「古都」川端康成原作後日談☆ほんまもんの日本の伝統美

川端康成の原作「古都」の後日談を映画化した作品。
なので「古都」は当然読んでいるよね?なスタンスである。
京都の美、日本の美、女優の美を余すところなく表現して、絵的にもほんとうに美しい仕上がりになっていて、日本でより海外で好まれそうな作品と言えそう。



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「古都」 公式サイト(12月3日公開)

<ストーリー>

京都の老舗呉服店の千恵子(松雪泰子)は、受け継がれた伝統を守るべく日々精進していた。
娘の舞(橋本愛)は就活中で、一流商社に内定が決まっていたが、古くからの馴染みの関係で、母が縁故入社を裏から頼んでいたと知り、勝手に断ってしまう。
自分のやりたいことが見つけられない舞だったが、習字の先生からパリでの公演の手伝いを頼まれる。

一方、千恵子の双子の妹 苗子は、今日のはずれにある北山杉で林業を営んでいたが、パリで自分の才能に行き詰っていた留学中の娘 結衣(成海璃子)に会いに飛んでいくのだった。
娘を想う気持ち、母を想う娘がパリで交差し・・・・


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どのシーンのどこを切り取っても美しい

総額2000万円の着物から、京都の町屋、お寺、裏千家の茶道具、池坊華道家元による活花、お寺、住職、書道家の先生まで全て一流の『ほんまもん』だけを取り揃えた究極の伝統美には、ただただため息が出る。

じっくりと美しさを堪能させてくれる「間」が、お疲れ気味の方には心地よい眠気と、外人の方には驚きの賞賛を与えてくれるのは間違いない。

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千恵子は幼馴染で婿養子の夫、真一(伊原剛志)と家業を守っていた

古い町屋の雰囲気を最大限に発揮する、やや茶色味がかった色味が、より一層伝統の美しさを強調する。
映画は全編くすんだ色調で、日本のワビさびを表しているのか、意外にも着物をアップで映しても、あえて極彩色に映さないのは、自分の将来に迷う娘の舞の気持ちが晴れない様子を表しているのかな?

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双子の妹を松雪泰子が一人二役する

オリジナルの「古都」のくだりは、モノクロのシーンで表現するけれど、こちらは蒼れいなとあんなの本当の双子が演じる。
一応それが過去のいきさつを説明するターンとなっているのだけれど、やはり原作はある程度知っていないと混乱しそう。
私は「感想文のおとも」的ざっくりあらすじと要約を書いたサイトを検索して予習(笑)

生き別れとなった双子の姉妹に出会い、身分の違いを感じてもう会わないと身を引いたのが、北山杉の里で働く妹の苗子。この辺は外人さんだともう判んなくなっちゃうよね。

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画家志望の苗子の娘 結衣はパリで修行中
大きな夢を抱いてパリへ来た結衣。うわー、改めて思うけれどフランス語判らないと、先生に何を言われたのか判んない~~(いやそれが留学だからっ!)

挫折しかけた娘を優しく包む母の愛情に、娘を持つ人なら涙なしには観られない。

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母から娘へ受け継がれる帯

たまたま同じ時期にそれぞれの娘へ託した想い出の北山杉柄の「帯」は、それこそ原作を知らないと??となる。
織物問屋の3男秀男が千恵子の事が好きで、偶然出会った双子の苗子に北山杉柄の帯を織ってプレゼントすると言う。帯を千恵子に届けた秀男に、会ったのは苗子で彼女にも同じものを織ってくれと頼む。
仕上がった帯を苗子に届けた秀男は、苗子に求婚するが苗子は身代わりは嫌だと拒否する。
身分違いを気にする苗子は、秀男との結婚を断り千恵子の前からも姿を消して永久に会わない決意をする・・・・

と、この部分が原作「古都」のあらすじ。

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パリへ行ってからの色彩は鮮やか~~舞は自分の進むべき道を見つけたということか・・・

古い伝統に縛られ、親の後継ぎを負担に考えている舞は、京都の伝統の素晴らしさもしきたりの美も親の想いも見えていなかったことに、パリに来て初めて気付いてからは、蒼い着物が鮮やかに生きてくる。

橋本愛ちゃんの凛とした美しさがとっても素敵。そしていつまでも美しい松雪泰子にもうっとり☆
母娘の愛情を感じて胸にぐっとくる、心洗われる作品。


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  • 古都 ★★★・5

    Excerpt: 文豪・川端康成の不朽の名作を、現代を舞台に原作のその後の物語として映画化したドラマ。生き別れになった双子の姉妹、千重子と苗子が、それぞれに年頃の娘を持つ母となり、人生の岐路に立つ娘との関係に葛藤する姿.. Weblog: パピとママ映画のblog racked: 2016-12-07 10:16
  • 古都

    Excerpt:  過去山口百恵主演などでも映画化された川端康成のノーベル文学賞受賞作を、舞台を現代にうつして再映画化。原作に登場しない娘世代との考えの違いにスポットをあてています。地味ですが日本の美を再認識する機会に.. Weblog: 映画好きパパの鑑賞日記 racked: 2016-12-11 21:01