「妻への家路」☆まことの愛

かつてこれほどまでに切ない映画を観た事がない。
ラストシーンの一コマは、今でも脳裏から離れず、多分一生忘れることはないでしょう。


好きな人が振り向いてくれないだぁ?最近夫(または妻)が冷たいだぁ?家庭に居場所がないだぁ?何年もセックスレスは愛がないに違いないから離婚も考えてるだぁ?何言っちゃってんの??!
この映画を観て『まことの愛』について考えてみて!


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「妻への家路」 公式サイト

<ストーリー>

文化大革命で投獄されていた夫(チェン・ダオミン)は、ようやく妻(コン・リー)の元へ戻ってきた。
しかし彼女は20年という長い年月からの心労で、思い記憶障害を患っていて、夫の顔を覚えていなかった。
いつか思い出してくれる日を待ちわび、夫は自宅の向かいに住み始めて妻に寄り添うのだが・・・・


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娘タンタン(チャン・ホエフェン)の密告により、夫との再会は阻まれてしまう

1966年から11年もの間続いた中国の黒歴史「文化大革命」
あまりそのことに触れた作品を、今まで見てこなかった私だけど、実際このテーマの作品は数多くないようだ。
それは映画に出来なかったからなのだけど、実際まだまだデリケートな部分は省くしかないのだとか。

それにしても、まさか銀座に中国人観光客が溢れかえる時代が来るとは、当時の誰も思わなかったでしょう。

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中国映画の素晴らしい所は中途半端じゃないところ、夫の浮浪者姿は徹底的だ

夫の顔が思い出せなくなるほどに過酷な人生を送ってきた過去や様々ないきさつを、あえて言葉や回想シーンで説明しなくても、ちゃんと伝えてくる所は実に秀逸。

何度も「帰宅する夫」を演出するも失敗するので、最後は「浮浪者の格好」で会うのかと思っていたらそこは違ったwa~~

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娘のした罪(密告)だけは忘れない

密告までしたのに結局バレエの舞台の主役を得られなかった腹いせに、父の若い時の写真を全て切り取って捨ててしまった娘。
決して娘を許さないと誓った母は、カギの場所も今明けたフタが何のフタだったかも忘れちゃうのに、娘の罪だけは忘れない。

心の芯の部分に残るものだけはしっかり記憶されている、アルツハイマーと同じ症状だけど本当に不思議。

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お洒落をして今日も夫を迎えに行く

夫の名前を書いたプラカードを持って日々駅に迎えに行く妻。
それをそっと見守る夫。
ああ、なんて切ないの・・・・・?

予告編は行く前には見ないで、映画のあとに見るとことをオススメ。何度でも号泣できちゃう。

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自分が獄中で書いた手紙を、「夫の手紙を読む人」となって自ら読んで聞かせてあげる

何とも形容しがたい切ない気持ち。
哀しくて切なくて、何度も失敗するから時々可笑しくて・・・・・



だけどそこには愛がいっぱい溢れている。
見つめ合うことは無くても、同じものを見つめている、その眼のずっと先に、決して離れることがない深い絆と愛が、二人には見えているに違いない。



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この記事へのコメント

2015年03月13日 15:53
こんにちは。
この作品、私はル・シネマで予告を見て、切なくも味わい深い作品だなあと気になっていました。
まだ~むさんのお話をうかがってますます心を動かされています。

文化大革命は、昔「ワイルドスワン」という小説を読んで衝撃を受けましたが、映画で正面から扱った作品は見たことがなかったです...。
夫は一生優しい隣人として妻を見守っていくしかないのでしょうか。妻が自分を愛している、とわかっているだけに切ないですね。
ノルウェーまだ~む
2015年03月14日 00:31
セレンさん☆
私は予告編も見ないで行ったので、結構な衝撃を受けたのですが、結末を書かないように気を付けたつもりで、バレバレになってしまいまいたね。
「家族を愛する気持ち」を改めて見つめなおすことが出来る、私たち世代にぴったりな映画と思いますよ~☆
ぜひ!
2015年03月14日 23:16
個人的には1990年代のチャン・イーモウ作品が好きなので、この作品はちょっと昔と比べるとパワーダウンしたように思えましたね。政府批判もあまりないですし。
でもそれをモデルチェンジしたと見ると、「初恋3部作」のチャン・イーモウも今度は「夫婦愛3部作」を撮ってほしいと思えました。
風情♪
2015年03月15日 11:10
こんにちは♪

やっぱり張藝謀監督は叙情的な純愛物語が得意なだ
けあって見せ方は巧いなぁだったんすけど、個人的
に「初恋のきた道」や「サンザシの木の下で」のよ
うな青春物語の方が好みなのと、鑑賞前に飲んだ花
粉症のクスリの効き目のため集中できずで、微妙と
なってしまいました……r(^^;)
ノルウェーまだ~む
2015年03月15日 16:49
にゃむさん☆
いいですね!
初恋から夫婦愛3部作で、まことの愛をどんどん追求していってほしいです☆
案外潤った中国では、尖がった政府批判より夫婦愛を描いた方がウケがいいのかもしれませんね。
ノルウェーまだ~む
2015年03月15日 16:52
風情♪さん☆
判りますわかります。
冒頭からしばらくの間、台詞が抑えめで、激しい雨の音、電車の騒音などで、ちょっと気を失いかけたりしますよね(苦笑)

「初恋のきた道」いいですよね~~「サンザシ~」は未見でした。今度見なくては!

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