「閉鎖病棟ーそれぞれの朝」☆一歩踏み出す力

「感動のあまりむせび泣きました」というPOPが話題のベストセラーの映画化ということで、大判のハンカチを用意しての鑑賞。
予想に反して一度もハンカチを使う事無く終わったのだけれど、原作を既に読んでいた友人は「観る前は鶴瓶じゃないよねぇ・・・と思っていたけれど、これが凄く良くてとってもピッタリだったwa」と高評価。
実際役者さんたちの演技はかなり巧くて見事だったyo

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「閉鎖病棟ーそれぞれの朝」公式サイト(11月1日公開)
精神科病院に入院中の秀丸(笑福亭鶴瓶)は、家族を殺して死刑執行されたものの蘇生した過去があったが、心に闇を抱えた患者たちに寄り添い日々穏やかに暮らしていた。
幻聴に悩まされるチュウさん(綾野剛)は、義父からのDVに耐えかねて心を閉ざした由紀(小松菜奈)とも少しずつ心を通い合わせるのだが、覚せい剤で入院中の男が彼女を暴行したことで・・・

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いつもニコニコを封印して、寡黙で陰のあるけれど温かい秀丸を鶴瓶が好演。
ただ秀丸が妻の情事に逆上していきなり3人も殺すとか、あまりに激情型なのがどうもしっくりこない。
その突発的な行為が、のちの重要な事件を『擁護する気持ち』になれない要因となってしまっていて、物語を良い方向へ持って行けてない気がするのだ。
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患者の皆さんは「現役の方では?」と思えるくらい演技が素晴らしい。
あまり良く知らない俳優さんを起用しているのもあると思うけれど皆さん実に巧い!特に⇧のカメラ小僧の男の子が見事!!
逆に主役の3人だけが、なぜカギを掛けて隔離するような精神病院に?と思ってしまうくらい~~
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映画は精神科病棟の様子を丁寧に丁寧に描いている。監督の話ではそれぞれにモデルがいるらしい。
かなり印象的な患者さん達を丁寧に描いてみせるのはいいけど、全編にわたってカメラワークが俯瞰的なので、どうしても主役の3人の感情にぐっと入りにくいのが残念。
勿論ポスターは見てのとおり3人が別の方向を見つめている。つまり副題が「それぞれの朝」であるから、だれか一人にフォーカスしている訳ではないのだろうけれど・・・

映画的には小説を丁寧になぞっているが、いかんせん映画で最も大切な「文章の行間を映像化する」のが出来ていないような?
先に読破した友人に借りた原作をこれから読んで、果たして小説にも行間がないのかどうか?確認しようと帰りながら思ったのだった。


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この記事へのコメント

2019年11月03日 14:27
入院生活というと、この映画で描かれている事も他人事ではありません。閉鎖病棟はちょっと娑婆とは違う世界なので、感動を削がれるという意味では、感情移入出来ない、という事は多分その方が自然で、三人にとって「冬の時代」だったという事かも知れません。

梶木さん、笑いませんでしたが、病院内では、陶芸工房を持たされるとか、結構、リーダー的な存在だったのかも知れません。怒号や暴力を振るう事があっても、誰も傷付かないし、後に尾を引かないという意味では、そうした、オーラや格のある名物おじさんなんじゃないでしょうか。

かといって、車椅子で院内を巡回したら何時間かかるんだ、という話ですけど。ボランティアなのに過労ですね(笑)。
ノルウェーまだ~む
2019年11月03日 21:54
>隆さん
>
梶木さんは他の病院からたらい回しでこの病院へやってきた人なので精神的な疾患は無かったわけですし、病院のなかでは最も心が安定した人でもあったのでしょうね。
リーダー的な存在であることが、よりゆきちゃんを守りたいという気持ちにも繋がったのかもしれません。
2019年11月05日 00:44
こんばんは。

まさに、鶴瓶の心は確かな身体障害者と、精神障害者という異なるハンディを抱えた人々をどう扱うかという事ですね。

投薬と監視された生活が必要な患者を、社会にどう復帰させるかですが、鶴瓶達が手に入れた人間関係というのは、新しい家族、に近い重要性があるものだと思います。

隔離病棟は下手をすれば20年でも30年でも居続ける事になりますから、家に等しいのです。長期入院では、手紙を送る時の住所が病院だという人も居ます。だから、鶴瓶が怒ったのも、家族を守る為だったという事と観れば、一度は家族を殺してしまった鶴瓶が、今度は家族を生かす為に行動した、という事で、見ようによっては、家族への想いを取り戻している、と思いました。
ノルウェーまだ~む
2019年11月05日 23:26
>隆さん
>
家族を殺した鶴瓶さん演じる秀丸が、心のよりどころでつながっている新しい家族を守るために行動し、そして新たな一歩を踏み出すというのが、まさにこの映画のテーマですよね☆

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