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zoom RSS 「ジェリーフィッシュ」試写こんな映画観たことないっ!

<<   作成日時 : 2008/02/24 10:01   >>

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イスラエル映画を始めて観た。
しかしイスラエル映画だからなのではない。始めて観るタイプの映画。
すごい・・・・・すごい映画だった。
完璧に練り上げられた、寸分の隙もない映画。
波間にゆらゆらと身を任せるクラゲのように、ゆるゆると穏やかに話は進むのに、ひとつの無駄もない。
こんな映画ははじめてなのだ。

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ジェリーフィッシュ」 公式サイト


観終わってすぐは、コメントもない。
いったいどうブログに書こうか?などとぼんやりと考える・・・・・

しかし帰り道、だんだんとその凄さに気が付いていき、日付が変わるころには激しく心が揺さぶられ、『も・もしや物凄い映画を観たqんじゃ?・・・・・』という気分になってくる。


<ストーリー>

壁に虫が這い、上の階からの水漏れがひどいアパートに住むバティア(サラ・アドラー)は、家のない子供たちの為のボランティアで活躍をしている有名人の母がいる。
美しく活動的な母に比べて、バティアは彼氏との別れのシーンでも「行かないで・・・・・」と素直に甘えられない不器用な性格がたたって、何をしても上手くいかない。

そんなバティアは、ある日海辺で、小さな浮き輪をした少女(ニコール・レイドマン新人)を拾う。
一言もしゃべらない彼女は、どこまでもバティアについてくるが、週末で施設が空いていないという理由で、警察から2日預かるように頼まれる。

バティアが勤める結婚式のパーティー会場では、トイレから出られなくなった花嫁のケレン(ノア・クノラー)が脱出を試みて、足の骨を折ってしまう。
新婚旅行に行けなくなった二人は、海辺のホテルに泊まることにするが・・・・・・

一方、舞台女優のガリアから、退院する母親マルカ(ザハリラ・ハリファイ)の介護を頼まれたフィリピン人のヘルパー ジョイ(ナネニータ・デ・ラトーレ)は、言葉が通じない上に、気難しいマルカに悪戦苦闘していた。

バティアは仕方なく仕事場に子供を連れて行くが、いきなりいなくなってしまう。
必死で探すバティア。
海辺で再び少女を見つけたバティアは、彼女を追いかけて海へと入っていき・・・・・・


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少女はとってもキュート。
腰につけたものすごく小さな浮き輪を、バティアがはずそうとして、「キャーーーーーーッ!!」と金属音のような叫び声を上げるところは、笑ってしまった。
いるいる、そういう子・・・・・

一見、何の関係もないような3つのストーリーが、ゆるゆると進んでいく。
まったく先の展開が読めない。
こうくるだろ?と思ってみていると、ちゃんと『そうくる』映画と違い、‘ゆるゆる‘なのに、ある種の緊張感が生まれるから不思議だ。

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波に漂うだけのクラゲのように、登場人物はみな一様に不器用で、自分から運命を切り開こうとはしない。
観ている側もただ波間に漂い、ゆらゆらとしてしまう。






・・・・・・・・・・と、唐突に胸ぐらをつかまれ、その胸の奥の部分を、ぎゅっと握られてしまう。

予想もしていなかった展開に、噴水のように涙が溢れた。
そうして、その手はいつまでも私の胸の奥を掴んだまま離さない。
痛いほど‘ぎゅっ‘と掴んで・・・・・
いつまでも、いつまでも・・・・・

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象徴的に使われているアイス売りのおじさん。
バティアは子供の頃、「あとでね。」と言って買ってもらえなかったアイスのことが、今でも気になっている。

「今でもあのアイス売りのおじさんは、来るかしら?」とバティア。
「あら、いつでもいるじゃないの。」と女友達。

バティアが本当に欲しがっているのは、アイスキャンディーなどではない。
日頃ふらふらと彷徨って探しているのは、父と母からの‘愛‘なのだから。
しかしそれも、手を伸ばせば、届くところにいつでもあるのだ。




3つのストーリーは、実は同じテーマだということに、最後に気が付く。

誰にでもある、ほんとうに些細で、でも、とっても大事なこと。

愛しているのに、不器用で伝えられない。
愛しているのに、伝えた言葉は、なぜかうまく伝わらない。

よく見えているようでいて、実はあまり見えていない。
そんなクラゲのような半透明な人のこころ。


改めて、自分の母と、自分の娘との関係を見直さなくては・・・・と感じた。

母と娘と・・・・すべての家族を持つ人に、是非観てほしい・・・・そんな映画だ。





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コメント(13件)

内 容 ニックネーム/日時
色のコントラスト的に好きですね。
この映画。ちょっとレトロなかんじで。
最近、映画見てないです。
見たいと思う映画がないのです。
ヘアースプレーはみましたけど。
女装のトラボルタが見所です。
Akki
2008/02/28 01:37
Akkiさん、おひさ〜
ヘアスプレーは、観なかったなぁ〜
トラボルタ変装しすぎて、原型をとどめてなかったよね…
トラボルタの必要あったのか??
ノルウェーまだ〜む
2008/02/28 16:01
見たこともない国の映画の中に、宝物があったりするんですねー。
(イスラエルなんて・・・正直、どんな場所なのかの見当もつかない。生活ぶりとか。)

自分が結婚してから、母との関係も変わった気がします。特に今は心身ヘタっているので、遠くはなれていても、母の存在がとてもありがたく、大きい・・・。
サリー
2008/02/29 03:23
サリーさん、イスラエルの街並みは以外にも普通でしたよ。
骨折花嫁夫婦が泊まったホテルは、下水が臭かったり、外の音がうるさかったり…なんだかシシリーのホテルを思い出しちゃった。

母子の関係って、やっぱり自分が子供の時、結婚した時、自分が親になった時…と変わっていきますね。
そして少し離れていたほうが、案外いいのかも。
ノルウェーまだ〜む
2008/02/29 23:42
この映画観終わったばかりより、後になってジワジワくる映画でしたね。こういう映画は何年もしてから、ふと思い出したりするんですよね。で、その時は印象的なシーンだけを憶えていて、あとはぼんやりと、何故か自分に都合よく少々変えて記憶していたりするんです。これがまさにそうでした。
Mr.G
URL
2008/03/22 03:09
Mr.Gさま コメントありがとうございます。
本当にそうですね。
きっとずっと忘れない映画になりそうです。
ある意味結果がどうなったとか関係ない映画だけに、結末を思い出せなくてモヤモヤする必要もないですしね。
ノルウェーまだ〜む
2008/03/22 09:46
ノルウェーまだ〜むさま、こんばんは、初めまして!!
この作品観ていて、普段は忘れてしまっていた、或いは忘れた振りをしているような色んな感情を目の前にぱあっと見た、ような、不思議な感覚を味わってました。なんともいえない、ふわふわ感に一緒に海の中を浮いたり沈んだりしてました〜♪
rubicone
URL
2008/03/29 23:32
こんばんは、ノルウェーまだ〜むさん。
この映画、たまにしか映画を見ない頃だったら、ずっとこの映画のことばかり考えていただろうなあっていう作品でした。
あの家政婦が誰と電話で喋っていたのかがいまだに引っかかっています。
上で他の方がおっしゃっているのですが、ある種この映画の構成が記憶の不確かさそのものに似ている、とおっしゃってますが、私もその通りだと思います。
とらねこ
URL
2008/03/30 01:12
rubiconeさん、ようこそ!
本当にそうですね。
きっと誰もが持っている感情なんだけど、見てみぬふりをしている、でもとっても大切な何かを改めて見せてくれた映画でしたよね。
あとからジワジワと感動がよみがえってきました。


とらねこ様、お久しぶりです〜
記憶の不確かさを感じると言う点は、確かにそうですね。
この映画が自分でも気が付かないような不確かな感情や記憶を描いているからなのだと思います。
家政婦は、故郷の息子に電話をしていたのだと思っていましたが…
息子に誕生日何がほしい?と尋ねた時に、「お母さんに会いたい…」と言うところで、胸が締め付けられるように感じました。
この映画はどちらかというと、母娘が感情移入しやすい映画ですね。
ノルウェーまだ〜む
2008/03/30 08:51
こんにちは^^

観たあとにとても重いものが心に残って、でもそれが決して重たいだけではなくて、考えていかなくてはいけないという感じの映画だったと思います。うまく言えないのですが・・・。
こういう想いってきっと誰もが多少なりとも抱えているものなのではないでしょうか。
rose_chocolat
URL
2008/04/10 13:32
rose_chocolatさん、こんにちは〜
確かにそうですね。
誰もが抱いている想い、でも誰も口に出してこなかったような、そんなかんじがします。
観客がそのことを、普段からどれだけ胸に強く感じているかが、重く感じるかどうかにかかっているように思われます。
ノルウェーまだ〜む
2008/04/10 15:04
こんにちは。
なんということもない映画のようですが、これは相当に高度な映画ですね。
監督コンビは映像作家ではないですからね、周囲の製作スタッフに力のある人たちを配置しているようですね。
kimion20002000
URL
2009/10/08 10:21
kimion20002000さん、ようこそ!
本当に、しっかり向き合って観ないといけない映画ですよね。
なるほどいいスタッフに囲まれて出来たいい映画なんですね。
ノルウェーまだ〜む
2009/10/09 02:18

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