「ねじ式」つげ義春ワールド炸裂

パパンの大好きな つげ義春。
バレンタインデーは、何も企画していなかったのもあって、一緒に「ねじ式」のDVDを見る事にした。
シュールレアリズム?前衛芸術的?
パパンは「台詞が漫画と一字一句おんなじだよ~♪」と、すっかり喜んでくれたようだ。




画像
浅野忠信 主演「ねじ式」(1998)


<ストーリー>

売れない貸本漫画家のツベ(浅野忠信)は、家賃も払えなくなり、同棲していた国子(藤谷美紀)と別居することになった。
独身寮の賄い婦として住み込みを始めた国子のことが気になって仕方がないツベ。
ついに国子が誰かの子供を妊娠したと聞いて、大量の薬を飲んで自殺を図る。
家主(丹波哲郎)に助けられ、一命を取り留めるツベは、放浪の旅に出るようになった。

静かな山間で出会った『もっきり屋』の少女コバヤシチヨジは、赤い靴欲しさに、客と賭けをしていた。
その様子を覗き見していたツベは、いたたまれなくなり、「頑張れチヨジ!」とつぶやきながら、山を降りるのだった。


海辺のしょぼい民宿の娘は、ツベに色目を使ってくるので、一晩限りの関係を持つが、一年後訪ねてみると、すっかり忘れられていて、さらに寂しさは募るばかりだった。


再び海岸で、ツベはメメくらげに刺されてしまう。
街中を医者を探して歩き回るが、なかなか見つからない。
ついに金太郎飴でビルを建てたおばさん(清川虹子)が、ツベの希望の産婦人科の女医を紹介してくれる。

たどり着いた女医(水木薫)のところで、シリツをしてもらおうとしたら、お医者さんごっこをしましょうと言われ、その最中にスパナで傷口にねじを取り付けて、シリツは成功した。
それ以来、ツベはねじを締めると左腕がしびれるようになるのだった。




まずはYOU TUBEで、「ねじ式」
の原作を使った動画を見てほしい。
(冒頭の岩崎ひろみはご愛嬌)


この動画は原作の雰囲気そのままに、すごく良くできている。
まさにつげ義春の世界そのものだ。

そして今回、この『メメくらげ』に刺された主人公を、浅野忠信が演じているというわけだ。
ちなみにこの『メメくらげ』は、作者があとで名前を考えようと、『××くらげ』としていたのを、編集者が『めめ』でも面白いんじゃ?ということで、印刷に出したという有名な話がある。




映画「ねじ式」は、短編の「別離」「もっきり屋の少女」「やなぎ屋主人」「ねじ式」が、関係ありそうでなさそうなかんじに、オムニバスとなって続いている。


画像
つげ義春ファンのパパンは、当然のように「つげ義春全集」だけでなく、最近では貸本漫画時代に描いた作品を集めたものや、悲惨な子供時代を描いた自伝的漫画「大場電気錬金工業所」まで買っていた

白土三平や水木しげるのアシスタントやっていただけあって、絵のタッチが、カムイ外伝だったりげげげの鬼太郎だったりするところが、大変興味深い。





つげ義春の原作ものの映画は、今まで「無能の人」(竹中直人 主演)や、「ゲンセンカン主人」(佐野史郎 主演)「リアリズムの宿」(長塚圭史 主演)と見てきた私。

「ゲンセンカン主人」を見て、実は私、トラウマになった経験が・・・・
この映画、どういうわけか、長い期間、なんだか多少形を変えて、私の夢に登場していたのだ。

自分が見た夢(妄想)をそのまま漫画にする つげ義春。
私はその漫画を映像にしたものを夢にみたりするのだから、もしかするとつげ義春と脳の中身がリンクしてしまったのではないかと、かなり不安な気分になった。



そして今回。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・ちょっ・・・・・・・・・・ちょ・・・・・    (しばし絶句)
これ絶対また、悪夢確実だし!
ちょっとしたホラーより、なんか怖いよぉー


画像画像






ねじ式 冒頭シーン ふんどし女         ねじ式 ラスト ぬらぬら男


シュールっていうのかな?    シュールとしか言いようがないよね?


とにかく、つげ義春が活躍(?)した60年代の雰囲気を、存分に出したこの映画。
当時、流行った前衛的なものと、つげ義春の妄想部分があまりにもマッチしていて、平常心ではいられない。

故 丹波哲郎さんや、清川虹子さんが登場しているだけでも、十分見ものだし、何しろ主役の浅野忠信が、ものすごくいい味を出している。
彼の真っ赤なジーンズが、60年代的にカッコイイ。


画像
切れてしまった静脈に、スパナでねじを取り付ける



絶句してしまって、レビューが書けそうになかったので、パパンの蔵書のつげ義春 原作を片っ端から読んでみた。
「ほたるの墓」に匹敵するくらいの、戦後の悲惨な少年時代の話を読んで、彼がいつからか、「無能の人」体質になっていった過程を、垣間見ることが出来たような気がする。

つげ自身を「売れない漫画家ツベ義男」として主人公に仕立てた作風は、どの作品にも戦後の混乱期を生き抜いてきた力強さは見られない。
太宰治のような耽美な世界観といえばキレイだが、ただ現代にも通じる、リストラで負のスパイラルから抜け出せず、生気を失っていく若者たちのような、どこか自暴自棄な感覚なのかもしれない。



どちらかというと、つげ義春のように生きたいと、心の奥で思っているパパン。(例→河原で拾った石を並べて売っている「無能の人」)
今までよくぞ、こんな風にならないで頑張ったでしょー?と、のたもうた。

うんうん、もうちょっと頑張ってね☆





「団地妻」的なR指定シーンがあるので、うっかり子供と見ないように。
かなりのエログロシーンのみ 見に来たりょうた。
台詞を全部言える位詳しく知っているなら、DVDを止めて欲しかったよ、パパン・・・・(汗)










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この記事へのコメント

hino
2010年02月16日 09:12
これぇーー?
超シュールくさい~。まだ~む一家は、趣味が似ているんだね。パパンさんも面白いかただねー。

いやー、記事から熱意が感じられたよう。

ぬらぬら男 もっきり屋、という言葉、なんか脳に響いた。
エロ系でなくだよ。

腕とネジの写真、いー!いー!

そういえば、まだ~むも興味があった「医学と芸術」展、行ってないんだよね~

今みているmacでは動画がみれないので、あとでwin君で観てみます。

こういう夢をみるなんて、オツだよね~。




ノルウェーまだ~む
2010年02月16日 09:18
hinoちゃん、超特急でコメありがと!
いやいやいや、私の趣味じゃないからねぇーっ!
これはパパンの趣味に私が合わせているのだ。
邦画好きはパパンとねえねなの。
私はオールマイティーだけど…
でも、絶対hinoちゃんは見て!!
気に入ると思うよぉ☆

こういう夢はオツじゃなくて、悪夢なんだよぉう(汗
mig
2010年02月16日 17:28
まだ~むこんばんは、いやおはよ!

翔浅野好きなんだけどまだみてないらしくかなりマニアックらしいって。
佐吉シュールなの好きだし浅野さん好きだからみてるかも
観てなかったら勧めるね!(^_^)
浅野と妻のチャラがまだ別れてないときに公園で子供連れてる浅野さんと遭遇した翔、
確か名刺渡したみたい(*^_^*)
まだ~むのパパンマニアックなのお好きなのね★

ノルウェーまだ~む
2010年02月16日 17:55
migちゃん、やっぱり?
翔さん、絶対見るべき!っていうか、気に入ってもらえると思うよ。
私は映画もさることながら、原作を読んで欲しいわ。
佐吉さんは、間違いなく「コレ」でしょう!?
かなりど真ん中だと…

浅野&チャラ夫婦に遭遇ですと!?またねえねが、羨ましがる~(笑)
是非翔さんに、浅野主演の映画撮ってほしいわ!
(その時は、ねえねを見学させてやってくださいまし)
2013年04月10日 23:49
お恥ずかしい話ですけど、私、つげ義春って伝説の漫画家で1970年代あたりにとっくに自殺していたのかと勝手に思い込んでいました。まだ75歳で御存命なんですね。この映画観て初めて知っちゃった。情けない。
ノルウェーまだ~む
2013年04月11日 10:25
佐藤秀さん☆
私も夫がつげ義春ファンでなければ、なかなか作品にも触れる機会もなかったので、佐藤さんと同じレベルです。
新しい作品とかなさそうなので、どうしてもそう思いますよねー

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