、全く新しい切り口なのに、きちんと前作ファンも原作ファンも喜ばせる完璧な続編になっているという、本当に見事な作品で、最後に思わず涙がこぼれてしまったのだった☆


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この記事へのコメント

ごみつ
2019年12月09日 00:20
こんばんは!

この映画、私が一番凄いと思ったのは、とにかくストーリーに中だるみが全くない事でした。それと終盤あたりのカタルシスね。

鑑賞中に「面白すぎでしょ、これ!?」と本当に楽しい時間でした。

ラスト、泣いちゃいますよね。
ユアン・マクレガー、良かったな~。
あの悪い奴らの描写は、きっと原作ならしつこいくらいに描きこまれてるんだろうな・・。

途中で加わる若い女の子の人生とか。原作、読むのも楽しみ~。
ノルウェーまだ~む
2019年12月09日 01:16
>ごみつさん
>
中だるみ一切なしでしたねぇ~
私ごみつさんが2時間半と書いているの読んで、初めてそんな長かったんだ!?と気が付いたくらいです。
ユアン・マクレガーはちゃんとダニーが成長した姿に見えませんでした?
その点、あの可愛かったダニー役の人は現在ただのおっさんになっていて・・・(ぷぷぷ)

この映画、ちゃんとキングっぽかったですよね!?なのにラストは感動的!(笑)とにかく素晴らしいです☆
2019年12月12日 22:02
楽しかったどぇす!
もう、超能力対決みたいになって、ホラーじゃないけど面白いから問題ないって感じですね。
殺しが残酷ですが…でも、そこにジェイコブくんをキャスティングする、ぜいたくさ。
ノルウェーまだ~む
2019年12月12日 22:49
>ボーさん
>
超能力対決だからハラハラしたけど実際あまり怖くなかったですよね☆
怖さで行けばやっぱりキューブリックの勝ちだし。
斧でダニーのど真ん中バーン!ってやったから、男性はひえーっとなったのでは?
ジャック・トランス同様足を引きずらせる為だと思うけどそれにしても・・・
2019年12月19日 00:42
スタンリー・キューブリックはもう存命していないのに、きちんとキューブリック作品にも敬意を払うところに映画愛を感じますよ。
でもそうならやっぱりジャック・ニコルソンはそっくりさんではなくCGで何とかして欲しかったなぁ~。
ノルウェーまだ~む
2019年12月21日 00:42
>にゃむばななさん
>
ですよね~~?
映画愛もキング愛もいっぱい詰まっていましたね☆
ジャック・ニコルソンはCGでもそっくりさんでも、どちらの場合も物議をかもしそうですが・・・
2019年12月22日 21:42
まだ~むさんこんばんわ♪コメント有難うございました♪

自分は原作は未読で、その原作者のキングが激怒した(汗)映画版しか観てはいませんでしたが、まだ~むさんのレビューを読む限りですとマイク・フラナガン監督は原作と映画双方にリスペクトした内容にさせていた感じが見受けられますね。前半部こそシャイニングの能力を駆使したドンパチバトルの様相を呈していましたが、後半からはもうファンが喜ぶシーンの連続で、怖いシーンばかりなんだけど自分はなんかニヤニヤが止まりませんでしたねw
ノルウェーまだ~む
2019年12月22日 23:22
>メビウスさん
>
そうなんです!!
原作も読んでいると更にニヤニヤが止まらなくて、全く怖いという感覚が無かったくらいです(爆)
いつか「ドクター・スリープ」のほうも読んでみたいと思っています。
2019年12月29日 14:17
面白いそうですね。少年から大人になったダニーが、トラウマの元凶とまた対峙するというのは、運命というか、敵との対決といいますか。人生で、一度敵対したものというのは、何らかのけじめや激変が無い限り、敵で居続けるものかも知れません。

いつか、そんな相手とも盃を交わし、酒を呑み交わす、なんて、男っぽい世界観ですね。浪花道と呼ばれる人にも、昔かたぎには、そんな情義の世界があるやも知れません。
ノルウェーまだ~む
2019年12月29日 15:31
>隆さん
>
シャイニングと言う力に囚われて己を乗り越えられない主人公ダニーが本当に対峙するのは敵というよりも『自分』なのです。
原作「シャイニング」で描かれていたのがその部分で、さらに今回はそこを踏まえて、幼いパワーを食い物にする敵と戦い、トラウマの元凶になっている父との影ともしっかりと対決できた・・・酒を呑み交わすのではなく、父が勧める酒をきっぱりと断る(アル中治療中なので)という、これもまた浪花道なのかもしれませんね。
2020年01月03日 10:26
新年明けましておめでとうございます!
今年もよろしくお願いします。まだ~むさんの素敵なブログ、いつも楽しく拝見させていただいておりますので、今後も沢山記事をアップしてくださいね。もちろん、映画だけでなく、拝見させていただいておりますので…!
さてさて、本作大傑作でしたね!こんなに仕上がっているとは全く予想しておらず、結構年末ぎりぎりに観てしまったので、もっと早く観ていればなぁ~と…なにせ尺が長かったものでちょっと敬遠してしまったんですよね~。
構成もぎっちりだし、「シャイニング」に対するリスペクトもあり、ユアンの良さは言うに及ばず…。
そして、記事を拝見して、コレ、原作も読まなきゃだなっ!と思いました。
ノルウェーまだ~む
2020年01月03日 16:30
>ここなつさん
>
明けましておめでとうございます~
拙ブログをそんな風に言っていただき嬉しい限りです☆
こちらこそ今年もどうぞよろしくお願いします。

なぜか続編の「ドクタースリープ」を観るのに「シャイニング」の原作を読んだ私でしたが結果大正解となりました。まさかここまで3つを上手く融合させているとは!是非ここなつさんも読んでまた感想聞かせてくださいませ☆
2020年01月29日 18:54
大変見事な傑作でございましたが、ひとつ不満があるとすればダニーにはもうちょっと生身の人間での生活を楽しみ続けてほしかったな… ラストカットで「おお、生きてた!」と思ったらぬか喜びだったというね
あと前半に出てきた猫がよかったです。あの猫は実在のモデルがいたはず
ノルウェーまだ~む
2020年01月31日 00:24
>SGA屋伍一さん
>
ネコの印象薄いですが・・・モデルが居たのね!?
ダニーは幼い時からずっと色々な現象に苦しんできたから、生身の人間で苦労するよりそっち側の人になったほうが、気ままで良いかも??

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