「春を背負って」超絶☆絶景に言葉は要らない

『剣岳 点の記』では、群を抜く過酷で美しい映像とそれに負けない物語が胸に迫る映画だった木村大作監督の作品だけに、期待を裏切らない迫力映像と、端々にまで豪華俳優陣を配する資金力は健在。
しかし、今回も予測を裏切らない正統派山を愛でる作品~~なんだけど・・・・


なぜそんなにも台詞が陳腐・・・・・・?何故そこだけ手を抜いたのかしら??


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「春を背負って」公式サイト(6月14日公開)

<ストーリー>

証券会社で行き詰っていたとおる(松山ケンイチ)は、山で人を助けて死亡した父(小林薫)の山小屋を引き継ぐべく、立山連峰の母の元へ帰ってきた。
はじめは慣れない山小屋暮らしや、登山者の事故に戸惑っていたのだが・・・・


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厳しい雪山を登って、少年とおるは必死で父の背中を追う

赤字経営でも頑張る父は、登山者を助けて自分は頭を打ち死亡する。
人のために働くことを生きがいとする人々がこの映画を埋め尽くし、そのお行儀のよさにやや居心地の悪さを感じてしまう。

常ににこにこ顔の母(壇ふみ)が、お葬式の時まで何故かにこにこしているのが謎だった。

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損失を出しながらも有望視されていた証券会社を、あっさり辞めてしまう

証券でエリートなら相当な年収なはず。
山小屋にもヘリを投入できたかも??とはいえ、証券の世界に嫌気がさすのはよくある話。

ところで変なスーツの仲村トオルの上司も、何十億も損失を出している彼に対して不必要ににこにこしているのが、全く理解できなった。原作者なのか脚本なのか、山のことは熱心なのに、そういった別の分野に穴が多いなーという印象。

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山小屋を継ぐ決心をし、初の荷物運びに四苦八苦

父が突然死んだので、仕事を引き継ぐことが出来ず手探り状態。
この手探りな感じを出そうとしたのか、主役の松ケンがどことなくふわふわとしている。

彼も公式サイトで語っているように、都会生活から離れて『はじめて山へ行ったらどうしたらいいのか分からない』姿をあえて生かそうとしたのかもしれないけど、彼の言う「自分の立ち居地がわからない」方が前面に出てしまっていたように感じた。

監督と俳優の意思疎通が出来てないような?
もしくは大好きだった演技派俳優松ケンが、プライベートに満足しすぎて突き詰めた演技をするアクの強い部分を失ったってことなのかも。なんだか残念。

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何故か最後まで『その』景色を見せてくれない、秘密の絶景ポイント

とにかく絶景は見事☆
もしかしたら観光案内ビデオ?的に余すところ無く見せてくれる、山・植物・鳥・・・・・壮大で遥かな山の景色は、コレを見るだけでも十分に満足できる。

山岳ファンには堪らないんじゃないかな☆

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自然すぎる超越した演技が、逆に浮いて不自然な蒼井優

出演者はどの役者を見ても、ものすごく演技派であり、ベテランさんばかり。
番頭の井川比佐志にしても、親友の奥さんの安藤サクラにしても、そこべつに見たことない俳優さんでもOKでしょう?というところで、微細な表情で見せる極上の演技をみせてくる。

それに比べて何故、こちらも演技派のトヨエツと松ケンが、こんなにも朴とつで学芸会みたい?



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吹雪の中を行くシーンや滑落した学生(池松壮亮)を救助するシーンは手に汗握るものが。
山の厳しさは過酷なのが実感できる。

たどたどしく崖を下りていき、また登ってくるシーンは、なかなかの迫力だったけど、初めてのレスキューをもっと大げさに困惑しても良かったかも。

絶景に演技派俳優に・・・・と申し分なく取り揃えているのに、この物足りなさ。
何しろ主役のふたり(松ケンとトヨエツ)の良さがイマイチ出てないのは、何でだろう??と考えてみた。
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本当に豊川悦司を背負って、危険な山道を降りる(あれ?この写真すごい晴天?)



そうだ!台詞なんだ!!

ヘンに等間隔に並べられた台詞と、いい事を話そうとする、本来なら感動ポイントの台詞が陳腐な上に、あちこちに散りばめられすぎているのだ。

脇役が台詞のないシーンで極上の演技をみせているのだから、主役二人も極力喋らせず、ここぞ!と言う時にだけ決め台詞を吐いてほしかった。
大自然に溶け込むような無言の間があってこそ。山には寡黙な男が似合うのだ。


え?ラストシーン?もう、それはどうでもいいや。

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