「スリービルボード」☆心を動かすのは暴力よりも誇りと愛

何しろ脚本が面白い!
何が起こるか、話がどうなっていくのか、予測もつかない方向へ、そして思いつきもしなかった結末へ。
しかも憤怒のかたまりでしかなかった母親が、後悔と苦悩の姿を垣間見せる中盤から、まさかずっと涙することになるとは思ってもみなくて…


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「スリービルボード」 公式サイト

<ストーリー>

ミズーリ州の片田舎で娘がレイプされ焼かれて殺されてから7か月、捜査が全く進展しないことに業を煮やした主婦のミルドレッド(フランシス・マクドーマンド)は、街はずれの道に3枚の大きな看板を出した。
信頼熱いウィロビー署長の名前を出したことで、街の人たちから総スカンをくらうミルドレッドだったが一歩も引かなかった。
ウィロビーは捜査の過程を丁寧に話すとともに、再び力を入れて捜査を進めるが、その間にも署長を尊敬する部下のディクソン(サム・ロックウェル)巡査はミルドレッドの周辺に圧力をかけてくるのだった。
そんなときいきなり血を吐いたウォロビー署長は病に倒れ・・・・


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夜は真っ暗、誰も通らないような田舎道に看板は建てられたけど、効果は絶大で街中大騒ぎ

実はアメリカで実際にこのような看板が立っているのを監督が目撃したことから、イギリスに持ち帰って脚本を練り上げたのだというのでビックリ。
あえてその事件(?)を取材するのではなく、全く新たな物語を作ったことがこの映画の成功のカギだったのかも☆
何しろ脚本の自由度がハンパない。

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つなぎが戦闘服の強い母親ミルドレッドは逆風に負けまいとするあまり、親身なアドバイスにも耳を貸さない
しかしニコリともしないミルドレッドが娘に放った最後の言葉が、どんなにか言った本人を苦しめているか知った時から、私の涙はラストまで止まらなかった。

いつものイッチャってヤバイキャラは完全に封印してウッディ・ハレルソンが警察署長を好演している☆
よくあるアメリカ映画の様に署長からしてクソ野郎なのかと思ったら、予想に反して本当に市民から愛される人格者だったyo

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広告だけでなくテレビにも出たので、息子は高校でいじめられ・・・・

味方もいるけれど、圧倒的に敵対視されているミルドレッドに、思春期ながらも息子は優しい。
娘がレイプ殺人されたのに(しかも家の近く!)、娘程の年齢の19歳の女と住んでいる暴力元夫に対しても、しっかり母を守ろうと頑張っているのが唯一の救い。

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マザコンのディクソン巡査のダメっぷりはコメディ映画なみ!

憎たらしさが半端ないムカつく差別主義ポリスのディクソンが、ポリスストーリーかと思うくらいに笑えるシーンあたりから一転、話は思いがけない方向へ。
しかし素直な子には正しい教育をしないとダメよね…

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怒りに支配されて他人を攻撃しているうちは、良い方向へはまわっていかない

ウィロビー署長が書き残した手紙が、それぞれを正しい方向へ導いていく。(ラストはともかく)
本当に人の心を動かすのは、辛辣な言葉や威嚇や脅迫や暴力ではなく、愛と尊厳なのだとこの物語はそっと教えてくれる。
「許す事」を学んだ二人が、どうか戻ってきますように☆〈デットプールになってスパッと切っちゃってもいいけど…)


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この記事へのコメント

2018年02月02日 23:08
あのラストは私も「許す」ことを体現して戻ってきてほしいと思いましたが、このトランプ政権でアメリカがおかしくなっている昨今、そこに個人的願望を入れずに映画を終わらせるところもまたこの脚本の巧さでしょうね。
ノルウェーまだ~む
2018年02月02日 23:15
にゃむばななさん☆
母としてはミルドレッド的に激高してあのクソ野郎をズドンとやりたいところですが、こういったフィナーレを用意した監督の脚本、実に巧いなぁと私も思いました☆
まっつぁんこ
2018年02月03日 14:09
日本では受けそうにないラストだと思いました
ノルウェーまだ~む
2018年02月03日 14:58
まっつぁんこさん☆
日本人はハッキリ白黒つけたいのかな?
同じくらいに公開された邦画はベストテンに入っていても、この映画と「デトロイト」はかすりもしてなかったですね…
絶対面白いのに~~
まっつぁんこ
2018年02月03日 16:54
とにかく解りが悪いやつが多すぎる。
観客にあわせて説明過剰だから邦画はつまらない。
何が公開されたのか知りませんがこちらの方が断然面白いのは間違いないと思います。
ノルウェーまだ~む
2018年02月03日 23:54
まっつぁんこさん☆
皆さん「祈りの幕が下りる時」へ流れたようですね。
ただ、12月公開の映画がまだベスト10に残っていて、それよりもランクが低いというのがとっても気になります。
たまにしか映画を観ないタイプの人たちは、押しなべて『スッキリする映画』をお好みのようです☆
ごみつ
2018年02月04日 22:59
こちらにも~。

これも見ているのですが、なかなか記事を作る時間がとれず。^^;

「デトロイト」も良かったですが、これも良かったですよね~。
詳しいストーリーを知らなかったので、予告編からコーエン兄弟っぽいビターブラックな作品かと思ってたらまったく違ってて予想外でした。

私は、これ魂の再生の物語だな~・・って思いました。

> 本当に人の心を動かすのは、辛辣な言葉や威嚇や脅迫や暴力ではなく、愛と尊厳なのだとこの物語はそっと教えてくれる

ホント、まだ~むさんのこの最後の一文がこの映画のテーマですよね。
ノルウェーまだ~む
2018年02月05日 16:56
ごみつさん☆
声高らかにテーマを押し付けてくるのではなくて、最後を観客にゆだねる辺り、「そっと教えてくれる」って感じしませんでしたか??
私全身やけどで病院に担ぎ込まれたときのオレンジジュースのくだりで、もうポロポロ泣いちゃって…

『魂の再生』!!まさにその通りですね!!
ミルドレッドのボロボロになった魂が浄化されていくのが良く判りました☆
2018年02月07日 16:43
こんにちは。
スリー・ビルボード、今日見てきました。
なんとも不思議な映画でしたね。
差別主義がまかり通っているところとか、ことばの汚さとか、ついていけないわ~って感じでしたが、みんなが復讐する相手を間違えて?話がこじれていくのがおもしろかったです。
ミルドレッドも、いつの間にかディクソンと仲良くなっちゃいましたね。^^
ノルウェーまだ~む
2018年02月07日 21:16
セレンさん☆
なんだか不思議な映画でしたよね。
予告では復讐もの?って思いがちですし、実際その方向で進んでいくのですが、話がこじれていくと段々面白おかしくなっちゃうという(笑)
ディクソンとの関係では奇妙な連帯感が生まれて、思いもよらない展開になりましたね~
2018年02月08日 14:39
昨日は驚きのバッタリ!でしたね~!
あれから観ました、これ。
私はあんまり好きにはなれませんでしたが
凄い!と思いました。
あの男の子、「マンチェスター・バイ・ザ・シー」の子だよねえ?
ノラネコ
2018年02月08日 21:26
いやあもう物語がどこに着地するのか、全く先が読めなくて、怒涛の面白さ。
さすが現代イギリスを代表する劇作家ですねえ。
役者の活かし方も見事。
なんとも愛おしい人間たちでした。
ノルウェーまだ~む
2018年02月09日 00:07
zooeyさん☆
駅前でバッタリでしたね~(爆)映画の後、お話が盛り上がったことでしょう。
でもzooeyさんはお気に召さなかったようですね?
「マンチェスター~」は未見なのでちょっと判らないですが、どの役者さんかな?
ノルウェーまだ~む
2018年02月09日 00:09
ノラネコさん☆
先が読めない面白さ、ハンパ無かったですね~!
本当の意味で面白い映画でした。
ステレオタイプに善人と悪人を分け無いところも、イギリス人監督ならではってかんじがしました。
2018年02月10日 21:56
ノルウェーまだ~むさん、今晩は。

『心を動かすのは暴力よりも誇りと愛』  本当にそうですね~。
ノルウェーまだ~むさんのブログの副題というか、キャッチコピーというか、いつも的を得てて感心してしまいます。
一言感想を目指す私にはお手本のような題名ですもの。

フランシス・マクドーマンドの演技が素晴らしかったです。
主演女優賞でオスカー取れたらいいなぁ、、、と思います。
ノルウェーまだ~む
2018年02月11日 11:10
小米花さん☆
嬉しいお言葉ありがとうございます!
そんな風に言っていただけると、俄然やる気がでてきます~♪

マクドーマンドは是非とも主演女優賞獲ってほしいですね!
他の作品を観てないので何とも…ですが、行けるような気がしてます~~
2018年02月12日 22:44
見応えある作品でしたね。
マクドーマンドの演技は本当に素晴らしかったです。ぜひ主演女優賞をとってほしいですね。
ラストは意外な組み合わせでしたが、あの後はきっと戻ってくると思います、思いたいです!
ノルウェーまだ~む
2018年02月13日 00:29
yukarinさん☆
主演女優賞獲れるといいですよね~
私としては脚本賞と作品賞がいけそうな気がしてます♪
やっぱり最後はきっとドライブして帰ってくると信じましょう☆
2018年02月20日 22:43
マクド-マンドさん、少し前までチャーミングな印象でしたがちょっと見ぬまにだいぶ気迫を感じさせる女優さんになってましたね… 昔『ダークマン』のヒロインなどもやっていたけど
『ゲットアウト』で出てたケイレブ・ランドリーJr.君は両作品とも田舎のちゃらい兄ちゃん役でしたが、好感度は対照的です
ノルウェーまだ~む
2018年02月21日 00:30
伍一くん☆
あ、やっぱりケレイブくんだったよね?なんか見てから調べたら違ってた??と不安になって書かなかったのだけど…
「ゲットアウト」でもトムちんの「バリーシール~」でもちゃらさがハンパなかったもので、つい色眼鏡で見てしまい、意外に良い奴だったので心の中でごめんなさいと言ってしまいました。
2018年03月04日 00:49
まだ~むさんこんばんわ♪先月辺りまで出張だったので、返事が遅くなってしまいました(汗

でもアカデミー作品賞の有力候補だけあって、確かに面白い、引き込まれる脚本だったと思いますね。てっきり犯人に関しても絞り込めるのかと思ったら実際はあらぬ方向に向かって行ったりと、あの予測の付きづらい展開も驚きがありましたね。その後も気になってしょうがないですし^^;
ここなつ
2018年03月04日 14:45
こんにちは。
私は今のところこの作品が今年のNo.1です(ってまだ3月ですが)。
それぞれの登場人物の誇り高き物語ですよね。その誇りが泥にまみれたとしても…。
ミルドレッドの息子、母親思いの息子にも彼なりの苦悩があり…上手いなぁ、と思っていたら、彼、「マンチェスター・バイ・ザ・シー」の甥っ子役の役者さんでした!
ノルウェーまだ~む
2018年03月04日 17:55
メビウスさん☆
スッキリ解決したのに、ラストどうなったっけ?と言う映画も結構ありますが、こちらは解決しない結末がかえって印象に残りますよね。
それでもモヤモヤしない、どこが爽快感すらあるのも不思議でした。
予測のつかない展開は実に面白かったデス。
ノルウェーまだ~む
2018年03月04日 17:58
ここなつさん☆
「マンチェスターバイザシー」は未だに見れてないのです~
そうですか…若いのになかなかの役者さんなのですね。

ここなつさんは「シェイプオブウォーター」大絶賛なさってましたが、アカデミー賞はどちらと思われますか??
私は「スリービルボード」かなってちょっと思ってます。
ここなつ
2018年03月04日 20:32
何度もすみません~。
私はアカデミー賞は、作品賞は「シェイプ・オブ・ウォーター」、助演男優賞はサム・ロックウェルに獲って欲しいな、と思っています。もう明日になったらわかるんですよね~。
しつこくてすみませんが、息子絡みのシーン。ミルドレッドが元夫に暴力を振るわれそうになった時、母を庇って父を羽交い締めにしてナイフを突き立てる息子…あのシーンは、母親やったことある人なら涙腺決壊ですよね。
ノルウェーまだ~む
2018年03月04日 22:21
ここなつさん☆再度ありがとうございます!
やっぱり「シェイプ~」に一票なのですね!?いよいよ明日!楽しみです♪
息子が母を庇ったシーン、勿論あそこでも涙腺決壊でしたが、母が高校で卵をぶつけてきた生徒を蹴っ飛ばした時に、息子がそっとお礼を言った時も涙・涙でした。ベタベタしなくても母を想う、子を想う気持ち、息子を持っていると尚更ですね~~(≧▽≦)
2018年03月16日 07:55
えっ! 署長が言ってたとおりの、そんな偶然で犯人が!? と思ったら、一筋縄では行かず、おもしろい。
ディクソン巡査のお母さん、最初、男かと思いましたー。
ノルウェーまだ~む
2018年03月17日 00:02
ボーさん☆
私もです!てっきりお父さんかと思いました(爆)
年を取ると男も女も無くなるのですね…
ふじき78
2018年03月28日 17:25
娘への最後の一言が「そんなん普通に言うよなー」と言う一事なのが上手いっつか、辛いっつか。
ノルウェーまだ~む
2018年03月28日 18:27
ふじきさん☆
そうなんですよ~
まさに普通に親に言われてきたし、子供にも言ってますね。
それだけに母は辛いです。

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