DVD「ファイティング・ダディ怒りの除雪車」☆笑えるバトロア

間もなくリーアム兄さんの新作「スノーロワイヤル」が公開となる。
その前にごみつさんがおススメされていた「ファイティング・ダディ 怒りの除雪車」をamazonプライムで鑑賞。
こちらはハンス・ペテル・モランド監督が2014年に制作したノルウェー・スウェーデン映画で、「スノロア」は彼が自らセルフリメイクした作品なのだそう。


こんなにB級感漂う題名なのに、こんなに面白かったなんて!!!シニカルな笑いは1級品☆



「ファイティング・ダディ 怒りの除雪車」 

<ストーリー>
空港で働く息子がドラッグを抜き取った運び屋の友人のとばっちりで殺されたニルス(ステラン・スカルスガルド)は、長年の真面目な除雪作業員として市民栄誉賞を受けたばかりだったが、何とか犯人に復讐したいと独自に調べていた。
街を牛耳るマフィアの手下を一人一人と片付けて行くと、手下を消されたマフィアは…

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とにかくノルウェーの冬の大地が美しい。凍て付く吹雪の夜ですら。

そんな雪に閉ざされた広大な田舎の道もなんなく車で走れて、都会で暮らす人とそれほど変わらない生活が出来るのが福祉国家ノルウェーならではのシステム。
本当にそこはすごい!

日本だと国会議員の地元には意味もなく立派な道路があるのに、他県の田舎は何もなくて不便…という地域が多いのが現状だけど、ノルウェーはどの地域も分け隔てなく普通に生活できるように出来ている。
(都会だと特別便利というわけでもない…ところがミソ)

それは夜、人が寝ている間に除雪作業が行われているから。映画の様な山深い所は除雪、都会では塩を撒いて凍結を防ぐ作業が行われるのだ。

そしてもう一つ、ノルウェーでは軽犯罪の場合「収監」と「罰金+社会貢献」を選べる面白いシステムがあって、その中に深夜の除雪作業というのがある。
こうして市民の生活が守られているわけで、除雪の仕事が人々のライフラインになっている。

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新作「スノロア」では女性警官が「犯罪キターーーーッ!!」と喜ぶ予告編となっているけれど、こちらは犯罪に慣れない警官が初めての死体に遭遇してオエっとなる(爆)

「ドラゴンタトゥーの女」だと既に恐ろしい事件も起きていそうだけれど、実際はそのくらいのどかな田舎なのである。

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何度も声を立てて笑ってしまう

マフィアをタコ殴りにしたり至近距離で撃って返り血を浴びたりと、そこそこに暴力描写もあるけれどグロいシーンはほぼ無い。
お話も展開も恐ろしい事になっているのに、思わず笑ってしまう高度でシニカルなブラックユーモアがさり気なく散りばめられているのは、どこかタランティーノを思わせる。、

例えば最先端の芸術に囲まれて暮らすマフィアの若きドンは冷酷に抹殺を指示しながらヴィーガンだったり(上の写真の部下たちも、健康に良いジュースを皆飲んでいる(≧▽≦)
その他「移民」と呼ばれてあまりいい気持がしていないニルスも、日系の殺し屋をチャイナマンと呼んだり、東欧マフィアがセルビア人かアルバニア人か判らないとか…
死体を吊るした道路標識が過去のマフィアの抗争を示していると勝手に思ったけど、実は何の意味も無かったとか…

このあえて笑わせようとしていないのに思わず笑っちゃうシニカルさが大好き!!

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はじめ犯人を見つけられず、憔悴したニルスは自殺しようとする

鉄製の銃身を口にくわえると、凍て付いた銃に唇が張り付いてしまうなど細かい演出も見事。
この北欧あるある(いや、普通ないことだけど)を、ハリウッドで監督がどう自らリメイクするのか?

何しろ大好きな「特捜部Q」シリーズの「Pからのメッセージ」の監督なのだもの、展開も小ネタもほぼ一緒らしいけど面白くない訳ないよね!?楽しみすぎ~~☆





この記事へのコメント

2019年05月26日 16:52
面白そうですね。ノルウェーが福祉国家でもあり、税金は高いと思いますが、若い頃には知と力を振り絞って働いて、引退後に好きなように生きられる社会というのは、魅力的だと思います。

ノルウェーの森に、仕事の悩みも格差も、緩み、溶け合い、清潔なイメージがあるのが、お国柄ですね。現地のシステムがどうなっているかは知りませんが、貴重な自然環境を無計画に切り倒して来たのも、上からの大計画思想で、古い政治だと思いますので、次世代の開発は、NPOなどの環境や地域の需要の専門家や、地域愛のある本当の世論を聞いて、進めてもらいたい、と思います。

この映画は見ます。
ごみつ
2019年05月26日 17:41
こんにちは!

おお、早速ご覧になったんですね!
変わった映画で、面白かったですよね。
ノルウェーで暮らされてたまだ~むさんなら気が付く事がたくさんあるんじゃないかな・・と思ってました。

結構、社会を揶揄したみたいな描写がありますよね。そのへんも、私は凄く面白かったです。

マフィアの若きドンは、「Pからのメッセージ」の犯人の人でしたよね。けっこう、ハンサムだけど、こんな役ばっかりやらされてるのかしら?(笑)

主役がスカルスガルドなのでうまれてくる、ちょっとしたヘンテコさが、ハリウッドだとどうなるのか、楽しみです!
ハリウッド版はリーアムなので、ドッカンドッカンきそうな予感・・。(;^ω^)
2019年05月26日 20:54
ノルウェーまだ~むさん

見ました。B級テイストというか、抗争でばたばた死んで行くマフィアよりも、ニルスの執念で一人ずつ殺されて行く方が、何倍も見どころがありました。雪を溶かすほどの熱情で、極寒の地は、流れ者の行き付く逃げ場と言いますか、ノルウェーの平和なイメージと全く違って、却って、その土地の普段の時間を知りたい、と思いました。

闇を生むのは、社会にも原因があると思うのですが、人の渡世の厳しさや、失敗経験から、タフに己で耐える生き方ではなく、安易にダークサイドに墜ちる事もあり、普通に生きて行ける、働いて行けるのに、犯罪に手を染めるのが、最も罪なことだと思います。生きる為仕方なく、というのが、本来のアウトローだと思います。

ボスは、マイノリティでありながら、ファミリーや家族に愛の無い、本当に悪い人に描かれていましたね。社会的に弱い事、マイノリティである事に対する、自己認識が出来ないとダメだと思います。家族に手を挙げて涙目になってもいましたが、ああいう青二才の悪人というのは、色んな処に棲んでいるものだなあ、と思いました。
ノルウェーまだ~む
2019年05月26日 22:06
隆さん☆
お返事の前に早速DVDもご覧いただいて、コメントありがとうございます!
基本、北欧は福祉国家なのでマフィア的なものは表面的には居ない国です。劇中でも「南国はその辺のバナナ食ってりゃいいので福祉がない」と話している様に、そう言う国では貧困ビジネスで麻薬の取引などが発生しがちですね。
近代では東欧マフィアの勢力が北欧へ入ってきているのは事実ですが。

そもそも登場するマフィアの人たちは「ダメ」人間なので、その辺のポンコツ具合がいい感じに面白さを手伝っていましたよね☆
ノルウェーまだ~む
2019年05月26日 22:16
ごみつさん☆
面白い作品、おススメ下さってありがとうございます!

やっぱり、「Pからの~」の犯人でしたよね?そんな気がして自分の記事を読んでみたら写真がなくて…
ハンス監督は今年公開の「Ut og stjaele heste」という作品でステルスガルドと犯人役の彼と二人とも起用しているので、気に入った俳優を何度も使う人なのかも?
全編ノルウェー語の響きが懐かしかったです☆
2019年05月27日 07:04
まだ~むさん、おはようございます。
リーアム・ニーソンの「スノーロワイヤル」は楽しみにしているので、なんとか時間を作って見に行くつもり。
オリジナルのこちらもいずれ見たいです。
「スノー~」が意外とコメディタッチ?と聞いていましたが、オリジナルもシニカルな笑いが散りばめられているのですね~
寒そうな雪の映像で、暑い夏を吹き飛ばしたいです☆
ノルウェーまだ~む
2019年05月27日 11:00
セレンさん☆
お忙しい中ありがとうございます!
「スノロア」楽しみですよね~~
ほんと毎日暑いので、雪景色で暑さを吹き飛ばしましょう!
オリジナルはスカルスガルドのむっつりとしたかんじが、より一層マフィアの可笑しみを際立たせていたので、リーアム兄さんだとどんなかんじがとっても楽しみです。
2019年06月02日 21:42
試写会でスノー・ロワイヤルを見ました。オリジナルは未見なので、どんなトーンの作品かとおもっていましたが、リメイク同様笑える作品なんですね。見てみようかな。
ノルウェーまだ~む
2019年06月03日 22:48
風子さん☆
試写会でご覧になられたのですね!?いいな~
最近とんと試写会が当たらず…
内容的にはほぼ一緒らしいですが、北欧らしさがとってもいい雰囲気なのです。是非ご覧になって見て下さい~~

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