映画「300」(スリーハンドレッド)がR-15な訳

久しぶりの試写会だ。
ギリシャ彫刻そのものの、鍛えられた肉体をもつ戦士たちが、古典の絵画のような美しい画面で戦う姿は、スローモーションとストップモーションを駆使した映像が、その動きを優雅なダンスのように見せ、飛び散る血しぶきでさえ、美しいと思わせる・・・・・・

しかし・・・・・これだけは言っておこう。

食事は観る前にとっておこう。

そして食べるなら、消化のよいものにしておこう。
万が一ホルモン焼きとか食べた後なら、必ずエチケット袋が必要になる。


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300(スリーハンドレット) 公式サイト

確かに一抹の不安は感じていた。
何しろ、原作がフランク・ミラーのグラフィック・ノベルだ。

フランク・ミラーといえば、10代のころからコミック・アーティストとして活躍しているだけあって、その芸術的で絵画的な映像美を映画と融合させたことは、すばらしいと評価できる。
実際、長編映画デビューを果たした作品「シン・シティ」も、彼のグラフィック・ノベルであるわけだが、私はこれで痛い目にあっている。

「シンシティ」の白黒の画面に、ポイントになる部分にだけビビットな色を配した映像は、スタイリッシュな写真集を見るようで、期待に胸を膨らませて映画を観た。
しかし、‘こちらブルームーン探偵社‘でコメディ俳優として活躍している頃からのファンだった、ブルース・ウィルスの作品を全部観よう!と安易に考えて映画を観るのは以後止めよう~と、硬く決意させることとなった。
シンシティ 公式サイト

美 と 醜

この2作品を観て感じたのは、フランク・ミラーが執拗なまでに追い求めるテーマだ。、



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<ストーリー>
紀元前480年。
スパルタ王のもとに、ペルシア帝国からの遣いがやってきた。
「水と土を差し出せ。」それは服従を意味していた。

『服従か死か』   スパルタの答えはひとつ・・・・・服従はありえない。
鍛えられた300人の戦士が、100万のペルシア軍を迎え撃つ。



いったいどこからこんなに、イケメンマッチョを集めてきたものやら、その肉体は、筋肉増強剤でむりやり膨らませたようなものではなく、いかにも鍛えて出来たというかんじで、実に美しい。
その肉体美が叙情的な背景とあいまって、一コマごとにため息がでるようだ。

スパルタの国の人々も美しい。
動くギリシャ彫刻である。

怪しい祭司のもとで、神のお告げを伝える巫女の踊りも、美しすぎて神々しさすら感じる。

登場する子供たちも、また美しい。



しかし、全ての美の裏には、実はスパルタ教育の語源ともなった、厳しいスパルタの掟があったのだ。

服従しない、退却しない、降伏はしない

生まれてすぐ欠陥があれば、谷底へ捨てられる。
7歳で母親と決別させる。
空腹なら盗んでも生き延びろ。
成人の儀式で森へ放り出され、オオカミと戦って生き延びたものだけが一人前の男となる。


つまり・・・・・醜いもの、弱いものは全て‘削除‘されてきたってこと・・・・・・


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甘美な絵画の世界に酔いしれていると、いきなり奈落のそこへ落とされる。
ペルシア帝国の使者が、深い井戸のそこへ、突き落とされるように・・・・

機知に富んだスパルタ軍の戦略で、鍛え抜かれた戦士たちは、数の多さだけで寄せ集めのペルシア軍を次々に倒して、ものともしない。

倒した数え切れない死体を岩と一緒に土嚢として積み上げ、高い防護壁をつくるスパルタ軍。
死体にあつまるハエと、海鳥たち・・・・・


対するペルシア帝国の大王をはじめ、遣いの者たちは、やたらきらびやかにアクセサリーで飾り立てている。
そして、兵士たちはなぜか醜い。

ペルシアの大王は言う。
「私は寛大だ。何でも与えよう・・・・・・そのかわり、ひざまずけ。」

美しい肉体で、残虐な行為をいとわないスパルタ軍と、奇形だというだけで生きることさえ許されなかった男の、戦士になりたかったというささやかな夢。

いったい何が美しくて、なにが醜いのか・・・・・?

しかし、フランク・ミラーの描くその醜さは、筆舌に尽くし難い。
なぜ、ここまで醜くしなくてはいけないのか?
「シンシティ」でも、グロくて醜かった。

グロいのは許そう。
しかし、手が釜だったり、鎖につながれて野獣のように吼えるしかない巨人は、いったい何者?
これでは、仮面ライダーやモンスター映画になってしまう。

スパルタの戦士の生き様を、輝かしいものとするための映画なら、最後まで美しく撮ってほしかった。
そうしなかったところに、原作者の醜い者に対する異常なまでの執着、裏を返せば愛?を感じずにはいられない。


美しいのに醜い。
このどうしようもないギャップは、フリーフォールに乗ったときに胃が上に上がってくるようなかんじと似ている。
不思議な感覚を楽しみたい人は是非!




この記事へのコメント

2007年06月02日 18:38
超~~勘違いっ!!こちらではこの映画、もうしばらく前に本上映していたようなんです。ポスターを見かけました。そして、多分どちらかといえば「奇形」な感じの写真と、血文字っぽいタイトルで、なにを勘違いしたのか、あたしゃタイトルを「ZOO」って読んでました!(爆)で、どんな映画なんだろう、どうせグログロな作り話なんだろうなって。歴史モノだとは!
まだ~む、文章がお上手ですね、とても参考になりました。ストーリー、描かれているもの、よーくわかって、すっきり!
映画館の横で(そういや、パリのリドの横だったよ!)どうして年配の人がこんな映画を見に入るんだろうなー、って思ってました。なんだかポスターがよくない気がする。HPも見ましたが、その美しさや重さを、もっと前面に出したポスターにすりゃいいのに。
・・・ところでブルースが見当たりませんが???
ノルウェーまだ~む
2007年06月02日 23:46
サリーさん、この映画にはブルース・ウィルスは出ておりませんよ~
出ているのは「シンシティ」のほうで。
日本では、スパルタ王&王妃&スパルタ戦士&ペルシア王の4人のポスターを連ねているのがあちこちに貼ってありますね。
ちなみにZOOでは乙一映画になってしまいますな。(確かにそう見えたりもする…)
2007年06月04日 00:23
フランク・ミラーについてよく知らなかったので、勉強になりました。TBは反映されてないみたいです、アメーバの方に問題があるんだと思われます、最近サーバーのトラブルが多いみたいで、すみません
2007年06月04日 00:38
コメントどうもです。
申し訳ないですが、どうもそちらからのTBが入っていない様です。
特に規制はしていませんので、相性かもしれません。
入ったり入らなかったりする事があるようですから、また試してみてください。
映画の方は、基本的に歴史に題材を求めた「漫画」だと思いました。
「北斗の拳」の中のエピソードに、スパルタをモデルにした国の話がありますが、フランク・ミラー+少年ジャンプという感じでした。
ノルウェーまだ~む
2007年06月04日 01:06
asphaltさま、失礼いたしました。
再度チャレンジしてみましたが、やっぱり入ってないみたいですね。
また暫くしたらもう一度やってみますね。
ノルウェーまだ~む
2007年06月04日 01:09
ノラネコさま、いつもありがとうございます。
再度TBしてみましたが、やっぱり駄目ですね~ガッカリ。
なるほどフランク・ミラー&少年ジャンプですね。納得…
2007年06月04日 18:58
こんにちは。TBありがとうございました。
まさに漫画ですよね~。
色々と言いたいことはあれど、とにかくひたすらビジュアルを堪能しましたです。音楽もグッド。
2007年06月04日 21:23
こんばんは~♪TB&コメントをどうもありがとうございました♪ですがどうやらTBが反映されていないようです(汗)こちらからは出来ているのですが。

鍛えられた肉体と少し色づいた映像に終始魅入ってました。ストーリー云々というより映像がメインといった感じでしょうかね。
2007年06月04日 21:55
カンペキな肉体美でしたね☆
いろんな意味で食欲の失せる映画でしたが、
時間が経つとまた何だか
観たくなってきてます(懲りてない;;)
TBのほう、ありがとうございました!
2007年06月04日 22:27
こんばんは、ノルウェーまだ~むさん!
個人的には最後のペルシア帝国との王の対決が中途半端に終わってしまい、ちょっと残念でした。
なんだかサラって行っちゃいましたからねぇ。
ノルウェーまだ~む
2007年06月04日 22:45
シャーロットさま、ようこそ。
漫画だという事を最初から知っていたら、私も観かたがちょっと違ったかもしれませんね。
モンスター映画だと言っておいてほしかった…

あざみんさま、失礼いたしました。
なぜかTBが反映されないことが、多いですね…
パソコンを変えたせいでしょうか?それとも相性でしょうか。またトライしてみますね。
ノルウェーまだ~む
2007年06月04日 22:56
ユニさま、ようこそ!
観終わったときは、モンスターの登場にドンヨリしていまいましたが、ほかの部分はカンペキ良かったですよね。
なんか匂いのきついパクチーの入ったタイ料理を食べたあとみたいな気分ですね。(意外とまた食べたくなる)

ともやさん、いつもありがとうございます。
最後に放った矢が、せめて足あたりにブッスリいって欲しかったですよね。
所詮かする程度なんだよって、ことなんでしょうか。
2007年06月04日 22:57
こんばんは♪
TBありがとうございました。
あの裏切り者(名前を失念!)にしてもすごい異形のものでしたよね?
あそこまでの奇形ってあるのかなぁ、「ロード・オブ・ザ・リング」のゴラムよりも酷いな~なんて思いつつ。
「ロード~」はファンタジーだから何でもありですけどね。
ノルウェーまだ~む
2007年06月04日 23:09
ミチさま、いつもどうもです~
そうなんですよ、ファンタジーとして観たなら、何でもありだったのに、歴史ものであの異形は反則ですよね。
特に不愉快だったのは、鎖でつながれた巨人です。
ただ吼えているだけって、いくらなんでも…
2007年06月05日 01:57

初めまして。
TBとコメントありがとうございました。
奇怪な姿をしたり、能力を持ったりした人々が出始めてきたので、私は、途中からこの作品は歴史にヒントを得た「ロード」的な「ファンタジー」なのだと思って観ていました。
現実から全てがかけ離れすぎてしまっていたので。
まだ~むのおっしゃるように、監督には異形のものへの畏怖と愛があるのでしょうか?
ノルウェーまだ~む
2007年06月05日 10:16
hyoutanさま、こちらこそTB&コメありがとうございます。
ファンタジーとしてはじめから観ていれば、結構楽しめる作品ですよね。
フランク・ミラーの描く異形の者は、コミックならではの姿とも言えるし、彼のただならぬ思い入れとかも感じたりしますね。
2007年06月05日 22:55
こんばんわ。TB&コメントありがとうございました。

この作品は、古代ギリシャを舞台にし、実際にあった戦いを題材にはしていますが・・・史実とはかなり異なるんですよね。

あの美しさもあの醜さもオリジナルとしての演出・・・なので、どこまで漫画的な映画として割り切れるか?で見方が変わってくるんだろうなと思いました。

こういったアツいバトルものが好きな男子には、特にウケがいい作品だと感じます。
悪と捉えるものには、醜さが必須だったりしますもんね・・・。
2007年06月06日 00:26
ノルウェーまだ~むさん、初めまして!
コメントありがとうございました。
TBは残念ながら、反映していないようです。
Livedoorは時々そんなことがあるようです、
すみませんっ!

フランク・ミラーの作品は、とにかく映像美が素晴らしいですよね☆
でも、その映像にばかりに意識がいってしまうせいか、ストーリー自体にはのめり込むことが出来ないんですよね、私の場合…(-_-;)
ノルウェーまだ~む
2007年06月06日 11:06
睦月さま、いつもありがとうございます。
悪役は醜い…はいかにも男の子チックな発想ですよね。
最近、ヤンママ狙いの仮面ライダーでさえ、悪役を美しく描く傾向があるというのに、ここはやっぱりアメコミらしさなのでしょうか。
ノルウェーまだ~む
2007年06月06日 11:12
honuさま、ようこそ!
TBは残念です。再チャレンジしてみますが、何度やっても出来ないところはできないようです。ごめんなさい。
私は戦闘シーンのある映画を見ると、必ず寝てしまうところがあるのですが、この映画は映像美にのめりこんで、あっという間でした。
ストーリー?のめりこまなくていいよっ!っていう作り手側の意気込みを感じましたね。
2007年06月06日 21:12
TBさせていただきました。

死を覚悟して、勇敢に戦う戦士たちの姿に感動せずにはいられませんでした。
ノルウェーまだ^む
2007年06月06日 22:38
タウムさま、はじめまして。
TB&コメありがとうございます。
こちらからもTBさせていただきました。
信念を貫き通す男たちの姿は、美しかったですよね。

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