「レッド・ファミリー」☆アリランを歌おう

予告編を見てからずっと気になっていた作品。
もっとコメディ色が強いのかと思ったら、案外大真面目だった。
ラストの止めようにも溢れ出る涙が抑えられず。
映画のあとに近くで仕事している友人とランチの約束をしていたのを、心から後悔したわ。


話を複雑にしすぎず、ストレートに伝えたいことを発言している(しかも声高に)なところが小気味よい。
予測できるラストも、うんうんと頷きながら、出来ることならびえーん!と声を出して泣きたかった。


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「レッド・ファミリー」公式サイト

<ストーリー>

隣に住む美しい妻ベク(キム・ユミ)に優しい夫キム(チョン・ウ)と穏やかな祖父チョ(ソン・ビョンホ)、可愛くて優しい女子高生ミンジ(パク・ソヨン)の家族は、実は北朝鮮のスパイだった。
いい家族を演じながら、日々の任務をこなしていたが、喧嘩の絶えない隣人家族に気に入られ、少しずつ交流を持つうちに、自分たちの人生について考え始める。
そんな時、夫役のキムの妻が脱北に失敗し捕えられたと聞き、独断で任務を遂行し手柄を立てようとするが・・・・


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誰が見ても羨むようないい家族

年長の祖父から箸をつけないと食べてはいけないなど、さすが韓国。年長者を敬うことに厳しいのね。
それにしても、あーんて口に入れてあげなくても??

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外では貞淑な妻、一歩家に入ると、とたんに班長同志どの!に変身

室内は盗聴もされていて、工作員を見張る工作員がいるとは・・・
うっかりぼやくこともできない。

しかし20年も工作員をやっている祖父役のチョが、女性の班長に足蹴にされるというのは、北朝鮮の工作員の序列ってどうなってるんだろう??

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南に寝返ったものを暗殺する任務で手柄を立てると、勲章がもらえる!

暗殺に手を染めることに苦悩するも、勲章をもらえると聞いた時の嬉しそうな顔といったら!
従わなければ北に残した家族が殺される・・・・頑張れば時々ご褒美がもらえる~~~かの国の昔から変わらないのであろうやり口に、なんとも暗澹とした気持ちにさせられる。

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喧嘩の絶えない隣人家族は、特に妻の性格がいい加減すぎーっ

人様の家の前にゴミを捨てたり、庭に死んでいた鳥を人の家の庭にぽいっとしたり・・・・
さすがにこんな奥さんいないでしょう?というくらい、酷い嫁。
それが奥さんの実家だからなのかな?と思ったら、どうも夫の実家らしい。ひえーっ!?
年長者を敬う韓国じゃなかったの???

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それでも自由奔放な隣人に影響を受け、次第に生きる意味を考え始める

隣の喧嘩する声があれだけ聞こえるのだから、こちらの班長の厳しい指導も聞こえちゃうでしょう??
など、やや設定の甘いところもあるけれど、くすっと笑えるところもいくつか。
ただ、もっとドタバタコメディと思っていたので、案外まじめでビックリ。

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隣人家族にやたら気に入られ、食事に招かれたり、招いていないのに誕生日を祝いに来たり・・・・

人がいいのか何なのか、人の家でも平気で喧嘩し始める隣人家族。
ついつい北寄り発言をしちゃうので、観ているこちらがヒヤヒヤ(笑)

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最後の暗殺計画はちょっと納得のいく理由じゃないので、しっくりいかない
ただ、大韓航空にしても9.11にしても納得のいく理由なんてないしね。


涙をこらえて祖父が歌った「アリラン」の歌に、全てが込められているような気がする。
北の人も南の人も知ってて歌える歌。
喧嘩をしていても、歌を歌えば気持ちはひとつ。



予測ができるラストでも、涙は止まらない。

気になった針金を手の甲に刺す手錠は、1937年に起きた通州事件や通化事件で、支那(しな)人が3千人の日本人を引き立てるために、ふくらはぎに通して繋いで歩かせたり、強姦した日本人女性の鼻に通して処刑場へ引き立てた方法らしい。
そして今でも脱北朝鮮人を連行するときに手錠代わりに使われているのだそう。

こういったよその国の人には知る由もない話が登場するあたり、監督の本気が伺える。


『相手を敬えば仲良くできる』

国内で紛争の絶えない国の人にも、隣国と揉めている国のひとにも、ご近所でトラブルを起こしている人にも、夫と離婚しかかっている人にも、友達と仲たがいしている人にも、是非とも観て欲しい作品なのだ。



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この記事へのコメント

風情♪
2014年10月09日 10:35
こんにちは♪

>北朝鮮の工作員の序列

家格と党に対する忠誠心のみだけでしょうね。
一昔前の共産主義を揶揄ったジョーク集にもこの辺
のネタが多く紹介されてましたし。

それはそれとして、南に感化され北とのギャップに
ドタバタするコメディかと思いきや、これがラスト
は涙なしにはだし、思いのほかシリアスなつくりで、
もんスゴイ見応えがあり、心底から観てヨカッタと
思える作品でした♪ (゚▽゚)v
ノルウェーまだ~む
2014年10月09日 22:13
風情♪さん☆
なるほど!家柄ですねーこれは必須ですよね。

私もとんだドタバタコメディと思いながら観たこともあって、思いの外大真面目なのがかえって良かったと思いました。
2014年10月09日 23:01
おや、ノルさんこれご覧になったんですね!
何となくノルさんがこれを選ぶとは思わなかったので意外です。嬉しいな〜。
北朝鮮の物語というと、ヤン・ヨンヒの『かぞくのくに』もそうだったんですけれど、こちらはなんといっても脚本が面白いですよね。
物語が変速的だし、最後の方の展開がまた驚きだったなー。
この頃忙しくて、自分の記事は無いのです。
ノルウェーまだ~む
2014年10月09日 23:53
とらねこさん☆
あらら、記事はないのねー?何しろ沢山観てるものね。

私、こんな映画が好きなのよー☆
意外だった?どんな映画が好きな印象なのかしら???
特にキム・ギドク制作・脚本のわりにあっさりしているのが気に入ったわ。
2014年10月10日 23:10
もしこの北朝鮮偽家族の班長が最年長者だったら、こういう形の失敗にはならなかったのかも知れませんね。
儒教の国だからこそ、年長者が足蹴りされるのも失敗への序曲だと皮肉ってもいるような気がしましたよ。
ノルウェーまだ~む
2014年10月12日 00:35
にゃむばななさん☆
なるほどー確かにそうですね。
冒頭の一般家庭でも年長の人がそれほど敬われてなさそうだったので、最近の風潮を皮肉っているのかもしれないですね。

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